住友電工テクニカルレビュー

技術論文集

住友電工テクニカルレビューは、住友電工グループの技術内容を解説した技術論文誌です。 本ページでは、論文の内容をPDF 形式のファイルにより、掲載しております。

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高速道路本線上における逆走検知システム

近年、高速道路上での逆走車両による重大事故が問題となっており、高速道路管理者は逆走車が発生しやすい出入口部等で逆走車対策を行ってきたが、本線上での有効な対策は打てていなかった。当社は高速道路本線上に既に整備されているループ式車両検知器を活用して逆走車両を検知できるソフトウェアを開発することで、本線上を走行する逆走車両の検出を実現した。さらに、道路管制センターへの通知内容を考慮した逆走検知システムを開発した。本稿では、当社が開発した逆走検知システムに関し、フィールド検証を通して精度を向上させた逆走誤検知抑止技術と検知精度の評価結果について報告する。

高速道路本線上における逆走検知システム
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1.2 MB

800Gbit/sコヒーレント通信向けInP 系光ミキサ集積受光素子

インターネットトラフィックの急激な増大に伴って光コヒーレント通信の伝送容量は800Gbit/sに達しようとしている。コヒーレントレシーバに搭載する受光素子に対しても、100GBaudに対応可能な広帯域、局発光の消費電力を低減するための高受光感度、実装部品・工数削減のための多機能集積が求められている。我々は、800Gbit/sコヒーレントレシーバへ搭載可能な広帯域・高感度InP系光ミキサ集積受光素子と、コヒーレントレシーバの小型・低コスト化を可能とする多機能集積受光素子を開発したので、その成果を報告する。

800Gbit/sコヒーレント通信向けInP 系光ミキサ集積受光素子
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1.5 MB

低損失LC 型マルチコア光ファイバコネクタ

動画配信サービス等のネットワークサービスの情報処理を担うデータセンタにおいて、光配線の高密度接続技術の需要が増大している。今後の更なる高密度接続技術の要求に対応すべく、我々はマルチコア光ファイバを実装したLC型の単心コネクタを開発した。当コネクタは、汎用光ファイバコネクタと同じ部品数のシンプルな構造で、Telcordia GR-326-CORE規格に準拠した信頼性とIEC61753-1 Grade B相当の低接続損失を得られることを確認したので、これを紹介する。

低損失LC 型マルチコア光ファイバコネクタ
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3 MB

陸上幹線ネットワーク向け低損失光ファイバ

陸上幹線ネットワークにおける大容量伝送を支えるため、ITU-T G.654.E勧告に準拠する低損失・低非線形光ファイバPureAdvanceを開発し、供給を行っている。PureAdvanceは、陸上伝送路で実運用可能なケーブル化が可能、接続損失が低い、ラマン増幅を適用可能といった、実際に陸上伝送路として敷設する際に要求される実用的な性能を有する。また、PureAdvanceを用いた伝送システムは、従来の光ファイバを用いた伝送システムに比べて高い伝送性能を有することから、PureAdvanceは、幹線伝送網を始め、データセンタ間伝送や、海底システム陸揚局~データセンタ間伝送などの陸上伝送路に最適な光ファイバである。

陸上幹線ネットワーク向け低損失光ファイバ
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1.1 MB

架空線の脱炭素に貢献する高導電率耐熱アルミ合金電線

近年、環境負荷低減に向けた要求が益々高まっており、送電時の電力損失低減が可能な架空送電線が求められている。この要求に応えるため、当社は架空送電線の導体材料である耐熱アルミ合金線の高導電率化に取り組んできた。今回、合金成分、加工プロセスの改良により、連続許容温度150℃の耐熱性と61%IACS以上の高い導電率を両立した新規耐熱アルミ合金線を開発した。本稿では、アルミ合金線の開発技術、本開発合金を利用した架空送電線の特長を紹介する。

架空線の脱炭素に貢献する高導電率耐熱アルミ合金電線
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2.3 MB

再生可能エネルギー大量導入に向けた電力ケーブル系統設計技術

脱炭素化のため近年拡大が進む再生可能エネルギーは、ポテンシャルが偏在する需要地に届けるために、再エネ発電所から既存系統に接続する長距離自営送電線はもちろん、基幹系統ネットワークの拡充も必要不可欠である。本論文では、再生可能エネルギーの送電で多用される長距離交流ケーブルに伴う高調波共振をはじめとする固有の課題と解決の系統設計手法を示すとともに、需要地に大電力を届けるため期待される直流海底送電ケーブルの海底ルート選定や異社間接続などのケーブル系統設計技術について報告する。

再生可能エネルギー大量導入に向けた電力ケーブル系統設計技術
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3.5 MB

耐熱衝撃タングステン材~核融合炉部材への適用~

脱炭素を実現できる有力候補の一つである核融合エネルギーの科学的および技術的実現性を実証することを目的としたITER※1計画が国際的プロジェクトとして進められている。ITERの構成機器のうち、2000℃を超える超高温に晒されるダイバータにはタングステンが使用される。ITERの安定した運転を可能とするために、高温加熱および冷却のサイクルを受けるタングステンには優れた耐熱衝撃性が要求されている。そこで我々は、高温加熱による再結晶粒の成長を抑制した耐熱衝撃タングステン材を開発した。この開発材からダイバータ小型試験体およびプロトタイプ用のモノブロックを作製し、核融合炉を模擬した熱負荷試験にて性能を評価した。その結果、過酷な条件下においても開発材は割れなかった。とくに、プロトタイプの評価結果はITER要求を大きく上回り、当社の開発材が世界に先駆けて“割れないタングステン”として評価された。

耐熱衝撃タングステン材~核融合炉部材への適用~
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4.3 MB

プリント基板加工用全ZnSe 製Fθレンズ

プリント基板加工用CO2(炭酸ガス)レーザドリルマシンには、高速・高精度・高スループットの微小穴あけを実現するために高性能Fθレンズが用いられる。セレン化亜鉛(ZnSe)とゲルマニウム(Ge)はFθレンズのレンズ素材として優れているが、GeはZnSeに比べてCO2レーザに対する吸収率が高く、温度変化に伴う屈折率変化が大きい。そのため、穴加工の高密度化やレーザ高出力化によるFθレンズへの入力パワー増大に伴って、加工の不安定や品質低下を招きやすい。そこで、当社はZnSe素材から完成品までを一貫生産する光学部品メーカとしての強みを活かし、全ての構成レンズとDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コートカバーウィンドウにZnSeを用いた新しいFθレンズを開発した。ここでは、その技術概要を紹介する。

プリント基板加工用全ZnSe 製Fθレンズ
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2.8 MB

鋼旋削用CVD 新材種 AC8020P

自動車部品等で用いられる鋼の切削加工においては、環境負荷の低減や資源の効率的な活用を目的とした様々な取り組みが進められている。当社は連続加工から断続加工まで幅広い加工環境での安定加工を実現する工具として2016年に新CVDコーティング技術「Absotech Platinum」を適用した鋼旋削用材種AC8000Pシリーズを発売し、順次製品ラインナップを拡大している。他方、切削工具には加工工程の自動化・無人化のための安定長寿命に加えて、近年では加工条件の高能率化に耐えうる、さらなる性能向上が強く要求されている。当社はこのニーズに応えるべく、高能率加工で特に優れた性能を発揮する新材種「AC8020P」を開発した。「AC8020P」は従来トレードオフの関係にあった高能率加工における耐摩耗性と耐チッピング性を高いレベルで両立させた材種で、AC8000Pシリーズの既存材種と併せて幅広い鋼旋削加工における加工コストの低減を実現する。

鋼旋削用CVD 新材種 AC8020P
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3.2 MB

アドバンスドコーティングシステムiDS-720

当社では2012年から、それまでのコーティング装置を、基礎的な項目から抜本的に見直し、生産性や膜性能を高めたiDSシリーズの開発を進めてきた。iDSシリーズのチャンバサイズのラインアップ化を進め、様々な用途への適用性を拡げた。この度、工具などの量産や、大型の金型処理に適したサイズであるiDS-720を開発し、販売を開始したので報告する。

アドバンスドコーティングシステムiDS-720
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3.4 MB

新規成長法による超高強度カーボンナノチューブ線材

銅やアルミより軽量・高導電性の次期電線用素材としてカーボンナノチューブ(CNT)に着目している。CNT単繊維は銅を超える導電性を持ち、既知の材料で最も高い引張強度を持つと言われている。CNT電線実用化を目指し当社独自の手法を開発する中で、鉄触媒からの炭素成長時における引張応力付与の有効性を発見した。また、共同研究先の筑波大学において、高速気流中でセンチメートル級での単繊維の成長を発見、成長時の応力付与がCNT長尺化に寄与していることを示唆している。この原理を基にした成長方法で本長尺CNT単繊維を集合したメートル級の集合線を作成、従来のCNT集合線の数倍の強度を持ち、市販の炭素繊維の引張強度も超える結果が得られたので報告する。これにより炭素繊維用途を置き換えるだけでなく、これまでにない新用途にも展開できる。

新規成長法による超高強度カーボンナノチューブ線材
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3.7 MB

高熱伝導性マグネシウム合金板材SMJ140

マグネシウム合金は実用金属中最軽量であり、その一つである当社製AZ91板は、軽量性に加えて、高い強度・耐食性を示し、近年需要が高い薄型ノートPC筐体での実用化が進んでいる。一方で、情報機器業界では、IoTやAI等を活用するため、5Gの電子媒体への実装が進められているが、ハード面では電子機器の発熱が予想されており、これまで以上に電子機器の冷却が求められている。この対策として、材料面からは、材料の放熱性・熱伝導率の向上が挙げられる。今回開発したマグネシウム合金SMJ140の熱伝導率は120~140 W/(m・K)を示しており、この数値は、AZ91板の61 W/(m・K)に対して、2倍以上であり、汎用Al合金板材A5052に相当する。本論文では、軽量放熱板材として期待される高熱伝導性マグネシウム合金板材SMJ140を紹介する。

高熱伝導性マグネシウム合金板材SMJ140
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1.9 MB

高齢者にも易しいICT 機器高齢者支援サービス

2030年わが国は3人に1人が65歳以上の超高齢化社会を迎える。急速なデジタル化に伴い、あらゆるサービスが変化する社会環境において、IT(情報技術)リテラシーが低い高齢者の社会からの孤立、地域で高齢者見守りを行う支援者の高齢化・担い手不足が大きな社会課題となっている。それに加え長期化する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大において、直接対面できず見守り対象者が孤立する新たな課題も生まれている。人が人を支える福祉分野において、ITを活用した非接触で見守る仕組みのニーズは今後更に拡大すると期待される。本稿は、2019年度より富山県の社会福祉法人黒部市社会福祉協議会(以下、黒部市社協と記す)と共同で推進してきた実証実験を通じ、㈱日新システムズ(以下、NSSと記す)が“誰でも簡単に地域とつながることができる”をコンセプトに開発を行った在宅高齢者向けICT(情報通信技術)端末と、本端末を利用したサービスの内容について記載する。

高齢者にも易しいICT 機器高齢者支援サービス
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2.2 MB

放射光を用いた金属材料熱処理過程のその場解析

電線用の銅線やアルミ線等では、熱処理の温度や時間等の製造条件が特性に大きな影響を与える。当社ではこのような製造条件最適化の強力なツールとして、高い透過能を持つ高強度な放射光X線を用いたその場測定技術を開発してきた。本技術は高効率な製造条件最適化への活用が期待されるが、限られた測定機会や、膨大なデータ処理の点で課題があり、実際の活用は限定的であった。そこで本報告では、当社が保有する住友電工ビームラインに複数の環境制御ステージを導入して測定までの時間を短縮すると共に、大量のデータを測定と並行して自動解析する新たなプログラムを作成することで、解析時間の短縮を実現した結果について述べる。これらの設備、プログラムを用いて銅及び銅合金の熱処理工程を模擬したその場測定を行い、温度変化に伴う軟化挙動の違いを短時間で解析できることを確認した。

放射光を用いた金属材料熱処理過程のその場解析
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1.6 MB

車載LED ランプ用低アウトガス電線IRRAX B(K)

自動車のヘッドランプやリアランプには従来ハロゲンランプが使用されてきたが、長寿命や省電力、最大光量までの点灯速度が速いという理由で、近年LED ランプが採用されるようになってきた。車載LEDランプの内部構造は、図1のように筐体内部にLEDランプやドライバモジュールが搭載されており、その配線には自動車用低圧電線が用いられている。LEDランプ内部に使用される電線には、長期間使用してもガラスが曇らない防曇特性が要求されるが、電線被覆は長期間経過するとアウトガスが発生してガラスを曇らせてしまう問題がある。したがって、LEDランプ内配線に使用される電線被覆には低アウトガス性が要求されている。今回、当社独自の配合技術で低アウトガス性を持つ絶縁材料を開発したので紹介する。

車載LED ランプ用低アウトガス電線IRRAX B(K)
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EV 充電器用コネクタ付ケーブルの大出力充電対応(ブーストモード運用)

脱炭素化社会実現に向け、電気自動車(以下、EV)と急速充電器が世界規模で普及している。当社は、EV と急速充電器を接続するCHAdeMO仕様EV充電器用コネクタ付ケーブル(以下、コネクタ付ケーブル)を全世界市場に供給している。近年、EVの車載電池大容量化に伴い、大出力充電のニーズが強まっている。本稿では、冷却を伴わず、大出力充電が実現可能な、ブーストモードの運用方法を紹介する。

車載LED ランプ用低アウトガス電線IRRAX B(K)
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0.6 MB

巻頭言:今後も多様化・高機能化する産業用素材の研究開発への期待

昨年1月以降の新型コロナヴィールスによる新型肺炎の蔓延により、100年前に流行したスペイン風邪との比較が何かと話題になった。スペイン風邪では、当時20億人だった世界人口の2%に相当する40百万人以上の人命が失われたという。名前はスペイン風邪だが、第一次世界大戦に参戦したアメリカ兵が米国から欧州に持ち込んだのが感染の淵源だったと言われている。史上初の世界大戦で、グローバルに兵士をはじめとする多くの人々が移動・接触したことで、感染があっという間に拡散したのであろう。第一次世界大戦での死者は軍民併せて15百万人と言われているので、スペイン風邪での犠牲者の方がはるかに多かったことになる。まさに世界中が大変な時代だった。

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0.6 MB

航空機部品加工用超硬工具の最新材質

近年、航空機市場では長期的な需要増加が見込まれており、航空機部品製造の高能率化が求められている。航空機のエンジンや構造部品に使用される耐熱合金やチタン合金は難削材に分類され製造コストに占める加工費の割合が高いため、切削工具には高能率化と長寿命化が強く要求される。当社ではこれらのニーズを実現するため、耐熱合金およびチタン合金加工に特化した超硬工具材質を開発した。耐熱合金加工には高温下での圧縮歪量を75%低減した耐熱バインダー超硬合金を開発し、高速・高送り加工での塑性変形と摩耗を抑制し、高能率加工を可能とした。チタン合金加工には耐反応性に優れた新コーティングを開発し、工具への凝着を抑制することにより背分力を30%低減し、工具の長寿命化を実現した。

航空機部品加工用超硬工具の最新材質
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2.2 MB

焼結合金・鋳鉄仕上げ加工用スミボロンBN7115

スミボロンCBN工具は、ダイヤモンドに次ぐ硬度及び熱伝導率に加えて鉄に対する低親和性を兼ね備えるcBN粒子を主成分とし、鉄系難削材料の仕上げ加工でコスト低減や加工能率向上に貢献してきた。一方、近年の自動車産業においてHEV、EV化の促進とともに、鉄系焼結合金加工では高い寸法精度とさらなる難削化への対応が、鋳鉄超高速加工では工具の安定長寿命化が要請されている。これらの切削加工における工具損傷解析に基づき、当社は新たな高cBN含有率材種「スミボロンBN7115」を開発した。BN7115は高純度cBN原料およびCo-Al-Cr-WC新結合材を適用することで、cBN粒子間結合力を飛躍的に向上させ、耐摩耗性と耐欠損性を高次元で両立した。これにより、焼結合金加工における加工品位低下や鋳鉄加工における熱衝撃欠損を抑制し、工具の長寿命化に貢献できるものと期待される。

焼結合金・鋳鉄仕上げ加工用スミボロンBN7115
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2.7 MB

難削材仕上げ加工用スミボロンバインダレス工具

立方晶窒化ホウ素焼結体(CBN)は、ダイヤモンドに次ぐ硬度と鉄との親和性の低さを特長とするcBNを利用した工具材料であり、主に自動車産業での焼入鋼、鋳鉄や焼結合金の高速仕上げ加工で用いられる。航空機や金型産業などでも使用されているが、製品の軽量化、高出力化のため難削材の使用が増加する傾向にある。また加工精度の向上など高付加価値化が課題となっており、CBN工具に対する長寿命化や高精度化の要望が強くなっている。スミボロンバインダレスは、ナノ~サブミクロンサイズのcBN粒子が直接強固に結合した、従来CBN材種で用いる結合材を一切含まない焼結体である。従来CBN材種より硬度あるいは熱伝導率が高く、航空機、金型や医療産業などで用いられるコバルトクロム合金、チタン合金、ニッケル基耐熱合金等の難削材加工における高能率化、長寿命化を実現する。

難削材仕上げ加工用スミボロンバインダレス工具
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2.1 MB

切削加工を見える化するセンサ搭載切削工具

近年、デジタル化の進展に伴い切削加工の自動化や無人化のニーズが高まっている。切削工具にセンサを搭載したセンサ搭載切削工具は加工状態を監視するツールとして期待されている。これは、従来の測定機よりも加工点に近い位置で測定が可能となることから、高感度な測定が実現できる可能性があるためである。当社では、センサ搭載切削工具として、センサ、無線通信装置および電源を搭載した旋削工具と転削工具の開発を進めてきた。本稿では、旋削加工と転削加工におけるセンサ搭載切削工具による加工状態監視について報告する。

切削加工を見える化するセンサ搭載切削工具
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1.8 MB

次世代コーティング ナノ積層CVD-AlTiN

切削工具に用いられるセラミックスコーティングには主としてCVDコーティングとPVDコーティングがある。CVDコーティングは耐摩耗性、耐熱性に優れる反面、PVDコーティングに比し靭性で劣る。CVD法を用いたナノメートルオーダーの組織制御により、従来CVDコーティングの耐摩耗性、耐熱性とPVDコーティングの靭性を兼備する次世代CVDコーティング技術を確立し、量産展開を可能とした。本稿ではその特異な組織形態と優れた物性、切削性能を報告する。

次世代コーティング ナノ積層CVD-AlTiN
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1.8 MB

アルミニウム合金加工用高能率カッタ アルネックス ANX型

近年、自動車関連の産業では、地球環境保護のため、自動車の燃費性能改善が求められており、部品の軽量化やHV、EV、FCV車の拡大に伴いアルミニウム合金などの非鉄金属材料の使用割合が増加している。これらの部品加工においては、生産性を向上させるため、加工時間の短縮を目的とした高能率加工や、非切削時間短縮のため、取り扱いが容易な工具、切りくず処理性に優れた工具が求められている。さらに、単位面積あたりの生産性向上を目的とした小型加工設備に対応できる軽量工具も、近年では求められている。これらに対応するため、当社はアルミニウム合金加工用高能率PCD※1カッタ アルネックスANX型を開発した。本報ではアルネックスANX型の特長について述べる。

アルミニウム合金加工用高能率カッタ アルネックス ANX型
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2.1 MB

耐熱合金加工用研削工具

航空機ジェットエンジンや火力発電用ガスタービンの構造部材であるNi(ニッケル)基耐熱合金は、研削加工において工具の消耗の激しい難削材料である。市場ニーズである工具寿命伸長や高能率加工を達成すべく、当社は専用のCBN電着ホイール「CB Master」を開発し、ジェットエンジン用部品加工時の寿命を既存工具比の5倍に、また、ガスタービン部品加工の能率を1.5倍にした。本稿では、その開発経緯と社内の評価部門であるカスタマーソリューションセンターを通じた本工具の拡販活動について報告する。

耐熱合金加工用研削工具
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1.2 MB

高性能なアキシャルギャップモータ実現に貢献する圧粉磁心の高機能化

移動体の電動化や家電・産業機器の高効率化が進み、モータ需要とその高性能化ニーズが高まっている。現在一般的に用いられているラジアルギャップモータに対し、アキシャルギャップモータは薄型で高トルクが得られるため、これらニーズを満たすものとして注目されている。当社ではこれまでに、圧粉磁心を搭載したアキシャルギャップモータが高トルク・高効率であることを実証し、今年度よりアキシャルコアの量産を開始した。アキシャルギャップモータの更なる普及拡大に貢献するため、より低損失な圧粉磁心や生産性に優れる一体ツバ付コア、モータ温度上昇抑制に貢献する薄膜絶縁塗装を開発したので報告する。

高性能なアキシャルギャップモータ実現に貢献する圧粉磁心の高機能化
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高生産性を実現したVVTスプロケット成形体加工技術

近年可変バルブタイミング機構(以下VVT)の高性能化により、VVT構成部品を生産する焼結メーカはより複雑な形状の造形が求められている。その一方で、需要増の要求に答えられる高生産性も求められている。当社はこれらの要求を満たす高い造形性と生産性を併せ持った技術として、粉末を押し固めた成形体を“焼結する前に”機械加工を施す成形体加工技術を適用、量産化した。これにより従来焼結後に機械加工していた箇所を約9倍の速度で加工することができ、大量生産を可能にした。

高生産性を実現したVVTスプロケット成形体加工技術
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1.3 MB

厚銅被覆鋼線による高強度電線

IoT化、ドローンの普及に代表される高度情報化社会、少子高齢化に伴うマルチタスクロボットが活躍する近未来社会において、通信電線の高強度化、軽量化ニーズは現在以上に高まることが確実視されている。特殊線事業部では高強度鋼線に厚銅被覆をした導体複合材料であるTCC(Thick Copper Covered)ワイヤーを開発した。TCCワイヤーは他の銅合金や複合材料と比べ高い強度を有し、特に屈曲性に高い優位性を示す。本稿ではTCCワイヤーの特性について報告する。

厚銅被覆鋼線による高強度電線
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1.3 MB

張力モニタリングが可能なSmARTストランド

「SmART ストランド」(スマートストランド)は鋼材本体に作用する張力を測定するためのセンサを備えたPC鋼より線である。SmART ストランドは張力測定用センサとして光ファイバが内蔵されており、光ファイバを用いたひずみ計測技術を用いることによりその全長にわたる張力の分布を計測することが可能である。プレストレストコンクリートやグラウンドアンカーにおいては、構造物にプレストレスを与えるPC鋼材の張力を正確に管理、モニタリングできることが構造物の品質向上や維持管理において非常に重要である一方、従来技術では張力計測が可能な箇所が限定されており、ケーブル全体の長期的なモニタリングが困難であるという課題があった。SmART ストランドはPC鋼より線の全長における張力を把握し、施工完了後も計測可能な技術を提供する。本稿ではSmART ストランドを用いた張力計測技術ならびにSmART ストランドの構造、その適用例について報告する。

張力モニタリングが可能なSmARTストランド
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1.7 MB

高い電気伝導性・熱伝導性を有する耐熱アルミニウム

カーボンニュートラル、CO2排出削減といった国際的な環境規制強化への変化が加速しており、電源機器や通信機器などの半導体デバイスにおける熱マネージメントが重視されている。軽量で電気伝導、熱伝導が良好なアルミニウム材料は、従来使用されている銅系材料に対する代替ソリューションとして期待されるが、150℃以上の温度域での強度低下するために適用範囲が限られている。当社では、急冷凝固法で得られる粉末アルミニウムを原料として採用することによって、250℃付近の高温まで強度が低下することを抑え、且つ、電気伝導および熱伝導を純アルミニウムに近い水準を維持した新たなアルミニウム材料を開発した。本アルミニウム材料は、導電部品、放熱部品などの軽量化ニーズに対して貢献できると考えている。

高い電気伝導性・熱伝導性を有する耐熱アルミニウム
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2 MB

NVセンサ用ダイヤモンド素子とその応用の可能性

合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと比べ、不純物や結晶欠陥が少ないことから、幅広い工業用途で利用されている。また異元素を添加(ドープ)することで電気・磁気的特性も付与できるため、センシングや計測等様々な分野での応用が期待されている。当社は独自の超高圧合成技術を通して、世界最高レベルの高純度・低欠陥ダイヤモンドを製作し、更に日新電機㈱にて電子線照射やイオン注入処理を行い、高感度のNVセンサの製作に成功した。今回、高品質ダイヤモンドの合成方法、更にそれを利用したNVセンサと、その応用可能性について紹介する。

NVセンサ用ダイヤモンド素子とその応用の可能性
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1.3 MB

物流MaaS向けオンデマンド対応型配車計画システム

物流事業者に向けた業務支援ツールの一つとして輸配送管理システムがある。従来の輸配送管理システムでは、配車後に計画を変更するためには車両の現在位置や客先への訪問時間帯などを考慮して人手で作業しなければならないという課題がある。そこで、我々は配車後であっても新たな作業の追加などの計画変更がリアルタイムで可能な配車計画エンジンおよびAPIを開発した。さらに、過去の配車実績や現在の作業進捗状況を確認できる動態管理Webアプリを開発した。本稿では、これらの機能と性能について紹介する。

物流MaaS向けオンデマンド対応型配車計画システム
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1.1 MB

複数のミリ波レーダによる車両追跡機能の実装と評価

路上事故の削減や、渋滞の緩和のため、道路上の車両を検知するインフラセンサの需要が世界的に高まっている。インフラセンサとしては、広域にわたる道路を走行する車両を検知し、追跡を行うために、複数のセンサを設置し、それらが連携することが求められる。当社はこのようなニーズに対応するため、複数のインフラミリ波レーダを連携させるための機能を開発し、実道路に設置して実験を行い評価した。本稿では、開発した機能と評価結果について報告する。

複数のミリ波レーダによる車両追跡機能の実装と評価
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1.7 MB

独自のナノ構造SiGe熱電材料を用いた非冷却赤外線センサ評価

熱電材料を応用した赤外線センサであるサーモパイルは、非冷却、検出における消費電力フリーという特長がある。我々は、このサーモパイルの性能を向上させるため、赤外線検出部に用いられる熱電材料の開発に取り組んできた。感度の向上には、熱電材料の熱伝導率の低減、ゼーベック係数の向上が重要である。我々が開発したナノ構造Si-Ge熱電材料は、独自のナノ構造と共添加技術により、熱伝導率1Wm-1W-1、ゼーベック係数330µVK-1を有する。この新材料を用いてサーモパイルを作製し、赤外線の検出を実証するとともに、本サーモパイルと赤外線レーザを用いたガス検知システムにおいて、大気中のメタンの検出にも成功した。

独自のナノ構造SiGe熱電材料を用いた非冷却赤外線センサ評価
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1.3 MB

パイプタイプケーブル引替用トリプレックスケーブルの実線路適用

米国の送電網では、1940年代から鋼管入り電力ケーブル(HPFF又はHPGF)が使われてきた。鋼管には絶縁油やガスが充填されており、老朽化に伴い、鋼管の腐食や漏油が問題化している。HPFF/HPGFケーブル※1は既に製造企業がいない上、都市部の線路では地中に水道・ガス管、通信ケーブルなどが混在することから、鋼管路の除去、新規布設が非常に困難であるため、既設の鋼管路をそのまま活用し、新たに設計されたケーブルシステムに置き換えないといけないという課題があった。本報では米国の既存送電網において、既設HPGFケーブルを撤去し、当社が米国・日本で特許を取得しているトリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ポリエチレンシースケーブル(CETケーブル)の開発・設計を行い、リプレースを完工した成果について報告する。

パイプタイプケーブル引替用トリプレックスケーブルの実線路適用
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2.8 MB

枚葉式半導体成膜装置向け高精度温度分布制御システム SumiTune

当社は、5G次世代通信、人工知能自動運転技術、データセンタ用大容量ストレージ等に不可欠な各種半導体の製造工程で使用される枚葉式成膜装置向けに半導体ウエハを加熱するヒータを供給している。半導体回路配線の微細化要求から均質な成膜分布のために、ウエハ面内温度分布の均一化の要求が日々厳しくなっている。これまでのヒータは、同心円状のゾーンに区分けして制御されていたが、均一化を妨げる様々な装置環境因子による周方向の微妙な温度分布ムラをカバーすることができず、均一化に対して限界を迎えていた。この限界を乗り越えるために、マルチゾーン化したヒータとそのヒータを高精度に制御するコントローラを開発したので、報告する。

枚葉式半導体成膜装置向け高精度温度分布制御システム SumiTune
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2 MB

下水処理場向けアンモニア計による送気量フィードフォワード制御技術

硝化促進の活性汚泥法を対象とした、アンモニア計による送気量の自動制御技術が、地方共同法人日本下水道事業団(以下、JS)の新技術に選定された。本技術により、DO一定制御に比べて概ね10%以上の送気量の低減と、処理水質(アンモニア性窒素濃度)の安定化が期待できる。

下水処理場向けアンモニア計による送気量フィードフォワード制御技術
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間欠テープ心線を用いた高密度マイクロダクト光ケーブル販売開始

近年クラウドコンピューティングや動画配信、5G対応等の進展により、通信トラフィックは急増している。一方、ダクト内スペースの物理的な制約もあり、光ファイバを高密度に収納した細径高密度光ファイバケーブルの需要が増している。欧州、北米等のFTTHでは、一度管路(マイクロダクト)を布設すれば、追加の道路工事等なく追い張り布設でき、経済的なネットワーク構築が可能となる空気圧送用光ケーブルが普及している。この空気圧送用に用いられる細径ダクトがマイクロダクトであり、近年の伝送容量増やFTTH等の進展でマイクロダクト光ケーブルの多心高密度化のニーズが高まっている。当社は従来の外径250μmの光ファイバよりも細径な200μm光ファイバを用いた間欠12心光ファイバテープ心線(以下、200μm間欠12心テープ)を実装した432心以下の空気圧送用光ファイバケーブルを開発し、販売を開始した。

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超小型光ファイバ融着接続機 TYPE-201+

近年のテレワークの定着化、遠隔医療やクラウドサービスの発展に伴い、データ通信量が急増している状況にある。これに対応するため、光ファイバを使用した高速・大容量・低遅延な通信ネットワーク網構築が求められている。一方で増加した工事を効率よくこなすため、ネットワーク構築を担う工事業者から作業の抜本的効率化に対する期待が大きくなっていた。この期待に応えるため、当社は従来機TYPE-201eの特徴であった小型・軽量はそのままに、究極の作業性を徹底追及した新機種、超小型光ファイバ融着接続機 TYPE-201+を開発した。

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住宅用蓄電システムPOWER DEPO Ⅳ

太陽光発電の余剰電力の買取価格は低下が著しく、電気料金を下回っている。このため、太陽光により発電された余剰電力を売るよりも自家消費に利用することが検討されている。夜間の電気料金が安い時に電気を蓄電池に蓄え、昼間の電気料金が高い時に電気を使うことにより、電気料金を節約することができる。また、近年、風水害による大規模停電があり、家で使用できる非常用電源が必要とされている。これらの要求に応えることができる住宅用蓄電システムが注目されている。当社では2017年に住宅用蓄電システム「POWER DEPOIII」の販売を開始し、2020年に「POWER DEPO IV」を開発した。

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直流XLPE ケーブル誕生秘話ほか 矢作吉之助先生の教え ~真実を求めよ~

筆者は、2019年に電気学会 誘電・絶縁材料技術委員会の技術貢献賞である「矢作賞」を受賞した。筆者は、賞の名を戴く故矢作吉之助 教授の教え子であり、ここではいくつかの矢作先生の思い出を紹介するとともに、先生の「真実を求めよ」という教えに従って取り組んだ電力ケーブルの研究開発について記載した。特に、この教えに従い真実を追求した結果、世界最高電圧を誇る架橋ポリエチレン絶縁超高圧直流ケーブルが誕生したともいえる。

直流XLPE ケーブル誕生秘話ほか 矢作吉之助先生の教え ~真実を求めよ~
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光ファイバ50年史

損失20 dB/kmの光ファイバと半導体レーザの室温連続発振が実現し、光ファイバ通信が実用化に向けて歩みだした1970年から、丁度半世紀が経過した。この機会に光ファイバの進化の過程と当社での光ファイバ開発への取組みを振り返る。当社は、黎明期から光ファイバの開発と事業化に積極的に取り組んできた。光ファイバ製造方法として今日世界的に普及したVAD法を基盤技術とし、極低損失光ファイバや超多心光ケーブルをはじめとする高品質光ファイバ・ケーブルを世に送り出し、社会のライフラインとして欠かせない光ファイバ通信網の普及を支え続けている。

光ファイバ50年史
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GaNを用いた車載DC/DCコンバータの小型化

近年、電気自動車やハイブリッド車の普及が進んでおり、これらの車両には高圧バッテリから鉛バッテリを充電するためのDC/DCコンバータが搭載されている。DC/DCコンバータは車両への搭載容易性という観点から小型化が強く要望されている。当社では、GaNデバイスを用いてスイッチング周波数を高周波化(100kHz→500kHz)することにより、DC/DCコンバータを既存品と比べて1/2に小型化した。

GaNを用いた車載DC/DCコンバータの小型化
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船舶用レーダー向けX帯300W GaN HEMT

従来船舶レーダーの送信デバイスとしてマグネトロンが使われてきたが、長寿命化、高性能化および電波法令への対応等のため、GaN HEMT※1を用いた固体素子の使用が本格的に始まろうとしている。プレジャーボート向け小出力レーダーから大型商船向け高出力レーダーまでの各種船舶レーダーをターゲットに開発した、業界最高出力の300Wを筆頭とする、内部整合型※2X帯※3 GaN HEMT製品群について報告する。また、これらの製品ラインナップのデモンストレーションを目的とした小型固体化増幅器も試作したので、併せて報告する。

船舶用レーダー向けX帯300W GaN HEMT
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携帯電話基地局向けGaN HEMTの設計指針の検討

近年、携帯電話基地局の小型・低消費電力化への要求の高まりに伴い、効率特性に優れたGaN HEMT増幅器の採用が進んでいる。今後サービスが本格化する5Gの市場においては、データ通信における容量・速度のさらなる向上が求められることから、増幅器の広帯域化に有利なGaN HEMTの存在感がこれまで以上に増していくことが予想される。本報告では、携帯電話基地局向けGaN HEMT増幅器の開発を目的として当社が取り組んでいる、GaN HEMTの電流源に関する評価・解析手法について述べる。従来のI-V測定に代わり、実際のRF動作に近い評価が可能である低周波ロードプル測定を新たに採用し、GaN HEMTの設計指針を探った。また、大信号モデルを用いて、増幅器の高効率化の手法として知られるF級および逆F級動作におけるゲート電圧クリッピングの影響を解析し、効率の制約要因について明らかにした。

携帯電話基地局向けGaN HEMTの設計指針の検討
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50G-EPON 局側装置用受信器

インターネット環境のさらなる向上に対する社会要請にこたえるため、アクセス系光通信網の伝送速度は現在主流の10G級から50G級に向上させる新たな段階にきている。当社はその高速化要求に応えるべく、25.78Gbit/sバースト受信可能なTIAを新たに開発した。このTIAとAPDを内蔵した一波長当たり25.78Gbit/s バースト受信器を世界で初めて開発し、50G-EPON局側装置の光受信部に適用可能であることを確認したので、その特性をここに報告する。

50G-EPON 局側装置用受信器
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世界初のマルチコア光ファイバケーブルの実市街地への敷設と評価

マルチコア光ファイバのコア間の結合特性はファイバの曲げに大きく依存するため、実使用環境での特性評価が重要である。我々はイタリア市街にマルチコア光ファイバケーブルを常設のテストベッドとして開設し、敷設後も良好な光学特性でマルチコア光ファイバが機能することを確認したので、これを紹介する。

世界初のマルチコア光ファイバケーブルの実市街地への敷設と評価
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40km 伝送を実現する5G 無線アクセスネットワーク用波長多重伝送方式

当社では第5世代移動通信システム(5G)の展開に伴って増加する無線基地局を少ない光ファイバで効率的に接続するための波長多重集線装置を開発している。5G無線アクセスネットワークでは、安価に25Gイーサネット信号を波長多重で40km伝送できる技術が望まれる。本稿では実現技術として、伝送レートが25.8Gbit/sの25Gイーサネット信号を2チャネルの12.9Gbit/sハーフレート信号に分割して伝送するハーフレート伝送方式を紹介する。

40km 伝送を実現する5G 無線アクセスネットワーク用波長多重伝送方式
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大電流高信頼性パワーデバイスを実現する高品質SiC エピタキシャル基板EpiEra

SiCパワーデバイスはSiに代わる次世代デバイスとして市場拡大が進んでおり、大電流かつ高信頼性が要求される車載用などの用途においては、SiCエピタキシャル層の高品質化が特に重要である。SiC基板に含まれるBPD(Basal Plane Dislocation: 基底面転位)はバイポーラデバイスにおける順方向通電動作時に積層欠陥拡張を引き起こし、デバイス信頼性の致命的な劣化原因となるが、近年、再結合促進層と呼ばれる高窒素濃度のエピタキシャル層の導入による積層欠陥抑制技術が提案されている。本稿では、PL(Photoluminescence: フォトルミネッセンス)イメージング測定法による受光フィルターの検討を通して、再結合促進層中のBPD評価手法を新たに確立するとともに、BPDの極めて少ない再結合促進層を備えた6インチSiCエピタキシャル基板を新規開発した成果について報告する。加えてドリフト層のBPD品質、表面欠陥品質との両立も確認しており、開発したエピタキシャル基板は大面積素子における安定したデバイス特性を実現するものである。

大電流高信頼性パワーデバイスを実現する高品質SiC エピタキシャル基板EpiEra
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AIを用いたメガソーラー異常診断システム

メガソーラー発電所を長期に亘って安定稼働するために、保守点検の高度化、特に目視点検が主流である直流電圧部分の保守効率化が望まれている。当社は、複数枚の太陽電池モジュールが直列して構成されるストリング毎の発電データを、AIを用いた独自の手法で解析し異常判定するシステムを開発した。検出された異常は発電所管理者に日々のメールで異常の種類と緊急度とともに通知され、効率的な保守に活用される。さらに、このシステムを活用し異常に対する点検方法や対策なども提示する診断サービスも提供しており、その事例も紹介する。

AIを用いたメガソーラー異常診断システム
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再エネ導入促進、電力レジリエンス強化を実現する直流配電システム

再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入拡大や半導体・蓄電池性能の進歩を背景として、再エネと蓄電池を組み合わせた『直流配電システム』が経済的かつ環境指向の次世代電力供給システムとして注目されている。また近年、地球温暖化の影響が指摘されている中で、台風や大雨などの自然災害による停電への対策として、直流技術を活用した電力レジリエンス強化、BCP※1対策への期待も大きい。 本稿では、直流技術の研究開発に着手した背景、ならびに日新アカデミー研修センター(日新電機㈱の研修施設)に構築した直流配電実証システムの構成および実証試験について紹介する。

再エネ導入促進、電力レジリエンス強化を実現する直流配電システム
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軟質金属との摺動に最適な自動車エンジン部品用DLC 膜「HC-DLC」

当社では、アークイオンプレーティング法により作製されるDLC※1膜に、水素を含有させた新膜「HC-DLC」を開発した。適切な量の水素を含有させたことで、MoDTC※2を含有したエンジンオイル中においても耐摩耗性と耐焼き付き性が非常に高く、さらに軟質金属に対する相手攻撃性が極めて低いという、これまでにない特徴を持たせることに成功した。軟質金属と摺動する部品であるピストンピンにHC-DLCを適用することで高い性能が得られることから、2019年秋に量産が開始され、さらに次世代高効率エンジンへの適用検討が進んでいる。

軟質金属との摺動に最適な自動車エンジン部品用DLC 膜「HC-DLC」
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ビスマス系高温超電導線材と応用製品の実用化

1986年末に高温超電導体が発見されて以来、当社ではパワー応用を目指した高温超電導線材の高性能・長尺化に取り組み、特に、ビスマス系2223線材(Bi2223線材)開発では、開発初期より長尺化、高性能化で世界をリードしてきた。また、線材開発と並行して各種応用製品の開発にも取り組み、マグネット、電力ケーブルなどで実用レベルの応用機器が開発されるに至っている。電流リード応用においてはMRI用を始め、商業化された応用機器に組み込まれる例も増えてきた。本稿では、最近のBi2223線材の開発・製品化状況及び線材の周辺技術として今後の用途拡大に重要な接続技術、大電流導体化技術、並びにBi2223線材を用いた各種応用機器の開発・製品化状況を紹介する。

ビスマス系高温超電導線材と応用製品の実用化
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2段階多変量スペクトル分解法を用いた4次元ビッグデータ解析

材料の研究開発においては化学種の3次元的な分布の把握が多くの場合で重要であり、その情報を豊富に含む分析4次元ビッグデータの有効活用が今後重要な鍵となる。我々は「2段階多変量スペクトル分解法」という新しいデータ解析手法を開発し、4次元構造のデータを直感的に理解できる形で表現することに成功した。本手法は、2回の多変量スペクトル分解およびその間の「2値化」処理を行うことが特徴である。薄膜サンプルの飛行時間型二次イオン質量分析法によって得られたデータに本解析手法を適用し、複雑な3次元的微細構造を理解することができた。従来のデータ表現法と比べ、2段階多変量スペクトル分解法を用いることで4次元の分析データが明瞭に、かつ理解しやすくなることがわかった。

2段階多変量スペクトル分解法を用いた4次元ビッグデータ解析
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粉末冶金への粉体シミュレーションの適用

粉末冶金製品に求められる高い寸法精度への要求に応えるべく、製造プロセスの設計支援として粉体シミュレーション技術の開発に取り組んできた。粉体シミュレーションは、粉体を構成している個々の粒子の運動を計算することにより、粉体の挙動をマクロに解釈するためのものである。本報告では原料粉末の粉砕工程、金属粉末の給粉工程に対して適用した事例を紹介する。粉砕効率はボールミルに投入されるボール同士の衝突エネルギーから予測できるが、衝突エネルギーを精度良く予測するには個々のボールについて複雑な衝突過程を伴う運動を正確に再現する必要があるため、スーパーコンピュータを利用することで膨大な数が投入されるボールの運動を解析できるようにした。今回、粉砕性の改善を目指して、粉砕条件を変更したときの衝突エネルギーの変化を予測する解析技術を開発した。また、給粉工程の課題である金型内の充填ばらつきが発生するメカニズムの解明を目指して、給粉過程の粉末挙動を可視化する解析技術も開発した。

粉末冶金への粉体シミュレーションの適用
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車載X-バイワイヤ用バックアップ電源

近年、安全性・利便性向上を目的として、バイワイヤ技術の需要が拡大している。普及が進んでいるブレーキ、シフト等のバイワイヤ化は将来の自動運転車にも不可欠な技術であり、今後も市場が拡大していくとみられている。しかし、バイワイヤ技術は制御対象を電気信号で制御することから、鉛バッテリなどの車両電源が異常となった場合に、制御ができなくなる課題がある。住友電工グループの住友電装(株)、(株)オートネットワーク技術研究所は、車両電源異常時にもバイワイヤ制御を継続するためのX-バイワイヤ用バックアップ電源を開発した。本製品は、2020年に発売されたトヨタ自動車(株)のLEXUS UX300eに採用頂いた。

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巻頭言:住友電工の導電材料と機能製品の開発状況

当社グループは、住友の銅事業に端を発する銅線の製造技術および、その応用製品としての電線・ケーブルを礎として、新技術・新製品の開発を継続的に行ってきた。電線・ケーブル技術は、主に「導体技術」と電線の被覆材料に必要な「絶縁技術」から構成されており、これらの技術発展と共に、当社製品の多様化の歴史を紐解くことができる。図1は、両技術をもとに生み出されてきた製品群の中から、本号で取り上げた技術およびその周辺技術の展開の歴史をまとめたものである。「導体技術」に関しては、1897年に当社の前身となる住友伸銅場が開設され、銅電線の製造を開始した。その後、この技術を元に、銅線にワニスの絶縁層を形成した巻線、銅電線と他の金属を層状に積層するクラッド法やめっき法などで複合化した電子部品及び自動車エンジン用導電材料、アルミ電線などが生まれてきた。また、めっき技術からは、金属多孔体が開発された。

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0.8 MB

インド高速貨物専用鉄道向けトロリ線

トロリ線鉄道ビジネスの海外輸出案件の中で、インド政府が進めている高速貨物専用鉄道建設プロジェクトを受注し生産納入している。インドのトロリ線市場参入にあたっては、海外規格をベースとした高導電率、かつ高強度といった顧客要求の仕様を満足する必要があった。本要求に対応するため、これまでに培った錫入り銅合金トロリ線の開発経験から、素材鋳造での錫含有量と酸素濃度の制御管理、トロリ線伸線工程の伸線条件変更により開発目標の特性を満たすトロリ線を開発した。本稿ではこれらの技術開発に関して報告する。

インド高速貨物専用鉄道向けトロリ線
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鉄道車両用空気バネのシミュレーション技術

空気バネは鉄道車両の乗り心地を向上させ、安全な高速走行を実現するには必須の部品である。都市人口の増加や環境問題への関心の高まりを背景に、自動車や航空機と比較して輸送効率が高くCO2排出量やエネルギー消費量を抑制できる鉄道に注目が集まっており、世界各国で鉄道網の整備が進められている。世界中に鉄道網が普及する中、路線や環境に応じて多種多様な空気バネ特性が要求されている。そのため、当社ではより迅速な設計を行うことで、より多様なニーズに応えた提案をするべく、革新的な設計手法としてシミュレーションによる設計技術を開発している。今回、空気バネの静的特性と動的特性をシミュレーションで精度良く予測する技術を開発した。

鉄道車両用空気バネのシミュレーション技術
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電動車向けモータの巻線

環境負荷低減に向けた自動車の電動化が急速に進んでいる。電動車用モータのベンチマークを通じてモータ設計技術の変遷と今後の開発の方向性について概括する。さらに、モータ性能の向上に寄与する平角線開発に関して当社の取組状況を報告する。モータ性能向上のために、巻線の皮膜絶縁性の向上、寸法バラツキの抑制に取り組んできた。

電動車向けモータの巻線
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電動車用巻線の品質向上に向けた解析技術

巻線は導体とエナメル皮膜から構成される製品であり、巻線の品質や性能の向上を図る上で、金属(導体)、樹脂(エナメル皮膜)、および、それらで形成される異種材料界面が解析技術の対象である。解析の目的に応じ、新規解析技術の開発、また、最先端の解析技術の活用が必要となってきており、本報では、巻線を構成する導体やエナメル皮膜、および、導体とエナメル皮膜の界面に対する独自の解析技術を報告する。

電動車用巻線の品質向上に向けた解析技術
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モバイル機器スピーカー用銅被覆アルミ線DCCA

モバイル機器の普及に伴い小型スピーカー類に対する音質向上のニーズが高まっている。小型スピーカーのボイスコイルに用いられる自己融着エナメル線には、振動で破断しないための長寿命性と、高音側再生周波数帯域での応答性を高めるための適度な軽量性が求められる。当社が開発した銅被覆アルミニウム線では、アルミニウムの合金化により耐振動疲労断線性を付与した上で、銅とアルミニウム合金の構成比の違いにより導体密度と導電性に対する選択肢の提供を実現した。小型スピーカーの音質に貢献するべく、ニーズを両立しコイル設計の自由度を高めることができた本製品の開発についてまとめる。

モバイル機器スピーカー用銅被覆アルミ線DCCA
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クラッド・めっき技術を応用した複合材料線材

複合材料線材は複数の金属相を有することで異なる機能を比較的安価に合わせ持つことが可能である。当社はクラッドまたはめっき技術を応用した複合材料線材製品群を擁しており、本稿ではその技術と応用例を紹介する。

クラッド・めっき技術を応用した複合材料線材
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高耐熱性金属多孔体の応用展開

富山住友電工㈱の製品であるセルメットは、三次元網目構造を有した金属多孔体であり、高いガス拡散性と高い導電性を有している。固体酸化物形燃料電池(SOFC)の集電体には、ガスの均一拡散性や集電性が要求されるため、セルメットの適用により性能向上が期待できる。これまで量産品ニッケル(Ni)セルメットを空気極用集電体として適用検討してきたが、700~800℃もの高温域では、酸化による不導体化が起こるため、高い出力性能は得られていなかった。今回、新開発したニッケルコバルト(NiCo)セルメットは高温酸化雰囲気中で導電性酸化物を形成することから、空気極集電体に適用しても高い導電性を示す。本報告では、SOFC作動に要求される各種物性を評価し、更に空気極用集電体にNiCoセルメットを適用したSOFCの性能評価を行うことで、NiCoセルメットが高温域作動SOFCの空気極用集電体として有望であることを明らかにしたので、その内容を記載する。

高耐熱性金属多孔体の応用展開
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自動車アルミ電線防食用ホットメルト付き熱収縮チューブ

熱収縮チューブは、収縮加工時の熱で被覆物に収縮して、絶縁、機械的保護などを発現し、エレクトロニクス・航空機等の分野で使用されている。内側にホットメルト接着剤を有する二層構造の熱収縮チューブは、自動車に搭載される電線・ハーネスのジョイント個所での防水用途で広く使用されている。近年、CO2削減のための更なる低燃費化、軽量化が求められる中で、従来の銅電線に代わるアルミ電線が注目されている。アルミ電線の端末部での防食保護用途で新規の二層熱収縮チューブを開発した。

自動車アルミ電線防食用ホットメルト付き熱収縮チューブ
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架橋フッ素樹脂の分子構造と接着状態の解明

PTFE(polytetrafluoroethylene)に代表されるフッ素樹脂は、固体中最小レベルの摩擦性、樹脂中最高レベルの耐熱性・耐薬品性・耐候性・電気特性を持つ優れたポリマーであるが、耐摩耗性が悪いこと、複合材料として用いる場合には基材と接着が難しいことが弱点である。特殊条件下で電子線照射を行うことでフッ素樹脂の架橋反応を促進させ、耐摩耗性を1,000倍近く向上、基材との接着も可能とした製品を開発した。今回、固体NMR(Nuclear Magnetic Resonance)にてその架橋状態を調査すると同時に、SPring-8の硬X線を活用して、基材との接着状態を解明したので、その内容を報告する。

架橋フッ素樹脂の分子構造と接着状態の解明
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電子線架橋技術を応用した高耐久性樹脂ギア

電子線を照射することでプラスチックを架橋させ、特性を向上させる技術を活かし、疲労強度を向上させたエンジニアリングプラスチック部品「テラリンク」について、ポリアミド66での性能向上例を報告する。引張強度などの基礎物性も向上するが、ギアでの疲労強度で比較すると、架橋により3倍以上の荷重に耐えられるところまで改質される。汎用的なギア材料のコンパクト化や、軽量化の観点で進んでいる金属部品からプラスチック部品への代替に対する貢献が期待される。

電子線架橋技術を応用した高耐久性樹脂ギア
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ガス分離に有用なPTFE 製超微小孔径膜 「ポアフロンナノ」

当社が世界に先駆けて開発した延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製多孔質体「ポアフロン」は耐薬品性で高耐熱性の精密ろ過膜として広範な産業分野で利用されている。その中でPTFE膜の更なる微細孔径化が可能となれば、固/液の高精度分離の他に、従来は不可能であった過酷環境・条件下での脱気やガス分離プロセスでの実用化が期待される。当社独自開発のナノサイズ孔径PTFE膜 「ポアフロンナノ」及びそのモジュールは、更なる技術の進展によって高い脱気性能とガス分離性能を獲得した。

ガス分離に有用なPTFE 製超微小孔径膜 「ポアフロンナノ」
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省エネ・省スペース水処理用中空糸膜モジュール・ユニット

従来品に対し、ろ過膜面積あたりの設置面積が小さく、かつ省エネ化した水処理用ポアフロン膜モジュール・ユニットを開発・上市した。成功のポイントは、ポアフロン中空糸膜が有する耐汚染性・耐閉塞性および高強度・耐屈曲性等の特長に加え、膜モジュール構造をカセット型とし、膜モジュールの膜有効長・充填率アップ、汚れ付着を防止する散気気泡の大径化を実現する新たな散気装置の開発である。日本下水道事業団他との都市下水処理での共同実証試験で、膜分離の普及ポイントと言われる電力使用量原単位目標の処理水1m3あたり0.4kWh以下を達成する試算結果を得、さらにその後、複数の現場での実証を経て商品化した。本稿では、開発実証の経緯、製品仕様、適用事例等について紹介する。

省エネ・省スペース水処理用中空糸膜モジュール・ユニット
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運用コスト低減に貢献する法人向けイーサネットアクセス装置

当社で新たに開発した、通信事業者の運用コスト低減に貢献する、法人向けイーサネットアクセス装置を紹介する。従来は異なる装置で実現していたメディアコンバータ機能と集約機能を1装置に備えることで、省電力化と省スペース化を実現した上で、ヒットレスファームウェア更新に対応した。さらに、ゼロタッチプロビジョニングやNETCONF、警報通知、回線監視を備えることで運用管理業務の削減を実現している。本稿では、加えて、障害予兆検知手段として期待されるStreaming Telemetryの実験結果を報告する。

運用コスト低減に貢献する法人向けイーサネットアクセス装置
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データセンタ向け次世代(400 Gbit/s)光通信用VCSEL アレイ

世界的なIPトラフィックの急増に対応すべく、データセンタでは伝送速度400 Gbit/sの短距離光通信の導入が始まっており、そこでは多値変調方式PAM-4に対応したVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)アレイ製品が求められている。筆者らはPAM-4用VCSELを850 nm/900 nmの2波長のラインナップで開発した。本稿では変調帯域向上とノイズ低減に着目したデバイス設計の最適化、開発したPAM-4用VCSELの特性、およびアレイ製品に高く求められる特性均一性の改善について報告する。

データセンタ向け次世代(400 Gbit/s)光通信用VCSEL アレイ
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USB Type-Cコネクタ対応アクティブ光ケーブル

コンシューマエレクトロニクス市場において、4K・8K等の高精細ディスプレイや没入体験型ヘッドマウントディスプレイが登場してきている。この分野ではコネクタプラグの小型化及び広帯域・長距離伝送に対応したケーブルが必要とされるため、長距離伝送に優れた光ケーブルのニーズが高まっている。しかしながら、光ケーブルはメタルケーブルよりコネクタプラグのサイズが大きくなるという課題がある。今回当社は、汎用小型高速インタフェースであるUSB Type-Cコネクタに対応し、コネクタプラグがメタルケーブルと同等のアクティブ光ケーブルを開発した。本稿では、今回開発したケーブルの設計概要、伝送特性評価結果、信頼性評価結果について報告する。

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画像解析処理による自動水流監視システム

貯水施設の運用に関するトンネルや河川の水流変化を自動で監視する手段として、ITV※1監視カメラの映像を取込み、複数の画像解析アルゴリズムを最適な組み合わせで処理する仕組みにより、様々な水流の変化(流入や越流、放流等)を精度よく検知し、自動的に通知することを可能にする自動水流監視システムを開発した。本稿ではそのシステムの概要を紹介する。

画像解析処理による自動水流監視システム
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2.6 MB

ミリング用新材種 汎用ACU2500、鋼用ACP2000/ACP3000、鋳鉄用ACK2000/ACK3000

自動車産業をはじめとする切削加工の現場では、工具寿命向上によるコスト低減、高能率加工による生産性向上、突発的なトラブル抑制による設備の自動化などが求められている。さらに、近年では加工設備集約などの取り組みが進み、1台の加工設備で様々な被削材を加工する現場が増えている。このようなニーズに応えるため、当社では鋼、鋳鉄問わず幅広い被削材のミリング加工で安定長寿命を実現する汎用材種「ACU2500」を開発した。さらに、鋼ミリング加工で高能率加工、安定長寿命を実現する専用材種「ACP2000/ACP3000」を、鋳鉄ミリング加工で高能率加工、安定長寿命を実現する専用材種「ACK2000/ACK3000」を開発した。これら5材種は幅広い被削材に対応するだけではなく、従来材種比1.5倍以上の安定長寿命または2倍以上の高能率加工を実現し、加工コストの大幅低減および生産性向上を可能にした。

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鋼旋削用コーテッドサーメット材種T2500Z

自動車・産業機械に代表される製造業の鋼切削加工の分野では、地球環境への負荷低減および加工コストの低減を目的として、加工条件の高能率化が年々進んでいる。また、切削工具に用いられるサーメット材料は、鋼との親和性が低いことから高い加工面品質が得られる特長があり、特に仕上げ加工に多用されている。一方、高能率化による加工条件の過酷化に対応するため、サーメット工具に対する長寿命化と良好な加工面品質の両立が強く要求されている。そこで当社では、このような市場ニーズを背景として、長寿命かつ優れた加工面品質を実現する新たなサーメット工具材種「T2500Z」を開発し、製品化した。T2500Zは鋼旋削加工において、当社従来品比で2倍の寿命を達成しており、ユーザーの高能率化ニーズに応えることが可能となった。

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独自共添加法によるナノ構造SiGe 熱電材料の性能向上の実証

熱電材料を用いた発電技術は、排熱から直接電力に変換することが可能であり、持続可能なエネルギー源となり得るため、低炭素社会に向けたエネルギー材料技術として期待されている。しかし、熱電変換効率に直結する熱電性能指数ZTの目標値が自動車排熱発電で4以上であり、現状、到達することは極めて困難であると見られている。我々はこの大きな課題を、ナノ構造の精密制御、および材料の電子構造の変調により打破すべく、研究開発を行っている。これまで我々は、Si-Ge熱電材料にナノ構造制御を適用し、従来比1/7倍となる低熱伝導率を実現し、材料性能を向上させてきた。今回、更に性能を向上させるべく、電子構造を有効に機能させる独自技術として、共添加法、即ち①Au添加による電子構造の制御に加え、②B添加によるフェルミ準位の制御を共に行う手法を提唱し、同型従来材料対比で世界最高となる材料性能指数ZT=1.38(従来0.9)を実証したので報告する。

独自共添加法によるナノ構造SiGe 熱電材料の性能向上の実証
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高温(200℃)動作が可能な中赤外量子カスケードレーザ

量子カスケードレーザ(QCL)は、小型、高速、狭線幅等の優れた特長を持つことから中赤外ガスセンシング光源として期待されている。ガスセンシングへの実用化には、高感度センシングや複数ガス成分を一括で検知するために単一モード性やモードホップフリーな広帯域の波長可変幅がQCLに求められる。QCLの波長可変幅拡大には、動作温度を向上させることが有効である。そこで今回我々は独自の歪補償コアを設計し、さらに埋込ヘテロ(BH)構造を導入することで、高温で動作する分布帰還型(DFB)-QCLを開発した。その結果、パルス駆動において-40℃から200℃の範囲でモードホップのない単一モード発振が得られ、単一導波路のみで波長可変幅123 nmを実現することに成功した。今後、本QCLを光源に用いたガスセンシング手法の開発に取り組む。

高温(200℃)動作が可能な中赤外量子カスケードレーザ
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高強度外被を有する超多心光ファイバケーブル

近年クラウド・コンピューティングの普及に伴い、基盤となるデータセンターネットワークで通信されるデータ量が増大してきており、より超多芯で高密度なケーブルの需要が高まっている。当社は世界で初めて3456心以上のケーブルの製品化に成功し、多数の顧客へ納入している。一方、海外テレコム市場においても管路の制約等から光ファイバケーブルの多心高密度化が進んでおり、2000心相当の光ファイバケーブルのニーズが出てきている。海外テレコム用途では既存線路との接続性を重視する顧客も居り、現行超多心ケーブルで用いているMFD(Mode Field Diameterの略、光学的なコア径の意味)の中心値が8.6umの曲げ強化型シングルモードファイバ(ITU-T G.657.A1, G.652.D準拠)よりも汎用ファイバとして用いられているMFD9.2um中心のITU-T G.652.Dファイバの要望がある。さらにアジア等の屋外配線ではネズミ等の齧歯類対策のため、鋼テープ外装付光ファイバケーブルのニーズが高い。そこで今回は、MFD9.2umの汎用ファイバを用い、高密度性を実現するため、間欠8心リボン構造を採用した鼠

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新型多心光ファイバ融着接続機 TYPE-72M12

近年、クラウドサービスの発展により、世界各国でデータセンタ構築が急務となっている。データセンタで採用される光ファイバケーブルには、数千心の光ファイバが実装されており、その心線数も1728心から3456心に増加するなど、高密度化のトレンドが顕著である。このような心線数の増加に伴い、工事業者からは多心ファイバの一括融着による効率的な作業への期待が高まっている。この新たなユーザ課題に応えるために、接続・補強時間の削減、作業負荷の軽減機能を特長とした新機種、多心光ファイバ融着接続機 TYPE-72M12を開発した。

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レドックスフロー電池 最近の開発動向

地球温暖化の進展に伴い、太陽光・風力を初めとする再生可能エネルギーの導入が推進され、電力系統安定化対策として大容量蓄電池の導入が重要になっている。レドックスフロー(RF)電池は、こうした蓄電池の1種であり、活物質※1を含む水溶液中のイオンの酸化還元(レドックス)反応※2によって充電および放電を行う蓄電池である。大容量化に適し、長寿命で安全性が高いことなどの優れた特長を有している。当社では、1985年からRF電池の開発に着手し、これまでに約30件の納入実績がある。世界的な動きとして、特に2010年頃から米国、欧州、中国等で開発が活発に進められるようになり、最近では、有機化合物を使う新規な電解液などの報告も多く見られる。本稿では、RF電池の開発経緯、大容量システムの実証状況、最近の開発動向を紹介する。

レドックスフロー電池 最近の開発動向
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シリコンフォトニクスチップ接続用90度曲げ光ファイバアレイ

近年、データセンタ向けのシリコンフォトニクス(SiPh)型光トランシーバの市場が急速に拡大している。我々は、SiPh型光トランシーバに必要不可欠な光接続部品として、90度曲げ光ファイバアレイ(FlexBeamGuidE、以下FBGEと略する)を開発した。FBGEは、曲げファイバに応力緩和プロセスを適用することで、高さ3.8mm以下のトランシーバモジュール内に収容可能な省スペース性と、0.5dB以下の低損失性を両立したものであり、高い信頼性を有するSiPhチップ向け光接続部品であることを確認したので紹介する。

シリコンフォトニクスチップ接続用90度曲げ光ファイバアレイ
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間欠テープ心線を用いた空気圧送用高密度マイクロダクト光ケーブル

本稿では、従来の外径250µmの光ファイバよりも細径な200µm光ファイバを用いた間欠12心光ファイバテープ心線(以下、200µm間欠12心テープ心線)を実装した432心以下の空気圧送用光ファイバケーブルの設計、製品ラインナップおよび施工上のメリットについて報告する。200µm間欠12心テープは柔軟性と一括融着接続性を両立するため、長手方向、幅方向に間欠的にスリットが入った構造を採用しており、スリット部と非スリット部の比率およびピッチを最適化することにより、両特性を満たすテープ心線を開発した。同テープ心線は200µm間欠テープ同士だけではなく、従来の250µmテープ心線との一括接続も可能である。尚、ケーブル構造は欧州等で主流のマイクロダクト用途に用いるため、細径、軽量かつ低摩擦な構造を採用した。今回は開発したケーブルの空気圧送特性を評価するため、ケーブル圧送試験を行ったので、その結果も報告する。

間欠テープ心線を用いた空気圧送用高密度マイクロダクト光ケーブル
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400Gbit/s伝送用小型4ch集積光受信モジュール

高機能な携帯端末の普及やインターネットを利用したサービスの多様化に伴うデータ通信量の急増に対応するため、光通信網では伝送速度100Gbit/sの光トランシーバが導入されている。更なる伝送容量の拡大に向けて、伝送速度400Gbit/sの光通信規格の標準化が進められており、対応する光トランシーバの開発も活発に行われている。当社は、100Gbit/s用4ch集積光受信モジュールをベースに、400Gbit/s小型光トランシーバに搭載可能な4ch集積光受信モジュールを開発した。本稿では、その構造と諸特性について紹介する。

400Gbit/s伝送用小型4ch集積光受信モジュール
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GaN HEMTを用いた携帯電話基地局向け広帯域・高出力・高効率アンプ

GaN HEMTは高出力・高効率かつ広帯域という特長があり、近年は携帯電話基地局向けにシェアを伸ばしている。LDMOSと比べ、GaN HEMTは広帯域化により適しているため、市場要求であるマルチバンド対応高出力基地局への貢献が期待される。本報告では、当社のGaN HEMT技術を用いて開発した内部整合回路付きGaN HEMT、およびそれを用いた高出力・広帯域・非対称ドハティアンプの開発結果を報告する。180Wチップを2個搭載したトランジスタの内部回路は、広帯域特性を満たしつつ小型パッケージ内に実装できるよう、高誘電体基板を用いて構成した。このトランジスタを3個用い、LTEのB1、B3バンドで動作するように回路を工夫した非対称ドハティアンプを設計、試作し、1.8-2.2GHzの広帯域において、最大出力電力59.2dBm、8dBバックオフ時の効率50%以上を実現した。

GaN HEMTを用いた携帯電話基地局向け広帯域・高出力・高効率アンプ
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クラウド型サーバによる分散型エネルギーリソースの最適制御

次世代の電力システムとして、分散型エネルギーリソースを束ねて遠隔・統合制御することで、仮想的な発電所のように機能させるバーチャルパワープラント(VPP)と呼ばれる仕組みが期待されている。当社はこの仕組みの中核となるリソースアグリゲーションサーバ(sEMSAサーバ)を開発し、2020年以降に創設される新たな電力市場への参入を目指し、システム構築とエネルギーリソース拡大を推進している。本稿では当社が開発したsEMSAサーバの特徴と、VPP及び太陽光発電の出力制御に関する実証事業への導入事例について紹介する。

クラウド型サーバによる分散型エネルギーリソースの最適制御
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表面形状を溝型としたアルミ導体低風圧絶縁電線

電柱に架設される架空配電線として、銅導体に架橋ポリエチレンを被覆した絶縁電線が広く用いられているが、銅に比べ軽量で地金相場が低位安定しているアルミに導体を置換える動きがある。単純な置換えでは、銅とアルミの導電率の差があることから、同一の電流容量を確保するためには太径化が必要となるが、太径化に伴い電線に架かる風圧荷重が増大し、電柱など支持物の建替えも必要となる場合がある。当社では、電線の表面被覆に溝を設けることにより、銅導体品に比べて太径化しても風圧荷重が同等以下のアルミ導体低風圧絶縁電線を開発した。この低風圧電線は、都市部の風を想定した28m/sおよび沿岸部の台風を想定した40m/sの2つの風速に対し低風圧効果を有することに最大の特徴がある。当該品は、電気的特性や、コネクタなどの付属品との適合性・架線作業性も確認し、既に実線路で適用されている。

表面形状を溝型としたアルミ導体低風圧絶縁電線
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需要家側の電力資源をピークカットとBCPに活用する「システムUPS」

「システムUPS」とは、需要家の電力震源である非常用発電機に蓄電池システムを組み合わせて、ピークカットとBCP(瞬低・停電対策)の両方を実現するエネルギーソリューションシステムである。SPSS(Smart Power Supply Systems)事業の一つとして新たな顧客価値を提供するソリューションシステムを目指し、日新電機㈱の前橋製作所にて実証検証中である。本稿にて開発・実証状況について報告する。

需要家側の電力資源をピークカットとBCPに活用する「システムUPS」
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次世代半導体材料Geの浅接合形成を可能にするイオン注入技術

シリコンに変わる次世代半導体材料としてゲルマニウム(Ge)半導体が注目されている。Ge半導体は高速動作が実現できる一方、プロセス技術については多くの課題がある。課題の一つが接合形成技術であり、本稿では、Ge基板中にドーパントと錫(Sn)を共イオン注入することで拡散を制御し浅接合を形成できることを報告する。

次世代半導体材料Geの浅接合形成を可能にするイオン注入技術
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難削材旋削加工用材種「AC5000S」

近年、航空機、石油ガス、医療、自動車産業等において、その機器や部品には耐熱性や耐食性に優れるNi(ニッケル)基、Co(コバルト)基、Ti(チタン)合金等の材料が多く使用され、その使用量は今後大幅に増加することが見込まれている。一方、これらの材料を切削加工する場合、被削材自体の高温強度が高いことや工具の刃先に溶着しやすいことなどから、工具の寿命が著しく低下する問題がある。そこで当社ではこのような難削材の旋削加工において、安定長寿命かつ高能率加工を実現する新しい工具材種「AC5015S」および「AC5025S」を開発した。このAC5000Sシリーズは難削材旋削加工において当社従来材種と比較して2倍以上の長寿命または高能率加工を実現し、加工コストを大幅に低減させることが可能となった。

難削材旋削加工用材種「AC5000S」
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ナノ多結晶ダイヤモンドの耐摩工具への応用

近年半導体向けボンディングワイヤ、医療線等の線材の高精度化に伴いダイヤモンドダイスに求められる品質レベルが高まっており、「高い耐摩耗性」、「真円度維持性」、「線表面粗度維持性」等の特性向上への要求が増々厳しくなっている。それらを達成すべく住友電気工業㈱にて開発されたナノ多結晶ダイヤモンド(スミダイヤバインダレス)をダイスのコア素材として用いた新たなダイス、「BLPCDダイス」を開発した。その性能評価結果を報告する。

ナノ多結晶ダイヤモンドの耐摩工具への応用
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熱間押出ダイス用モリブデン合金“MSBシリーズ”

高融点金属であるモリブデン(Mo)あるいはタングステン材料の使用環境が近年過酷になっており、さまざまな形状や寸法の材料における機械的特性の向上ならびに製品における寿命および信頼性の向上の要求がますます強くなっている。そこで我々は、Moに硬質粒子を添加することによって、熱間押出ダイスを含む塑性加工工具用に新しいMo合金である“MSB”を開発した。このMSBは従来のMo合金に比べ1000℃以下において優れた機械的特性を示した。さらに、MSBにチタン合金を添加することによって、より高温域で優れた機械的特性を示す合金“T-MSB”を開発した。 本研究で開発した“MSBシリーズ”を黄銅の熱間押出ダイスとして使用した結果、従来Mo合金ダイスの2.5倍以上の寿命を示した。

熱間押出ダイス用モリブデン合金“MSBシリーズ”
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STEMスループット向上のためのFIB自動化機能活用

化合物半導体デバイスの開発・製造では、その出来栄えや特性評価に原子レベルでの構造解析が求められる。この評価手法には走査透過電子顕微鏡(STEM)の活用が欠かせない。ところが、STEMの試料作製では集束イオンビーム(FIB)加工装置により試料厚を100 nm前後に薄くする必要があり、熟練の技術者が作業しても迅速に必要な試料数を作製できないという課題があった。これに対し我々はFIBの自動化機能を用いたスキルレス化、無人運転化による処理能力の向上を目指した。当社では多品種のデバイスを開発・製造しており、各デバイスの解析目的に応じた試料作製が必要だが、それぞれの試料作製工程で自動化条件を選定し、確立した自動化機能を組み合わせることで、迅速に多くの試料作製が可能な体制を構築した。これによりSTEMのスループットを向上し、迅速に試作と評価のサイクルを回すことで、開発加速、品質向上を進めている内容を報告する。

STEMスループット向上のためのFIB自動化機能活用
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レーザ溶接対応 電池配線モジュール

2019年 7 月・SEI テクニカルレビュー・第 195 号 631. 概 要近年、燃費・排ガス規制、ZEV規制等の強化により電動化車両(EV、PHV、HEV)の普及が加速している。これら電動化車両は、モータ駆動用の電池パックを搭載しており、多数の電池モジュールを接続して高電圧、高容量を達成している。電池モジュールは、積層された複数の電池セルの電極間を電池配線モジュールのバスバーによって直列、並列に電気接続され、また各電池セルの電圧を監視するため、電池配線モジュールの電線を介して制御ユニットに接続される(図1)。住友電工グループの住友電装(株)、(株)オートネットワーク技術研究所は、電池モジュールの小型化を目的として、電池セル間接続をレーザ溶接に対応した電池配線モジュール(写真1)を開発した。本製品は、2019年に発売された日産自動車(株)のリーフe+に採用いただいた。

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光ファイバ温度分布計測装置FTS3500

当社は保守監視システムの要素技術の一つとして自社製品である光ファイバ温度分布計測装置「オーピサーモ(OPTHERMO)」を保有している。オーピサーモにはFTR3000(短距離・低価格)とFTR3000X(長距離・高性能・高価格)の2機種のラインナップがある。特にFTR3000は機能を抑えることで、同等製品で国内最安価を実現している。同機は市場投入から約10年が経過しているが、その後の市場環境の変化に伴い、機能向上や変更が必要となった。そこで今回、国内最安値を維持しつつ、性能を向上させたFTS3500を開発したため、本稿で紹介する。

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アルミニウム合金加工用高能率カッタALNEX「ANX型」

近年、自動車産業などでは地球環境保護のため、自動車の燃費性能改善が求められており、部品の軽量化やHV、EV、FCV車の拡大に伴いアルミニウム合金などの非鉄金属材料の使用割合が増加している。これらの部品加工においては生産性を向上させるため、加工時間の短縮を目的とした高能率加工や、非切削時間短縮のため、取り扱いが容易な工具、切りくず処理性に優れる工具が求められている。さらに、単位面積あたりの生産性向上を目的とした、小型加工設備に対応できる軽量工具も、近年では求められている。これらに対応するため、当社はアルミニウム合金加工用高能率PCD(多結晶焼結ダイヤモンド)カッタALNEX「ANX型」を開発した。ここではALNEX「ANX型」の特長について紹介する。

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万能・高精度隅削りカッタSEC-ウェーブミル WEZ型

フライス工具は外周、端面もしくは側面に工具切れ刃を備えた切削工具であり、これが回転運動することで、様々な部品の加工が行われる。現在ではその切れ刃となるインサートを交換する工具が一般的に広く使用されており、平面削り加工、隅削り加工、側面加工、溝加工、穴拡げ加工、傾斜加工、ヘリカル加工等の様々な加工に用いられている。一方、機械加工の分野で部品に要求される寸法精度や加工品位は年々厳しさを増しており、工具に対しても高い加工面粗さや壁面精度の性能が求められている。また、軽量化を目的とした剛性の低い薄肉部品や固定が困難な複雑形状の部品が増加しており、鋭い切れ味を持つ工具の需要が高まっている。今回開発した「SEC-ウェーブミル WEZ型」(以下WEZ型、写真1)は広範な加工用途に使用可能で加工品位と切れ味に優れ、高い加工精度と切れ味を持ち、加工面粗さや壁面精度の向上、および生産性の向上に貢献する。

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22Vに向けた自動車ビジネスへの取り組み

現在、自動車業界では、CASEと言われる100年に一度の大きな変革期に入り、次世代の車社会に向けた研究開発が加速している。一方、世界の自動車販売台数は継続して増加すると共に各国の環境規制強化により環境対応車が大幅に増加すると予想される。

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将来の車載電子プラットフォーム

近年、クルマ及びクルマを取り巻く環境が急激に変化し出している。これまでの「走る」「曲がる」「止まる」に「つながる」が加わることで、クルマの価値の変化、すなわち単なる移動手段から移動+社会端末へと発展し、付加価値がユーザー個人から社会全体の価値へ広がってくる可能性が出てきている。2030年代のクルマ社会に向け、新たな産業を生み出す社会端末となることで、経営資源としての価値が見いだされる可能性もある。そこで従来のクルマとしての機能価値に加え、新たな社会ニーズに対応するための基盤技術の構築が必要となってくる。本稿では当社が有する社会インフラ技術と車載技術を融合させ、コネクティッドカー社会に向けた新たな基盤技術として開発を推進している次世代の車載電子プラットフォーム(以下、電子PF)について概説する。

将来の車載電子プラットフォーム
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2.9 MB

アルミハーネス拡大に向けた開発

近年自動車のCO2削減要求が益々厳しくなり、ワイヤーハーネスの軽量化が切望されている。通常の銅電線の代わりにアルミ電線を 使うことで高い軽量化効果が得られるが、低い導電率と引張強さ、強固な絶縁性酸化被膜、腐食が懸念点としてあげられる。この懸念点を払拭するため、導電率と引張強さを両立させたアルミ合金、強固な絶縁性酸化被膜があっても低い接触抵抗と電線保持力を維持できる電線の端末接続や分岐接続用圧着端子、端子の電線かしめ部の銅露出部に新防食剤を塗布することで腐食を防ぐ(防食)技術を新たに開発した。本稿では、これらの技術開発について報告する。

アルミハーネス拡大に向けた開発
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車両シミュレーションと実車検証を統合するデジタルツイン環境の構築

近年、自動運転に代表されるように自動車の制御プログラムは複雑化が進み、同時に環境規制の強化を背景にした電動化の進展によりパワートレインも多様化している。こういった中でも開発期間は短縮され、サプライヤに対しては車両目線での提案が求められている。当社では機械系と電源系を連携した車両シミュレーション技術や、乗り心地と電費のトレードオフを検証する技術を開発してきた。さらに、車両目線でのシステム設計・提案力を強化するため、車両全体を模擬したシミュレーション技術開発を進めており、今回はEV自動充電システムを題材にして実車と連動した仮想環境(バーチャル車両)を構築したので紹介する。

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1.6 MB

車載Ethernet物理層シミュレーション技術

近年、自動車には自動運転を含む高度運転支援システムの普及が進み、それに伴う通信量増大により、車載ネットワークに高速な車載Ethernetが導入されつつある。安全性確保の観点から、車載ネットワーク製品は熱やノイズ等厳しい条件下での通信信頼性が要求されるため、EMC性能が重要な指標の一つとなっている。しかし、これまでの試作によるEMC対策には、EMC性能を確保するために、多くの開発期間や、開発コストが費やされてきた。そこで、コネクタ、ワイヤーハーネス、ECU等から構成される車載Ethernet通信システムの物理層モデルを構築し、各条件下における通信システムのEMC性能を効率的に検証するシミュレーション技術を開発した。

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HEV/EV用ハーネスとコネクタ~パイプハーネス パワーケーブル ダイレクトコネクタ~

この約四半世紀、CO2排出量増加による地球温暖化問題に対応するため、自動車業界ではHEV(ハイブリッド自動車)などの開発が活発に行われている。更に近年では内燃機関を使用しないEV(電気自動車)の開発が加速している。電気自動車は主に高圧バッテリ、インバータ、モータからなる電気駆動系で走行し、走行時にCO2を排出しないため環境問題の解決に大きく貢献できる。当社はこれまで電気駆動系に使用される高圧ハーネスや高圧コネクタを開発・製造しており、多数のHEVなどに採用されている。本稿では、EVにも適用可能なHEV用開発品として、高圧バッテリとインバータを接続するアルミ電線に適用したパイプハーネス、インバータとモータを接続するパワーケーブルとダイレクトコネクタを紹介する。

HEV/EV用ハーネスとコネクタ~パイプハーネス パワーケーブル ダイレクトコネクタ~
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HEV/EV用昇圧リアクトル

近年、環境への配慮、省エネ志向、原油高騰化などからハイブリッド自動車、電気自動車など自動車の電動化が急速に進んでいる。このような電動化した自動車をさらに普及させていくためには、電動化するためのシステムの小型・軽量化が必要である。一方、ガソリン車並みの走行性能、加速性能を実現するため、システムの高電圧化も必要である。そこで、バッテリ電圧を昇圧するためのコンバータ(昇圧コンバータ)の採用事例が増えている。当社では昇圧コンバータの基幹部品の1つであるリアクトルに新しい磁性材料および新しい放熱構造を適用し、従来と比較して同等性能で10%の小型・軽量化を達成した。

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HEV/EV用電池内モジュール配線

当社はこれまで電動化車両(HEV※1、PHV※2、EV※3等)向けの高圧関連製品を開発・量産してきたが、今後、中国を中心としたEV市場が急速に拡大していくと予測されており、EV向け製品開発を推進している。EVに搭載されるバッテリーパックは、航続距離確保のための大容量化、搭載セル数の増加が進んでいることから、パック内部品に対してより一層の省スペース化が求められている。またバッテリーパックの安全性についても、EV普及に伴いより高い安全性が必要となる。本稿では高圧バッテリーに搭載される電池配線モジュールに関して、EVバッテリー対応に向けた当社の取り組みを紹介する。

HEV/EV用電池内モジュール配線
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車載48V電圧コンバーター

近年、世界的に強化されていくCO2排出規制に適合するために、パワートレーンの電動化開発が各国で加速している。48VマイルドHEVはCO2削減の効果が低コストで得られるため、欧州を中心に普及していくとみられている。マイルドHEVで使用されるDC/DCコンバーターは、高出力で高品質な電源性能を求められている。当社では、このような高出力化の要求に対応するために高効率、小型化技術と高い応答性の電源制御技術を開発した。本報告では、これらの技術を導入したDC/DCコンバーターの特長について紹介する。

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HEV/EV用駆動モータ向け平角線の開発

近年、モータのインバータ駆動に伴うサージ電圧で発生する部分放電が巻線の絶縁劣化を引き起こし、モータの耐電圧寿命が低下することが問題となっている。寿命を向上させるためには部分放電の抑制が必要であり、低誘電率皮膜を適用した高い部分放電開始電圧(PDIV)を有する巻線の開発が求められている。当社は、絶縁皮膜の内部に微細な独立気泡を均一に形成する新規技術を開発することで、画期的な低誘電率巻線の開発に成功した。本開発巻線は従来の巻線を遥かに凌駕する優れた耐電圧寿命を示した。

HEV/EV用駆動モータ向け平角線の開発
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CHAdeMO 100kW超級大出力EV直流充電コネクタ付ケーブル

電気自動車への充電は普通充電(AC)と急速充電(DC)に大別されるが、近年、車載バッテリーの大容量化等を受け急速充電方式の適用が増加している。当社は2011年度よりCHAdeMO仕様50kW級の急速充電コネクタSEVDシリーズを販売開始し、充電器の国内外、特に欧米での普及に伴い、累計27,000台を販売中であり、その操作性、及び安全性において市場より高い評価を得ている。更に当社では大出力要件を示したCHAdeMO仕様書ver.1.2の内容にいち早く対応し、大出力用SEVD-11の販売を2018年初より開始した。

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2.7 MB

車載バッテリ状態推定システム

リチウムイオン電池を搭載する電動車両の増加を受け、電池を安全かつ有効に活用し、効率的に再利用するために、電池の状態を高精度に推定する技術が重要となっている。当社は、車載リチウムイオン電池向けに、電池モデルのパラメータ推定アルゴリズムを組み込んだ電池状態推定ユニットを開発した。本ユニットを実車両に搭載し、推定した電池セル毎の残容量および劣化状態を、サーバに送信するシステムにて評価を行ったので結果を報告する。

車載バッテリ状態推定システム
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車載リチウムイオン電池用タブリード

タブリードは、外装をアルミパウチフィルムとするパウチ型リチウムイオン電池(LIB)に使用される電池セル内部から電気を取り出すためのリード線である。パウチ型LIBは軽量で放熱性が高い特長があり、当社は世界に先駆けてパソコンや携帯電話等の小型電子機器用のパウチ型LIBに使用可能なタブリードを1990年代後半に上市し、高い信頼性を特長に多数の電池メーカーで採用実績がある。近年、電気自動車、ハイブリッド車の性能向上のため、大型化しても軽量にできるパウチ型LIBを搭載するニーズが高まっており、車載用に許容電流を高め、長期信頼性を向上させたタブリードを開発した。

車載リチウムイオン電池用タブリード
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車載大電流SiCトランジスタ

自動車の電動化が進む中、電力制御に使われるパワーデバイスの電力変換効率はますます重要性が増している。現在の主流はシリコン(Si)を用いたパワーデバイスであるが、より高効率なシリコンカーバイド(SiC)の実用化が進んでいる。我々は、その中でも高効率化に有利なゲートを溝(トレンチ)型とした金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を開発してきた。トレンチ構造は低オン抵抗化が可能な独自のV溝型構造を採用し、電界が集中しやすいトレンチ底部には電界緩和領域を導入することで高耐圧を実現してきた。今回、車載用途に必要とされる大電流を満たすため定格電圧1200 V、定格電流200 AのV溝型SiCトレンチMOSFET(VMOSFET)を開発したので報告する。VMOSFETは特性オン抵抗3.4 mΩ cm2、耐圧1660 Vと低オン抵抗と高耐圧を両立した。加えて、電界緩和領域により寄生容量を低減することで高速スイッチングも実現した。

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コネクティッド/自動運転を見据えた交通システム

我が国では、1950年代のモータリゼーションの急速な進展に伴って深刻化した交通事故増大や渋滞問題に対して、官民一体となって対策に取り組み成果を挙げてきた。この中で当社は、東京都に導入された広域交通制御システムの開発を始め、その後の国内における信号制御の発展に主導的役割を果たしてきた。また、培った技術をベースに新興国の交通課題に対処するため、JICAプロジェクトによりカンボジア・プノンペンの交通管制システムの導入等を進めている。さらなる安全性向上に向けては、路車協調型の安全運転支援システムに関する取り組みを行っているところであり、センサや無線通信装置の開発・製品化を行ってきた。今後、コネクティッド・自動運転時代の新たなニーズに対応すべく、AI・シミュレーション技術を活用した次世代交通システムの研究開発にも取り組んでいる。本稿では、住友電工の交通システムに対する過去実績及び将来に向けた取り組みを報告する。

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車載ネットワーク侵入検知システム

2015年に報告されたジープチェロキーに対するサイバー攻撃では、遠隔からなりすましメッセージを車載ネットワークに注入することで車両が不正制御された。コネクティッド・自動運転時代に向けて、車載ネットワークでのセキュリティ対策は重要な課題である。車両においてサイバー攻撃に対する具体的な対策を講じるためには、時々刻々と変化する攻撃をいち早く検知する必要がある。本稿では、車載ネットワークに混入されたなりすましメッセージを、セントラルゲートウェイにおいて検知するための侵入検知システムについて提案するとともに、車載ネットワークのトラフィックデータを用いて評価した検知性能について報告する。

車載ネットワーク侵入検知システム
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Controller Area Network(CAN)の不正送信防止機構の提案

車載制御ネットワークではController Area Network(CAN)が広く使用されており、現在販売される車両に搭載される電子制御ユニットにはセキュリティ上の強化策が十分に搭載されていない。しかしながら、この10年の間にCANに対する多数のセキュリティ脅威事例が報告されている。このため、本稿では、適切ではないメッセージの送信を拒否するように改造された通信コントローラを用いることにより、CANやCAN FDバス上への不正な送信を防止する手法について提案する。

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700MHz帯ITS無線リソース割当アルゴリズム評価と路側機設置運用法の考案

700MHz帯ITS無線の普及期に向け、路側機が密に設置されるような都市部において、限られた無線リソースを干渉なくかつ効率よく割り当てることで、より多くの路側機の設置を可能とする設置運用方法の考案が必要とされている。今回はシミュレーションを活用した無線リソース割当アルゴリズムの評価結果と、それに基づき考案した設置運用方法について紹介する。

700MHz帯ITS無線リソース割当アルゴリズム評価と路側機設置運用法の考案
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安全運転支援システム向け24GHzミリ波レーダ

交通事故の低減を目指し、路(インフラ)・車協調による安全運転支援システムを開発してきた。本システムの一例として、交差点に進入して右折する車両に対して、横断歩道上の歩行者の存在情報を提供し、ドライバに注意喚起するサービスがある。このたび、当社は、インフラ側の歩行者用センサとして24GHzのミリ波レーダを製品化し、2018年3月から出荷を開始した。本稿では、優れた環境性能に加え、高い歩行者検知精度と広い検知エリアを実現したミリ波レーダについて紹介し、実交差点での評価結果について報告する。

安全運転支援システム向け24GHzミリ波レーダ
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低損失フッ素樹脂基板を用いた車載ミリ波アンテナ

完全自動運転の実現に向けて、車両や歩行者などを検知する装置として、車載ミリ波レーダの役割が今後ますます重要になる。車載ミリ波レーダでは一般的にプリント基板を用いたアンテナが採用されるが、ミリ波信号は伝送損失が大きいため、プリント基板には低損失性能が要求される。当社ではフッ素樹脂を用いた低損失プリント基板を開発しており、ミリ波伝送特性について評価を行った結果、良好な低損失性を示すことを確認した。また本基板を用いたミリ波帯アンテナの設計・試作評価の結果、既存のミリ波向けプリント基板を用いた場合と比較し、アンテナ面積を約40%小型化できることを確認した。

低損失フッ素樹脂基板を用いた車載ミリ波アンテナ
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EV/PHVを活用した仮想発電所(VPP)システム

当社は、関西電力㈱・日産自動車㈱と共同で、関西電力事業所・家庭にある電気自動車(EV/PHV)60台に対し、IoTを用いて一斉に充電制御し電力需給を調整する仮想発電所(VPP: Virtual Power Plant)実証実験を行った。この仕組みにより、今後増大する再生可能エネルギーの出力変動を吸収して再エネを安定的に有効活用するとともに、電力需給調整に電気自動車のバッテリーを活用することで、電気自動車に新たな価値を提供することを目指す。

EV/PHVを活用した仮想発電所(VPP)システム
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車載フレキシブルフラットケーブルの高耐熱化

フレキシブルフラットケーブルは、エレクトロニクス分野で電子機器の配線材として広く利用されているが、近年EV・PHEV車や先進運転支援システム(ADAS)関連装置の装着車の増加により、これらのシステムを構成する電子機器にもフレキシブルフラットケーブルの採用が進んでいる。今回、既存の105℃耐熱、125℃耐熱フラットケーブルに加え、さらに高温となる環境下でも使用できる150℃耐熱フレキシブルフラットケーブルを開発し上市した。

車載フレキシブルフラットケーブルの高耐熱化
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柔軟性を活かしたフレキの車載対応

住友電工は、国内で1960年代にフレキシブル配線板(フレキ※1)の開発を開始し、半世紀が経過した。フレキはその軽さ、薄さ、配索自由度の高さが市場に受け入れられ、1980年代から携帯端末の内部配線として、急速に需要が拡大した。住友電工は、社内の新しい材料と新技術(接続技術等)を融合し、フレキの新製品を積極的に展開してきた。本紙は、住友電工フレキの車載適用に対する取り組みについての紹介である。

柔軟性を活かしたフレキの車載対応
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ダイカスト用耐熱マグネシウム合金の特徴と車載展開

マグネシウム合金開発部では、世界で初めて高強度で耐食性の優れたAZ91合金の板材開発に成功、電子機器の筐体で製品化を推進しているが、より軽量化ニーズが高く、大きな市場が期待できる輸送機器へも展開すべく検討を開始した。しかしながら、輸送機器分野では、AZ91合金では対応できない新たな要求特性も明らかになり、それに対応すべく新合金の開発に取り組んでいる。本報告では、輸送機器分野で、マグネシウム合金を適用することにより大きな軽量効果が期待されるパワートレイン用ダイカスト部品をターゲットに、既存の耐熱マグネシウム合金の課題であった鋳造性やリサイクル性を克服する合金開発を富山大学と共同で取り組み、これらの課題をほぼ克服した新合金を開発したので紹介する。

ダイカスト用耐熱マグネシウム合金の特徴と車載展開
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フルビークルを用いたNVH解析技術の構築

近年、自動車メーカー各社は、環境に配慮する低燃費車を開発し市場に投入している。燃費対策として少気筒化やロックアップ※1範囲の拡大が図られることがあるが、特に3気筒CVT※2搭載車においては、ロックアップ開始時にサスペンション共振の影響で、車体振動が悪化する。この振動の改善が図れる防振製品を提案するには、従来のエンジン懸架系に加え、駆動系、サスペンション系を含む解析評価技術が必要となるため、筆者らは車両全体を評価対象としたフルビークル解析技術を構築した。また、この解析技術を用いて、ストラットマウント※3の液封化によるロックアップ時振動の低減を検討し、実車評価においても、その効果を確認した。この取り組みを通して構築したフルビークル解析技術は、今後の弊社における製品開発の基盤技術の一つになると考えている。

フルビークルを用いたNVH解析技術の構築
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軽量化ニーズに対応した環境負荷低減フィラーネックホース

自動車用の燃料配管は北米のLEV規制を筆頭に燃料蒸散規制に対応するため、ホースの低燃料透過性の改善を進めてきた。同時に、車両開発ではCO2排出規制の強化に対して、軽量化による燃費改善を進めることでCO2排出量の低減に取り組んでいる。 当社ではフィラーネック配管で使用するゴムホースを低透過仕様へ切替えるとともに、金属フィラーパイプの軽量化として樹脂製のフィラーパイプに置き換える開発を進めてきた。樹脂化に当たっては、フィラーパイプとホースを一体化したモジュール製品の開発に取り組んできた。今回はそれらの取組みに関して報告する。

軽量化ニーズに対応した環境負荷低減フィラーネックホース
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放熱性吸音材(MIF)の車載向け性能向上

現在、自動車分野は大きな変革期を迎えている。この構造変革は「CASE」(Connected、Autonomous、Shared、Electric)と呼ばれ、EV化や自動運転をはじめとした車両のエレクトロニクス化、デジタル化が急速に進みつつある。これに対し当社では、磁場配向による吸音ポリウレタンフォームの高熱伝導率化技術(MIF)を開発し、こうした車載エレクトロニクス製品の熱対策と騒音対策を両立できる防音製品の量産化を成功させた。最近では、車載小型製品以外にも、EV駆動用モータ等の大型製品向けの放熱、静粛性ニーズが高まっている。今回、MIFの伝熱構造に着目し、放熱性を従来の2.5倍(通常ウレタンの最大100倍)まで向上させた。これを応用し、モーターケースを覆うことで防音効果に加え、空冷性能をより高める防音冷却デバイスとしての可能性を見出した。

放熱性吸音材(MIF)の車載向け性能向上
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耐湿熱性に優れたスチールコード

自動車用タイヤの補強材として用いられるスチールコードにおいて、ゴムとの接着性能及び長期耐久性は極めて重要な性能である。特に昨今当たり前となった低燃費化のみならず、EV化や自動運転時代を迎えつつある自動車の進化において、その重要性は益々増している。当社はこの長期耐久性の指標として湿熱環境下の耐久性(=耐湿熱性)に着目し、通常のスチールコードが持つブラスめっきに第3元素としてコバルト(Co)を添加した3元合金めっきを開発し、世界に先駆け量産技術を確立した。また、この開発の中で、めっき製造技術確立の他、従来ブラックボックスとなっていためっきとゴムの接着、及び接着層の劣化メカニズム解明も実現し、接着性能改善の効果を定量的かつスピーディーに確認することが可能となった。この革新的なめっき技術により、タイヤの長期耐久性は従来品と比較して大幅に向上することが確認されており、カスタマーから大きな期待が寄せられている。

耐湿熱性に優れたスチールコード
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転がり軸受部品用DLC膜及び量産技術

自動車市場は環境に配慮した製品創出の取り組みが活発化している。その取り組みに伴い自動車を構成する部品は過酷な環境下で機能を維持しなければならず、今まで以上に耐久性を必要とする課題が生じている。当社は軸受部品の課題を解決するためのDLC膜を検討し、軸受部品に必要な転がり疲労耐性に優れたDLC膜を開発した。更に量産性とコストを両立するための生産技術課題に取り組み、軸受部品へのDLC 膜コーティング量産を開始することができた。

転がり軸受部品用DLC膜及び量産技術
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データセンタ向け100Gbps差動伝送用メタルケーブル

IoT、スマートデバイス等の普及によりクラウドサーバーの需要は増え続けており、それにともない信号処理速度、つまり信号伝送速度も高速化が強く求められている。既に40Gbps差動伝送が可能なメタルケーブは量産しているが、次世代通信規格に対応した100Gbps差動伝送*1用メタルケーブルを開発した。

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スマートグリッドの中核となる国際標準規格IEC 61850電力ソリューション

(株)日新システムズは、スマートグリッド実現の中核を担う国際標準規格であるIEC 61850に基づく電力ソリューションの提供に有効なSISCO社(Systems Integration Specialists Company, Inc.)の製品を2013年5月から販売している。ここでは、その概要を紹介する。

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難削材旋削用コーティング新材質 AC5015S/AC5025S

航空機や自動車産業分野における機器・部品などには、耐熱性や耐食性に優れるNi(ニッケル)基、Co(コバルト)基、Ti(チタン)合金などの難削材が多く用いられるため、それらを加工する工具の需要は年々増加している。難削材の切削加工には、工具の刃先に被削材が溶着しやすいといった特徴があり、突発的に工具の刃先が欠損する等の問題が発生する。また、一般鋼の切削加工と比較しても工具寿命が著しく短いため、安定かつ長寿命な切削工具のニーズが高まっている。今 回 開 発 し た AC5015S/AC5025S は 新 開 発 の PVDコーティングと専用超硬母材を適用したことで耐摩耗性と耐欠損性が向上しており、長寿命化による工具交換頻度の低減と工具使用量の低減が可能となり、加工コストの削減に貢献する。

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ナノ多結晶ダイヤモンド球状圧子による微小破壊強度評価技術

ナノ多結晶ダイヤモンドから作製した球状圧子を用いた微小破壊強度評価技術を開発した。この技術により、これまで困難であったダイヤモンド関連材料の微小領域における破壊強度特性の評価が可能となった。本技術により種々の単結晶ダイヤモンドを評価した結果、天然ダイヤモンドの微小破壊強度は結晶間や結晶内の場所による違いが大きく、これに比べると合成ダイヤモンドは偏差が小さく安定していることが明らかとなった。また、ナノ多結晶ダイヤモンドの微小破壊強度は、組織の微細化とともに高くなり、耐亀裂性に優れた材料となることがわかった。

ナノ多結晶ダイヤモンド球状圧子による微小破壊強度評価技術
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車両シミュレーションを活用した、電費と乗り心地の定量評価手法

近年、環境規制の強化を背景として自動車の電動化が推進されると共に、自動運転に代表される新機能搭載による車載システムのいっそうの複雑化が見込まれている。機能の大きな変化と追加に伴って開発工数が増大する中で、開発の効率化のため、シミュレーションを活用した開発手法が広まり始めており、自動車新領域研究開発センターでもかねてよりシミュレーションによる部品性能の検証技術開発に取り組んできた。以前に開発した電費解析技術をベースとして、乗り心地を定量化するモデルを追加することで、シミュレーション上で電費と乗り心地のトレードオフを検証する技術を開発したので紹介する。

車両シミュレーションを活用した、電費と乗り心地の定量評価手法
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違和感を察知するDeep Learning 技術“Sense Learning”

目視検査では、定量的な評価基準だけでなく、「異常なきこと」のような検査員に依存した判断基準もある。このような人の主観的な判断に依存した目視検査をアルゴリズム化することは困難な課題である。Sense Learningは、このような人に依存した判断を大量の良品データから学習して不良検知を行うために当社が開発したAI(Deep Learning)技術である。 Sense Learningでは、良品のみの画像を使ってautoencoder型のネットワークを使用し、良品に含まれる特徴に特化した画像の圧縮・復元方法をAIに学習させる。この学習済みAIに不良画像を入力すると、良品に見られない=不良特徴に対する圧縮・復元方法をAIは学習していないため、不良部位の特徴の復元を失敗する。その結果、入力画像と復元画像との間に一致しない違和感が発生する。この違和感を不良として特定することで不良の判定を行う。

違和感を察知するDeep Learning 技術“Sense Learning”
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自動運転車向け準動的交通情報生成配信システム

自動運転システムが全ての運転タスクを実施するレベル3以上の自動運転を安全かつ円滑に実現するためには、車線レベルの準動的交通情報が必要である。車線レベルの準動的交通情報の生成には、車両が収集、送信するプローブ情報の利用が期待されているが、現状ではプローブ情報の車両位置精度が走行車線の特定には不足している、収集されるプローブ情報はまだ少ないといった課題がある。そこで、これらの課題を克服して車線レベルの準動的交通情報を生成するシステムを開発したので、報告する。走行車線の特定のためには近年急速に普及が進んでいる車載カメラで撮影した車両前方の画像を利用し、プローブ情報の少なさを補うためには渋滞の伝播モデルに基づいた推定を取り入れている。

自動運転車向け準動的交通情報生成配信システム
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1.1 MB

セキュリティ設計におけるリスクの定量化

近年、制御システムにて生産プロセスの効率化・自動化を図る目的で情報系システムと通信接続し、データのやりとりを行う運用が増えつつある。その一方でStuxnet※1による発電所への攻撃等が起こり、制御システムのセキュリティ対策が喫緊の課題となり、制御機器の開発においても最初からセキュリティを考慮した設計を求める動きが生まれている。本研究では設計手順の効率化・属人性の排除を目指し、国立研究開発法人産業技術総合研究所と連携して継続研究を行っている。本論文では、複数フェーズからなるセキュリティ設計におけるリスク評価のフェーズに焦点を当て、既存の脆弱性評価システムを応用し、制御機器・システムに最適なリスク評価の定量化手法についての検討結果について、データロガーをキー要素とする制御システムのケーススタディを交えつつ報告する。

セキュリティ設計におけるリスクの定量化
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低損失/低嵌合力を特徴とする耐ダスト光多心コネクタ FlexAirConnecT

現在、一般的に用いられている光コネクタではフィジカルコンタクト(PC)接続という技術を用いて、良好な接続特性を実現している。しかし、この技術はコネクタの多心化の進展に伴う嵌合力の増加、光コネクタ特有の念入りな端面清掃、といった問題を抱えている。当社は、PC接続を行わない他の方式として、嵌合時のコネクタ間にわずかな隙間を設けるエアギャップコネクタを開発した。本コネクタはPC接続が抱える問題を解決したうえで良好な光学特性と信頼性を実現しており、その性能について報告する。

低損失/低嵌合力を特徴とする耐ダスト光多心コネクタ FlexAirConnecT
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400Gbit/s 用光トランシーバに搭載可能な8ch 集積光受信モジュール

高速・大容量通信が求められるクラウドサービスの普及に伴い、100Gbit/s用光トランシーバであるCFP4やQSFP28の普及が進んでいる。次世代通信規格として、IEEEにて400GBASE-FR8/LR8の標準規格が定められ、CFP MSAにて400Gbit/sに対応した光トランシーバとしてCFP8が新たに策定されており、市場ニーズが高まっている。当社がこれまで開発してきた4ch集積光受信モジュールの設計をベースとして、今回、8波長の分波機能を1つのパッケージ内に集積した、CFP8に搭載可能な400Gbit/s用8ch集積光受信モジュールを開発した。本稿では、モジュール構造、8波長の分波特性、4値パルス振幅変調(4-level Pulse Amplitude Modulation, PAM4)信号を用いた変調速度26.56Gbaudにおける最小受信感度等の特性を紹介する。

400Gbit/s 用光トランシーバに搭載可能な8ch 集積光受信モジュール
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次世代光トランシーバ開発に向けた電磁界解析

データ通信は、スマートフォンに代表される無線通信量の増加、クラウドの普及によるデータセンター内での通信量の増加に伴い高速化・大容量化が進んでいる。その中で電気信号と光信号のコンバーターである光トランシーバにも高速化の要望が強い。高速の電気信号を歪みなく伝送させるために、通常、特性インピーダンスなどの評価指標をもとに伝送線路の設計を行っているが、実際の基板上では、いくつかの要因が電気信号を歪ませてしまう。その要因は、それぞれが相関の関係にあるSignal Integrity(SI)・Power Integrity(PI)・Electro-Magnetic Interference(EMI)/ Electro-Magnetic Susceptibility(EMS)によって成り立っている。電磁界解析は、これらの課題解決に重要な役割を果たす。本稿では、その要因について例を挙げて説明した後、電磁界解析を使用し問題点の抽出や解決方法の事例を紹介する。

次世代光トランシーバ開発に向けた電磁界解析
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衛星搭載用広帯域GaN HEMT マイクロ波集積回路

人工衛星搭載用途や打ち上げロケット制御向けに、L帯※1とS帯※2それぞれにおいて40 Wの広帯域GaN HEMT※3マイクロ波集積回路※4(MIC)を開発している。40 W GaN HEMT MICは前段に10 W出力、後段に40 W出力のGaN HEMTを同一パッケージ内に実装することで実現され、L帯においては1.0 – 1.7 GHzの帯域で出力45 W以上、利得30 dB以上、電力付加効率45%の特性を有し、 S帯においては2.0 – 2.7 GHzの帯域で出力47 W以上、利得30 dB以上、電力付加効率50%の特性を有している。我々はこのGaN HEMT技術に対し衛星搭載用認定試験を行い、衛星用途として要求される全ての品質と信頼性を満足していることを確認済みである。GaN HEMTを用いた固体素子増幅器(SSPA)の実現により、今後衛星の小型化や軽量化に大きく貢献することが期待される。

衛星搭載用広帯域GaN HEMT マイクロ波集積回路
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L バンド波長帯コヒーレントレシーバ

光通信伝送量の急激な増大に対応するため、ディジタルコヒーレント光通信技術を用いた100Gbit/sを超える大容量伝送システムが世界中で本格的に導入されている。更なる伝送容量の増大に向けて、従来のCバンド波長帯に加え、Lバンド波長帯を利用した多重化が進められ、Lバンド波長帯に対応した各光部品を開発することが必要とされている。我々は開発済みのCバンド波長帯用コヒーレントレシーバをベースに、Lバンド波長帯で高受光感度を有する小型コヒーレントレシーバを開発したので、その成果を報告する。

L バンド波長帯コヒーレントレシーバ
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低欠陥6インチSiC エピタキシャル基板“EpiEra”

再生可能エネルギーや電気自動車など電力供給と利用の多様化が進み、電力変換に用いられるパワー半導体の役割がより重要となってきている。現在広く普及しているパワー半導体の材料はシリコン(Si)であるが、高効率化が実現できるシリコンカーバイド(SiC)の実用化が進んできている。最近では100 Aを超える電流容量の大きいモジュールも市販されてきており、電力損失低減へ用途拡大が期待されている。併せてSiC基板の口径も拡大し6インチの実用化が進展し、その材料面への高品質化も求められてきている。ウエハ上に作製される半導体素子の均一性や歩留りを左右するのがSiCエピタキシャル成長層である。当社は独自のシミュレーション技術を活用し成長技術開発を進めてきており、既にエピタキシャル基板の量産を開始している。本稿ではエピタキシャル成長層における濃度と膜厚の高い均一性を実現し、同時にデバイス性能に悪影響を与える結晶欠陥の大幅な低減を実現したことを報告する。

低欠陥6インチSiC エピタキシャル基板“EpiEra”
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電流積分電荷法による絶縁材料の高圧誘電特性評価

直流送電や直流機器類の普及に伴い、直流印加時における誘電・絶縁材料の評価が重要性を増している。通常、これらの電気物性の評価は、それぞれ目的に応じた手法を用いて行われるが、ここに紹介する電流積分電荷法を用いると誘電率、空間電荷、電気伝導率と言った誘電・絶縁材料における主要な特性を簡便な手法で網羅的に把握することが可能である。ここでは、その原理といくつかの材料にて計測を行った結果をまとめた。

電流積分電荷法による絶縁材料の高圧誘電特性評価
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ダイナミックレーティング用送電線監視システム

再生可能エネルギーの増加に伴い、電力の送電が制限される系統制約の問題が顕著化している。系統制約の一つの要因として送電容量による制約があり、これを解決するためには系統の増強が必要である。しかしながら、系統の増強には多額の費用と時間が必要であり、まずは既存系統を最大限活用していくことが重要である。当社では、既存系統の送電容量を増加させることを目的に、送電線の温度と電流値をリアルタイムに監視するシステムを開発中であり、その状況について報告する。

ダイナミックレーティング用送電線監視システム
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IoT を駆使した焼結部品生産ライン

第4次産業革命と呼ばれるIT技術を活用した技術革新により製造現場では大きな変革を迎えている。特に多数のセンサやデバイスをネットワークに接続して大量のデータを収集・分析する“IoT”技術の活用により生産能力の向上や効率化が期待されている。近年、自動車業界における共通プラットフォーム化、モジュール化の流れの中で、自動車部品メーカは超大量生産による原価低減要求への対応、メガ・リコールを含めた品質リスク管理が求められている。 そこで、メガ・プラットフォーム時代に適合した焼結部品の生産方式、品質管理として、当社グループのものづくりコンセプト“SEIPS”を中核に“IoT”技術を駆使し、①検査自動化による自工程保証、②2Dコードを用いた製品1個単位での品質保証、③成形-焼結-サイジング-機械加工までを連結した“1個流し・同期生産”によるリードタイム大幅短縮、及び中間在庫ゼロ化、④It技術を駆使した生産管理・監視システムをコンセプトとする革新的焼結部品生産ラインを構築した。

IoT を駆使した焼結部品生産ライン
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中赤外センサ開発に向けたタイトバインディング法による高精度電子状態計算法

タイトバインディング法とは、原子軌道のエネルギーとその間の相互作用の強さ等を入力データとして物性を求める電子状態計算法である。我々は、赤外センサ開発に向け、ハイブリッド準粒子自己無撞着GW(hybrid QSGW)法に基づいた電子状態計算をInAs/GaSb超格子に対して行い、信頼性の高いバンド構造を得ていた。しかしながら、その膨大な計算量がデバイススケールの超格子への応用を阻んでいた。本研究ではこのような対象へ適用できる電子状態計算法としてタイトバインディング法を選び、これに必要な入力データをhybrid QSGW法から求めた。そしてInAs/GaSb超格子のバンドギャップを求め、フォトルミネッセンス測定やhybrid QSGW法、経験的擬ポテンシャル法による計算と符合する結果を得たのでここに報告する。

中赤外センサ開発に向けたタイトバインディング法による高精度電子状態計算法
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住宅用蓄電システムPOWER DEPOⅢ

住宅用蓄電システムは再生可能エネルギーや燃料電池と組み合わせてエネルギー自給率を高め、系統停電時には独立電源システムとして機能できるものとして注目されている。住宅用蓄電システムを普及するための最大の課題は導入コストの低減で、コストに占める蓄電池の割合は大きい。発電電力を全て充電できる大容量蓄電池は雨天・曇天では一部の容量しか使わず稼働率が低くなって経済的効果は低下する。上記課題を解決するには、蓄電容量を必要最低限にし、小型・軽量化によって流通と設置のコストの低減を図り、高稼働率を維持して費用対効果を高めるのが得策である。また、蓄電池に充電した電力を有効利用するとともに、蓄電池の実効容量を高めるためには、変換効率の高い電力変換器も欠かせない。当社では住宅用蓄電システム「POWER DEPOIII」を開発した。

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スマートフォン向けの位置検出エンジン

住友電工システムソリューションが開発販売するスマートフォン向けのナビゲーションソフトウェア開発キットAgentNaviは、渋滞規制情報を加味し、目的地まで経路案内する機能を提供する。ナビゲーションソフトウェアが適切に案内を行うためには、現在走行中の道路を知る必要があり、通常はGPSセンサーを用いて取得した緯度経度より同定する。しかし、都心部など、GPSが受信しにくい環境下では、情報の誤差が大きい傾向がある。例えば図1で、破線で示した走行経路に対し、GPS情報が示す座標を菱形で示しているが、対向車線や建物上などを指しているため、GPS情報だけでは走行中の道路が判別できない。そのため、AgentNaviはスマートフォンのGPSを含めた各種センサー情報をもとに走行中の道路を推定し、位置情報を補正する位置検出(以下マップマッチング)機能を有している。本稿では、AgentNaviのマップマッチング機能について、自動車に備えつけられた一般的な車載器(以下、カーナビ)との違いを交えて説明する。

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巻頭言:次世代通信への挑戦

情報通信サービス、およびそれを支える技術の進展は目覚ましい。我々はそれを、ユーザーとして、また関連事業に携わる者として実感しているが、ここでは改めて数字でみることにより、どこで何が起きているのかを、より正しく理解してみたい。Ciscoのホワイトペーパーによれば、図1に示すとおり、全世界のIPトラフィックは5年で3倍になるペースで増加しており、2016年では1.15ゼタバイト(=1.15×1012ギガバイト、 片面一層DVD約2500億枚分)、2021年にはこれが3.34ゼタバイトに達する。

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工場IoT 用オール無線ネットワーク

工場現場の情報収集に無線通信を活用できれば、ネットワーク工事が不要になるため、ライン変更や工程の組み替えに対応しやすい。しかしながら、無線通信で使用する電波の強さは設備の配置換えやフォークリフト・人の移動によって頻繁に変化するため、利用者が求めるデータの精度を確保しつつ、長期間安定して通信できるようにするのは困難であった。そこで、自動で通信品質を管理することにより、安定して大量のデータを収集可能なオール無線ネットワークシステムを開発したので報告する。

工場IoT 用オール無線ネットワーク
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世界初0.14dB/kmの極低損失光ファイバ

低い伝送損失を実現する純シリカコアファイバを当社は1980年代から製品化し、伝送損失と非線形性を継続的に低減することで海底光ケーブル網の発展に貢献してきた。さらに、純シリカコアの密度ゆらぎを低減することで、伝送損失が0.14 dB/kmと極めて低い光ファイバを世界で初めて実現した。

世界初0.14dB/kmの極低損失光ファイバ
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次世代通信用マルチコア光ファイバ

現行のシングルモード光ファイバ(SMF)伝送技術に基づく伝送システムの伝送容量は、近い将来限界を迎えることが予測される。当社では、この伝送容量限界を打破する次世代の光ファイバとして、空間分割多重(SDM)用に様々なタイプのマルチコア光ファイバ(MCF)の研究開発を進めており、研究開発の黎明期から、コア間クロストークなどMCF特有の光学特性の挙動や発生メカニズムの解明や、それを踏まえての用途に応じた実用的なMCFの提案などを行ってきた。本稿では、これまでに当社が行ってきたMCF研究開発の取り組みについて紹介する。

次世代通信用マルチコア光ファイバ
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データセンタ向け光接続用多心コネクタ

クラウドコンピューティング、モバイルインターネット等の情報処理を担うデータセンタ(DC)では、光接続の需要が増加している。DCでは高速大容量化の流れを受け、これまでのマルチモードファイバのシステムからシングルモードファイバ(SMF)への移行が進むと考えられる。そこで我々は、今後のデータセンタに求められるSMF多心接続ソリューションとして精密成形技術をベースとした多心光接続用コネクタ(MPOコネクタ、および耐ダストコネクタ)を開発しており、その概要について報告する。

データセンタ向け光接続用多心コネクタ
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高分解能路側設置レーダー用RFモジュール

路側設置レーダー用に76GHz帯トランシーバーであるRFモジュールを開発した。本研究では、小型化・低コスト化に有利な、当社独自の技術である3-Dimensional Wafer Level Chip Size Package(3-D WLCSP)を用い、76GHz帯のチップセット(送信用周波数変換器、受信用周波数変換器、高出力増幅器)を開発した。開発したチップセットをPCB※1に搭載することで、20×34.5mm2の小型RFモジュールを作製し、電波法(送信電力、不要波電力等)に適合し、レーダーシステムから要求されるRF特性(雑音指数、ポート間アイソレーション等)を実現した。

高分解能路側設置レーダー用RFモジュール
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波長15μmまで感度を有する量子型赤外イメージセンサ

現在、広く使われているHgCdTeを材料とした量子型赤外センサに比べ、理論的な性能向上が期待できかつ環境負荷の小さいType-Ⅱ超格子を用いた赤外センサが注目されている。センサ開発に関する報告が多数なされているが、ハイパースペクトルイメージングに必要とされる14 µmより長波長域に関する報告は少ない。今回、我々は受光層材料にInAs/GaInSb超格子を適用し、波長15µmまで感度を有する32万画素(VGAフォーマット※1)の赤外イメージセンサを開発した。バイアス電圧-20 mV、温度77 Kにおける暗電流密度は3.7×10-3 A/cm2を得た。温度分解能(NEdT)は0.29 K(F/1.4レンズ、積分時間200 µs、バイアス0 mV、温度95 K)であり、イメージセンサとして人物画像取得に成功した。

波長15μmまで感度を有する量子型赤外イメージセンサ
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データセンタ向け超多心光ファイバケーブル

本稿では、間欠12心光ファイバテープ心線(以下、間欠12心テープ心線)を実装したデータセンタ向超多心スロット型光ファイバケーブルの設計および施工上のメリットについて報告する。間欠12心テープは柔軟性と一括接続性を両立するため、ファイバ2心毎に長手方向間欠的にスリットが入った構造を採用しており、スリット部と非スリット部の比率およびピッチを最適化することにより、両特性を満たすテープ心線を開発した。ケーブル構造は曲げ方向性がなく、布設作業性に優れるスロット型構造を採用し、今回新たに中心のテンションメンバに無誘導性の繊維強化プラスチック(以下、FRP)を適用し、雷害対策不要のノンメタリック型のケーブル構造を実現した。間欠テープ技術とスロット構造を組み合わせることで、従来ケーブルと比較して、同一外径で2倍の心数、最大3456心の光ファイバを収納することに成功した。

データセンタ向け超多心光ファイバケーブル
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光ファイバ融着接続技術の歴史と今後の展望

住友電工が1980年にマルチモード型の光ファイバ用に固定V溝型の光ファイバ融着接続機「TYPE-3」を世に発売開始した以降、光ファイバの技術的進歩や新たな接続工法の開発と共に光ファイバ融着接続も技術革新を繰り返し、着実に進化している。本報ではこれまでの光ファイバ融着接続技術の歴史を振り返り、進化のポイントとなった技術を紹介する。さらに今後の光ファイバ融着接続の方向性について述べる。

光ファイバ融着接続技術の歴史と今後の展望
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データセンタ内高密度光配線ソリューション

インターネットの普及に伴う世界のデータトラフィックは爆発的に増加している。インターネットサービスの根幹を支えるデータセンタでは架間や装置間の配線の高密度化と配線作業の効率化が求められている。こうした要求に応えるため、我々は2つの新製品①MPOカセット(PrecisionFlex)と②極性変換LCコネクタ(FlexULC)を開発した。本稿では、これらの新製品と、フィールドにおける使いやすさを大幅に向上させたMPOコネクタ(SumiMPO)付ラウンドコード/トランクケーブル製品とを合わせた、融着不要のプラグ・アンド・プレイ方式による光配線ソリューションを提案する。

データセンタ内高密度光配線ソリューション
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次世代IP 再送信装置と4Kテレビ対応STBによる放送システム

FTTH等ブロードバンドの普及とIPTVの技術革新により、You TubeやOTT※1サービス等のブロードバンドの高速通信を利用した数々の商用動画サービスが世界中で拡大している。当社は、サービス事業者と協力し、IPマルチキャストストリームにより地上波/BSデジタル放送を再送信するIPTVサービスの立ち上げと市場発展に貢献してきた。本稿では、IPTVサービス用の局舎設備である普及型IP再送信装置と宅側端末であるIPセットトップボックスを紹介する。

次世代IP 再送信装置と4Kテレビ対応STBによる放送システム
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北米MSO の次世代アクセスのための分散PONアーキテクチャ

PON(Passive Optical Network)方式による光アクセス網 は、局舎に設置されるOLT(Optical Line Terminal)と加入者宅あるいは複数の加入者宅を接続するDP(Distribution Point)に設置されるONU(Optical Network Unit)で構成されると定義されてきた。本論文では、距離、ポートあたりの加入者数、幹線ファイバ数、統合OSS(Operations Support System)、機器設置スペースのコストや電力消費の節減、機器の冷却といったMSO(Multi-System Cable Operators)のアクセス網に対する根本的な要求に応えるべく当社が提唱する北米MSOの次世代アクセス網アーキテクチャを紹介する。

北米MSO の次世代アクセスのための分散PONアーキテクチャ
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無線通信用GaN HEMTの開発

近年、GaN HEMTは、優れた物性より携帯電話基地局などの高出力、高周波通信機に広く使われている。本報告では、当社が世界に先駆けて市場投入したGaN HEMTについてその特徴と主要特性について述べる。また、携帯電話基地局用途においては、広く使われている出力電力400WのDoherty増幅器を、その基地局間通信においては広帯域特性を有するGaN HEMTのデバイス構造、特性を示す。衛星通信用途においては、地球局用および衛星搭載用の高信頼性GaN HEMT、更に気象観測レーダー等に使われる高出力GaN HEMTについても示す。当社の開発したGaN HEMTが今後の無線通信の小型化、軽量化、低消費電力化に大きく貢献することを期待する。

無線通信用GaN HEMTの開発
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高速(100G/200G/400G用)外部変調器内蔵LDチップ搭載4ch集積送信デバイス

伝送速度100Gbit/s超の光トランシーバは小型化、高密度実装化が急速に進んでいる。今回我々は、4つの異なる波長の電界吸収型変調器集積レーザと、光挿入損失の小さい空間結合型の光合波器を内蔵した小型4ch集積送信デバイスを開発した。本デバイスはQSFP28への搭載が可能で、伝送速度100Gbit/sで40kmまでの伝送に必要な性能を実現した。また本送信デバイスは100Gbit/sシステムでの使用だけでなく200,400Gbit/sシステムでの使用も可能とする事を目指している。本稿では今回開発した送信デバイスの構造や特性について報告する。

高速(100G/200G/400G用)外部変調器内蔵LDチップ搭載4ch集積送信デバイス
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高速(100G/200G/400G 用)高感度APDチップ搭載4ch 集積受信デバイス

インターネット環境の更なる向上に対する社会要請に応えるため、光部品市場のニーズは現在主流である100G製品から、早くも200G/400G製品へと移行しつつある。当社はその高速化に加え、20 km超の中長距離伝送に対するニーズにも応えるべく、内製APDを搭載した4ch APD集積受信デバイスを開発した。これまで開発してきた4ch集積受信デバイスの設計をベースとし、当社独自設計の高感度APDチップと光挿入損失の小さい空間結合型の光分波器を内蔵した、伝送速度200 Gbit/sにおいて優れた性能を有する4ch APD集積受信デバイスを実現した。本稿ではデバイス構造や、1シンボルあたり2ビットの情報を伝送することが可能な4値パルス振幅変調(4-level Pulse Amplitude Modulation, PAM4)信号を用いた53 Gbit/sでの受信感度等の諸特性について紹介する。

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40Gbps 高速伝送インターフェースケーブル“Thunderbolt 3”

Thunderbolt 3(1)は、上り下り共に40Gbpsの高速・大容量伝送が可能な外部インターフェース規格で、コネクタの裏表を気にせず接続可能なUSB Type-C(2)コネクタを用いたThunderboltの最新規格である。住友電気工業㈱は、米国インテル社からの仕様開示を受け、柔軟で耐屈曲性に優れた、当社特長の同軸電線技術に高速伝送技術を融合させることでThunderbolt 3ケーブルの開発に成功し、世界初の認証取得を果たした。本稿では、当社特長の同軸電線を用いたThunderbolt 3ケーブルを概説する。

40Gbps 高速伝送インターフェースケーブル“Thunderbolt 3”
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自動車用ホットメルト内層付き熱収縮チューブ

熱収縮チューブの内層にホットメルト接着剤を配した二層チューブは、熱収縮加工時の熱で接着剤が溶融し被覆体の凹凸に追随して高い絶縁・防水保護性を発現し、エレクトロニクス・航空機等の分野で使用されている。近年、自動車分野ではエンジン周りの電装機器の増大によりハーネスの接続部位が高温環境下に晒されるため耐熱性の高い(125℃)二層チューブのニーズが高まっている。従来の二層チューブは、125℃の使用環境下では位置ずれが生じ防水保護性を確保できない課題があった。使用環境下で熱収縮層(外層)が軟化し径方向に内部応力を発生することが位置ずれ原因と特定し、ポリマーブレンドで融点を最適化した位置ずれの生じない外層用ポリエチレン系材料を開発した。また、内層には極性の異なる外層と被覆体(PVC電線)の双方に接着するポリアミド系のポリマーアロイ接着剤を開発し、自動車ハーネス用の新規二層チューブに適用した。

自動車用ホットメルト内層付き熱収縮チューブ
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高速スイッチングV溝型SiCトレンチMOSFET

電力利用の多様化が進み、電力変換に使われるパワー半導体の高効率化は省エネ社会により重要なものになってきている。パワー半導体は、現在はシリコン(Si)が広く普及しているが、より高効率なシリコンカーバイド(SiC)が実用化されつつある。金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は主要なパワー半導体のひとつであり、我々はその中でも高効率化に有利なゲートを溝型にしたトレンチMOSFETの開発を進めてきた。トレンチを高効率なV溝型にし、電界が集中しやすいトレンチ底部に電界集中緩和層を導入することで、この課題を克服し、低損失と高耐圧を両立した。さらに、構造最適化を進めるとともに、帰還容量(Crss)を低減する構造を実現し、スイッチング損失を70%削減した高速スイッチングが可能なV溝型SiCトレンチMOSFETを実現した。

高速スイッチングV溝型SiCトレンチMOSFET
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ナノ構造熱電材料のためのアモルファス半導体バルク材料の作製

熱電材料を用いた発電技術は、排熱から直接電力に変換することが可能であり、持続可能なエネルギー源となり得るため、低炭素社会に向けたエネルギー技術として期待されている。しかし、熱電変換効率に直結する熱電性能指数ZTの目標値が自動車廃熱発電で4以上であるのに対し、実際の材料では50年近く2以下しか得られておらず、目標の実現は非常に困難であると見られている。この大きなギャップを、材料の電子構造の変調、すなわちナノ構造の精密制御により打破すべく、研究開発を行っている。本研究では、ナノ構造の作製のために出発母材として必要と考えているアモルファス半導体バルク材料の開発を行った結果を報告する。

ナノ構造熱電材料のためのアモルファス半導体バルク材料の作製
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集光型太陽光発電システムのプラント実証

集光型太陽光発電(CPV)システムの展開が期待される高日射地域(モロッコ)において、CPVおよび結晶シリコン太陽光発電(Si-PV)の実証機を用いた発電性能の比較評価を実施した。この結果を受け、CPVシステムを用いたメガワット級発電実証プラントをモロッコ王国ワルザザートに建設し、発電プラントとしての実証試験を開始した。CPVはSi-PVと比較して単位面積当りの発電量および公称出力(実効定格)当りの発電量共に優位であることを実証し、発電プラント稼働後約1年間システム出力係数(Performance Ratio)の変化もなく、安定した発電が確認できた。

集光型太陽光発電システムのプラント実証
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薄膜高温超電導線材の超電導接続

高温超電導線材(high-temperature superconductors、以後HTSと略す)同士の超電導接続技術は、HTSコイルの永久電流モードでの運転におけるキーとなる技術である。今回、永久電流モードでの運転を可能とする薄膜高温超電導線材の超電導接続技術を開発したので紹介する。本手法の特徴は、高温超電導体であるREBa2Cu3O7-x(以後、REBCOと略す)の微結晶状態の前駆体を用いて接続する点にある。超電導の微結晶である中間体を成長させて形成することからiGS接続(Intermediate Grown Superconducting接続)と名付けた。接続処理後の接続界面の断面をTEM(Transmission Electron Microscope)で観察したところ、接続対象とするREBCO層上の前駆体が配向結晶化することで、線材のREBCO層と原子レベルの理想的な状態で接続されていることを確認した。本接続では、液体窒素中自己磁場下で実用的な値である70A以上の接続Ic(超電導臨界電流※1)が再現良く得られ、また、HTSコイルから引き出された線材端部を本接続技術で接続する

薄膜高温超電導線材の超電導接続
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圧粉磁心による薄型・高トルクなアキシャルギャップモータの実現

ハイブリッド車や電気自動車などの電動車両の普及や家電・エレクトロニクスの省エネ化により電磁部品の需要が高まっている。中でも最大の市場であるモータでは、現在は磁心に電磁鋼板を用いたラジアルギャップモータが主流であるが、近年車載用途をはじめ小型(薄型)・高出力化のニーズが増大しており、これらを両立可能なアキシャルギャップモータに注目が集まっている。しかし、重要な構成部品のひとつである磁心の三次元造形が困難なため、市場での広がりは極めて限定的であった。圧粉磁心は絶縁被覆された軟磁性粉末を加圧成形により造形した材料であり、磁気的等方性と高い形状自由度が特長である。当社では圧粉磁心をアキシャルギャップモータに適用することで性能と生産性に優れる薄型モータを実現し、ラジアルギャップモータ対比で高トルク化・高効率化を実証した。

圧粉磁心による薄型・高トルクなアキシャルギャップモータの実現
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鋼旋削用コーティング材種AC8015P/AC8025P/AC8035P

近年、地球環境への負荷低減、資源の効率的な活用を目的とした様々な取組みがなされており、自動車等に用いられる鋼部品の切削加工においても、被削材の鉛レス化(難削化)や、切削加工条件のドライ加工化および高能率加工化が急速に進んでいる。このような過酷な切削環境下において安定して使用できる信頼性の高い工具が求められている。そのような鋼加工市場でのニーズに応えるため、鋼旋削加工用コーティング材種「AC8015P」「AC8025P」「AC8035P」を開発した。「AC8015P」は高速・連続加工における高能率加工を実現し、「AC8025P」は汎用加工における安定・長寿命を達成する。また「AC8035P」は断続加工における突発欠損を大幅に抑制し高い安定性を実現する。これら3材種により鋼の幅広い加工において、加工コストの低減を可能とした。

鋼旋削用コーティング材種AC8015P/AC8025P/AC8035P
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高品質トマト人工光育苗装置

高品質なトマト大苗を育成する装置を開発した。大苗とは、収穫までの栽培期間を短縮するため、圃場に定植して栽培を開始する前にできるだけ生育を進めた苗である。閉鎖空間中、人工光下で大苗を育成することにより、病虫害リスクの少ない無農薬の育苗が可能となるが、トマト苗では、人工光下で育成すると生理障害が発生しやすく、十分な期間の育成はできなかった。本装置では、光波長の最適化など育成環境の改善により、生理障害の発生を抑制するとともに均一な大苗を育成することに成功した。本稿では、本装置の特長である生理障害抑制の抑制技術と苗の均一性に重要な気流制御技術について紹介する。(なお本研究は千葉大学との共同研究の中で実施されたものである)

高品質トマト人工光育苗装置
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高精度な製品寿命予測に向けたGaN-HEMTチャネル温度測定技術

携帯電話基地局や衛星通信に向けた高効率・高周波動作GaN-HEMT※1では性能の長期信頼性保証が特に重要であり、製品寿命を予測するにはデバイス動作下でゲート電極直下の長さ0.2 µm程のチャネル層の温度(Tch)を測定する必要がある。これまでは赤外顕微鏡による測定を行っていたが空間分解能が4 µmであり温度分布が平均化され正しく測定できなかった。そこで空間分解能が0.8 µmのラマン分光を活用したTch測定法を開発した。測定精度の把握と向上のための試料構造最適化とデータ補正法を検討し、測定精度が5℃の測定技術を確立した。既存製品の製品寿命を試算したところ、同じTchで比較すると予測値が1桁長くなることを確認した。

高精度な製品寿命予測に向けたGaN-HEMTチャネル温度測定技術
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放射光分析用住友電工ビームライン

強力なX線である放射光を用いることで、材料やデバイス中の構成元素の化学結合状態や原子レベルでの構造、プロセス中の反応解析など、高度な分析を実施することができる。これらを日常的に利用して、開発の加速、製品の信頼性向上などを図るため、佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターに、当社が利用できる放射光ビームラインを建設した。本ビームラインは「住友電工ビームライン」と称し、軟X線用と硬X線用の2本より構成されており、X線吸収分光、光電子分光、X線回折、小角散乱の測定が可能な構成となっている。2015年2月に設置工事に着工し、2016年11月より実際の解析に供している。

放射光分析用住友電工ビームライン
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無電柱化に有効な直接埋設用ダクトケーブル

近年、道路の防災性の向上や良好な景観の形成を背景に無電柱化の検討が為されている。光ケーブルを地中に埋設するには通常、地下管路にケーブルを通線する方式が取られているが、設備費用や敷設作業など非常にコストがかかっている。また外装付ケーブルではケーブルに不具合があった場合、掘り起こして補修・再布設が必要である。今回開発したダクトケーブルは、図1に示すように直接埋設に耐えうる外被の中に、密着しない状態でケーブルコアを収納しているため、一度に管路とケーブル布設が可能で、直接埋設用外被自体にケーブル保護機能があるためケーブルのみ抜き差しによる張替も容易である。実装する光ケーブルコアは、標準的な丸型の光ケーブルだけでなくドロップケーブルも適用できる。これらを使い分ければ例えば図2のようなFTTH配線が可能になる。

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化学物質規制と製品含有化学物質管理

化学物質規制は各国において年々強化されており、電気電子機器などの製品に含まれる化学物質も規制の対象となっている。このような規制に対応するためにはサプライチェーンにおける製品が含有する化学物質の情報伝達が必要であり、電気電子機器では国際規格が定められ、規格化団体や業界団体による情報伝達の仕組みの構築も行われている。また、化学物質規制を遵守するためには、設計・開発、購買、製造等の各段階での適正な化学物質管理が必須である。

化学物質規制と製品含有化学物質管理
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テストベッド活用によるコンセプト提案に向けたコネクティッド技術の実車評価

無線通信を介して車外と繋がり、より安全で快適な運転の支援に加え、車の機能改善やセキュリティ向上、乗員への新たなサービスの提供が可能な「コネクティッドカー」が普及しつつある。我々は、さらに将来必要となる車載機器及びインフラ機器を含めたコンセプト提案に向け、テストベッドを活用した実環境での評価・検証を行っている。ここではテストベッドの構成と特徴を紹介すると共に、ITS無線システムの性能比較や路車協調の機能に関する評価事例を報告する。

テストベッド活用によるコンセプト提案に向けたコネクティッド技術の実車評価
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海底ケーブル向け極低損失コア拡大光ファイバ

増加する通信データ情報量の需要に応えるため、海底通信ケーブルに使用される光ファイバには伝送損失及び非線形性の低減が求められる。純シリカコアファイバ(PSCF)は、光を導波するための添加物がコア中に添加されないため、本質的な低損失性・低非線形性を有する。今回、商用化されている光ファイバの中で最高の伝送性能を有するPSCFであるZ-PLUS Fiber 150(Z+150)を開発した。これは、2013年にリリースしたZ-PLUS Fiber 130 ULL(Z+130)に比べ、ガラス品質及びガラスを被覆する樹脂物性がさらに改善されたPSCFであり、伝送損失が0.154 dB/kmから0.152 dB/kmへ、実効コア断面積(Aeff)が130 µm2から150 µm2へ、それぞれ改善されている。また、約4,000 kmのZ+150の量産試作を行ない、製造安定性についても良好であることを確認した。

海底ケーブル向け極低損失コア拡大光ファイバ
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長距離伝送に適した結合型マルチコア光ファイバ

現行のシングルモード光ファイバ(SMF)伝送技術に基づく長距離伝送システムの伝送容量は、近い将来限界を迎えることが予測される。当社ではこの伝送容量限界を打破する次世代の光ファイバとして、直径125µmのガラスクラッドに4つの純シリカコアを内蔵した結合型マルチコア光ファイバ(MCF)を開発し、従来の記録を大幅に更新する低空間モード分散(SMD)と、既報のMCFの中で最も低い伝送損失を実現した。低SMD特性は受信信号のデジタル信号処理計算負荷の大幅な低減に、低伝送損失特性はコアごとの伝送容量拡大に、標準ファイバと同等のクラッド直径は高い機械的信頼性の実現に、それぞれ寄与する。また、開発したMCFが、同等の伝送損失と実効断面積を持つSMFより優れた伝送特性を持つことも実験で確認されている。本開発成果は、結合型MCFが、超長距離伝送システムにも導入可能なレベルの信頼性と性能を兼ね備えた光ファイバであることを示すものである。

長距離伝送に適した結合型マルチコア光ファイバ
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コヒーレント光通信向け小型光受信器

光通信伝送量の飛躍的な増大に対応すべく、多値変調方式を活用したディジタルコヒーレント光通信技術が注目されており、既に幹線系システムへは広く導入されている。今後、幹線系からメトロ系への展開に向けて光トランシーバの小型化が強く求められている。今回CFP2-ACO光トランシーバに搭載可能なOIF Micro-ICR仕様に準拠した小型光受信器を開発した。導波路型PDと90°ハイブリッドを集積したInP系光集積素子を採用することで、高受光感度かつ12.0×22.7×4.5mmの小型パッケージの光受信器を実現した。光受信器には、VOA及び信号光モニタPDも内蔵し高機能化を図った。128Gbit/s DP-QPSK変調信号および224Gbit/s DP-16QAM変調信号の復調を行い、ディジタルコヒーレント伝送の実証を行った。本稿では、開発した小型光受信器の設計と代表的な特性を紹介する。

コヒーレント光通信向け小型光受信器
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1G-EPONの更新と運用コストの低減を狙った10G-EPON局側装置

当社は、光ファイバを用いたFTTHブロードバンドサービスを国内外に普及させるため、PON(Passive Optical Network)方式を採用した機器の開発を行ってきた。ネットワーク上に流れるトラフィックの量は年々増加しており、特に高品質の映像配信サービスに対応するために、ブロードバンドサービスのさらなる高速化が要求されている。そこで当社は、現行方式の1G-EPON※1対比で約10倍の伝送容量を持つ10G-EPON対応の局側装置(OLT: Optical Line Terminal)を製品化した。本書では、既存の1G-EPON用の線路設備や宅内装置を使いつつ、新たに10G-EPON用の宅内装置(ONU: Optical Network Unit)を使用することで、4K/8Kといった高帯域な映像サービスにも対応できる10G-EPONシステムについて記述する。また、10G-EPON OLTを使うことによる設置スペースの縮小や、消費電力の低減など、運用コストの削減などの効果についても記述する。

1G-EPONの更新と運用コストの低減を狙った10G-EPON局側装置
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衛星搭載用高効率L帯200W GaN HEMT

人工衛星への搭載を目的として、L帯※1 200Wの高効率・高出力GaN HEMT※2を開発した。200W GaN HEMTは100W出力をもつGaN HEMT2個を同一パッケージ内に実装することで実現され、1.58GHzのCW動作においてドレイン効率74.6%、電力付加効率71.0%を達成した。この効率性能はL帯200W級GaN HEMTにおいて世界最高水準である。また我々は、このGaN HEMT技術に対し衛星搭載用認定試験を行い、衛星用途として要求される全ての品質と信頼性を満足していることを確認した。GaN HEMTを用いた固体素子増幅器(SSPA)の実現可能性を示し、今後衛星の小型化や軽量化に大きく貢献することを期待する。

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フラットパネルディスプレイ用高移動度、高信頼性酸化物半導体スパッタリングターゲット

フラットパネルディスプレイ(FPD)用薄膜トランジスタ(TFT)に用いるための半導体材料として、酸化物半導体が注目されており、すでにIn-Ga-Zn-O(IGZO)が量産されている。酸化物半導体がFPDに用いられる場合、酸化物セラミックス焼結体を原料(スパッタリングターゲット)として薄膜が形成される。当社は、原料である酸化物セラミックス焼結体の販売を目指して、8K-TVを実現できる新規の酸化物半導体材料の開発を行ってきた。その結果、In-W-Zn-O系において、スパッタリングターゲットとして好適な高密度、低電気抵抗の酸化物セラミックス焼結体を合成でき、その焼結体を用いて成膜したTFTは、IGZO比3倍以上の高い電子移動度を実現すると共に、実用特性として重要な信頼性もIGZO並以上を実現できた。

フラットパネルディスプレイ用高移動度、高信頼性酸化物半導体スパッタリングターゲット
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鋳鉄旋削加工用CVDコーテッド新材種

近年、地球環境への負荷低減、資源の効率的な活用を目的とした様々な取組みがなされており、自動車等に用いられる鋳鉄部品加工の分野でも、軽量化が急速に進んでいる。軽量化に伴い、各構成部品はより薄肉、複雑形状化し、薄肉化した場合にも十分な強度を確保する必要性から、使用される被削材はより高強度・難削化し、工具寿命の低下が課題となる。また、加工現場では、コスト削減要求の高まりや、工作機械の性能向上を背景に、高速・高能率加工への要求が以前にもまして高まっている。このような鋳鉄加工市場での課題を解決するため、鋳鉄旋削加工用CVDコーテッド新材種「AC4010K」「AC4015K」を開発した。「AC4010K」はねずみ鋳鉄の高速・連続加工を筆頭に高能率加工を実現し、「AC4015K」はダクタイル鋳鉄の加工を中心に汎用加工で安定・長寿命を達成する。これら2材種により鋳鉄の幅広い加工において、加工コストの低減を可能とした。

鋳鉄旋削加工用CVDコーテッド新材種
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成形体加工を用いた高生産性・高品質を両立する可変バルブタイミング部品生産ライン

近年自動車エンジンへの搭載率が高まっている可変バルブタイミング機構(以下、VVT)は、吸排気バルブの開閉タイミングを可変することにより燃費向上、排ガス低減を実現するシステムである。現在、VVTは部品点数が少なく安価に製造できる油圧式が主流であるが、昨今の環境・低燃費志向の高まりに伴い、構成部品の複雑形状化が進みつつある。中でもロータは、従来単独の部品として存在していたオイルコントロールバルブ機能の一部を備えたものが登場するなど複雑形状化が著しいが、一般に粉末成形法では横穴や内溝形状は造形できないことから、焼結後に機械加工を行う必要があり、加工難易度の上昇に伴う製造コスト増加や品質安定化が課題であった。そこで、高い生産性が期待できる成形体加工技術を適用し、①成形体加工条件の最適化、②成形体加工専用加工ラインの構築、③2Dコードを用いたトレーサビリティ付与システムの開発により、高生産性と高品質を両立するVVT部品生産ラインの構築に成功した。

鋳鉄旋削加工用CVDコーテッド新材種
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テラヘルツ帯で動作するトランジスタ実現に向けた均一性に優れるグラフェン作製法

グラフェンは、次世代の高速・大容量無線通信用途のデバイス材料として注目されている。我々は、グラフェンをデバイス製造に適用すべく、SiC基板から作製したグラフェン品質の面内分布を改善する新製法の開発を進めてきた。この製法は、C面6H-SiC基板上にSiCスパッタ膜を成膜したウエハを高温で加熱し、グラフェンを作製する製法である。本製法で作製したグラフェンをラマン分光法によるマッピングおよび低エネルギー電子顕微鏡観察で評価した結果、75µm×75µmの領域の95%が同一層数の2層グラフェンで占められている事が分かり、非常に優れた層数均一性を実証した。我々は、層数均一性に優れる本製法が従来のグラフェンを作製する方法に比べテラヘルツ帯で動作するトランジスタ作製に適した有力な製法であると考えている。

テラヘルツ帯で動作するトランジスタ実現に向けた均一性に優れるグラフェン作製法
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分布ブラッグ反射器(DBR)を集積した中赤外量子カスケードレーザ

我々は、中赤外量子カスケードレーザ(QCL)の閾値電流低減に必要な端面高反射化策として、半導体壁/空隙を周期的に配列した分布ブラッグ反射器(DBR)を採用し、これを集積したFP型QCLの開発を行った。その結果、1ペアの3λ/4構造のDBR集積で、劈開端面の2倍以上の66%の端面反射率と11%の閾値電流低減が得られ、DBRがQCL端面の高反射率化に有効であることを実証した。また本DBRを集積した7 µm帯FP型QCLにて、パルスで100 ℃、CWで15 ℃までの発振に成功し、InP系のDBR集積QCLとしては、初めて動作に成功すると共に、センシングに必要なレベルの光出力(数mW~数十mW)が得られた。本DBRは特に、低損失性が必要な前端面の高反射構造としての活用が期待される。

分布ブラッグ反射器(DBR)を集積した中赤外量子カスケードレーザ
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SRアクティブマットレス「体圧ブンさん」

住友理工㈱は、柔軟なSR(スマートラバー)体圧測定センサシートと首振り2段エアセルを搭載した、SRアクティブマットレス「体圧ブンさん」を開発した。本マットレスは、医療介護の現場で使用し、臥床した患者の体圧分散を自動的に行うことが可能である。患者の褥瘡(床ずれ)を防止し、QOL(Quality of Life)向上、自立支援につなげる。更には体位交換作業の負担低減を図ることで、看護・介護者が患者と接するための時間的な余裕を作ることも狙う。今回、臨床試験によりSRアクティブマットレス「体圧ブンさん」の体圧分散性能の評価を行い、効果を確認した。

SRアクティブマットレス「体圧ブンさん」
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高精度な第一原理計算手法によるInAs/GaSb超格子のバンド構造の解析

本研究では、赤外線センサ開発に向けて、第一原理手法のひとつであるハイブリッド準粒子セルフ-コンシステントGW(QSGW)法をタイプ-Ⅱ超格子(InAs)n(GaSb)n(n=1, 2, 3, および 4)に適用し、超格子のエネルギーバンドとして信頼性の高い結果を得ることに初めて成功した。算出されたバンドギャップは層数nの関数として得られ、光ルミネセンス(PL)法による実験値のnに対する傾向をよく再現できていることを確認した。また、バンド端アラインメントの実空間分析により、n=4に対するInAs/GaSbのバンドオフセット(0.5 eV)はX線光電子分光法による実験値と一致した。

高精度な第一原理計算手法によるInAs/GaSb超格子のバンド構造の解析
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銅酸化物の還元および成長に対する無機イオンの効果

銅腐食生成物の定量的な状態分析を行う目的で、高アルカリ液(6 M KOH + 1 M LiOH)を電解液としたボルタンメトリー還元法を開発した。引き続き、この手法を用いて銅酸化物(Cu2OとCuO)の成長メカニズムの解析を行った。通常の大気加熱では、Cu2OとCuOが共に生成・成長したが、特定のイオンを含む水溶液に予備浸漬した後に高湿条件で加熱したところ、イオンの種類によって銅酸化物の成長挙動が変化した。予備浸漬液としてLiClやLiBrの水溶液を用いるとCu2Oが選択的に成長した。おそらくLi+イオンがCu2O層中に浸入し、CuOと銅本体の間での均化反応(Cu + CuO → Cu2O)を促進させたために、Cu2Oの成長が継続したと思われる。ただしCu2Oの成長には高湿条件が必要であった。また、KOH水溶液を用いると加熱初期段階からCuOが成長した。銅表面の水膜中のOH–が高濃度化したことが要因と考えられる。

銅酸化物の還元および成長に対する無機イオンの効果
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操作性・メンテナンス性を向上させた光ファイバカッタ FC-8R

通信トラフィックの増加を背景に、世界中で光ネットワークの構築が急速に進められている。融着接続を代表とする光ファイバの敷設工事で高精度な接続を行うには、光ファイバへの高品質な前処理が重要になる。特に光ファイバを切断し、端面を鏡面状に仕上げる光ファイバカッタは、接続品質を左右する重要な工具として位置付けられている。当社は、特許技術である切断刃の自動回転機構を搭載したハンディ光ファイバカッタFC-7Rを販売し、光ネットワークの構築に貢献している。今回、その後継機種であるFC-8Rを開発したので報告する。

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巻頭言:住友電工の環境エネルギー事業への取り組みと技術開発の状況

新興国を中心にエネルギー需要が急拡大し、地球温暖化など環境問題が顕在化、環境に配慮した安全で安定した電力・エネルギー確保への期待が従来以上に高まっている。こうしたなかで、グローバルに進む発電・送配電網の整備、再生可能エネルギーの導入加速と、その導入に対応した電力系統の信頼度確保など、電力・エネルギーを取り巻く環境はダイナミックに変化しており、また、電力・エネルギーの供給とその品質に対するニーズも多様化してきている。当社グループは、電力インフラ以外に情報通信、自動車、そしてエレクトロニクス等を含む裾野の広い技術・製品群を有しており、新たな電力・エネルギー社会の多様なニーズに対応したソリューションを提供することが可能であり、「環境負荷の低減」、「電力品質の維持向上」、そして「エネルギーセキュリティーの確保」の“3つの価値”実現に向け、製品・技術開発に取り組んでいる。本特集では、当社グループの環境エネルギー事業への取り組みと技術開発の状況を紹介するが、先ずは、同分野を支えてきた電線・ケーブル事業の沿革と技術動向を紹介することから始める。

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新しい電力システム事業への取り組み

当社では、環境エネルギー分野を取り巻く世界的な変化の流れを受け、新しい電力システム事業に取り組んでいる。本論文では、現在電力分野で起こっているパラダイムシフトを概説し、これに対応するための社内組織の改正、レドックスフロー電池や集光型太陽光発電などの新製品の開発、新しい電力サービス事業など、取り組み状況の概要を紹介する。

新しい電力システム事業への取り組み
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2.1 MB

高強度Ni合金補強Bi-2223超電導線材

1988年に発見されたビスマス系(Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3Oy(Bi-2223)超電導体は、線材の高性能化・長尺化の研究が進み、現在では200Aをkmレベルで製造できるまでに開発が進んだ。Bi-2223系超電導線材を使用した実証ケーブル試験やコイル応用したモータ開発等、様々な試験が活発に実施されてきた。しかし、NMRや核融合炉・加速器などの超電導応用機器用途では、より強磁場なマグネットが要求されている。このような背景を踏まえ、Ni合金補強した高強度Bi-2223線材(Type HT-NX)を開発、Ni合金の比抵抗が高いことに起因した線材接続部分での発熱問題も、新しい線材接続方法により解決した。本稿では、Bi-2223線材の高強度化とType HT-NX線材の低抵抗接続方法に関して紹介する。

高強度Ni合金補強Bi-2223超電導線材
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レドックスフロー電池の開発及び実証状況

太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの連系量拡大に伴う電力品質確保や電力の効率的な運用及び停電時における事業継続計画への対策技術として、蓄電池の期待が高まっている。当社はこれまで安全且つ長寿命という特長を持つレドックスフロー電池の開発を進めてきており、近年の多様な電力ニーズへの適用可能性を検証すべく、電力会社及び需要家に蓄電池システムを設置した。本稿では当社が開発したレドックスフロー電池システムの特長や運用例について報告する。また最後にコストダウンへの取り組みを紹介する。

レドックスフロー電池の開発及び実証状況
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高操作性CHAdeMO仕様EV直流充放電コネクタ付ケーブル

電気自動車への充電には、普通充電方式(AC)の他、急速充電方式(DC)が適用され、日本発のCHAdeMO方式の直流急速充電器が国内だけでなく、欧米各所の世界で広く普及している。当社はそのCHAdeMO仕様の充電器に適用される直流コネクタを開発し、現在まで急速用だけでなくV2X用途までの製品において、15000台に達する納入実績を得た。特に、操作性、及び安全面において、高い評価を得ている。

高操作性CHAdeMO仕様EV直流充放電コネクタ付ケーブル
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チタン-マンガン系電解液を用いたレドックスフロー電池

太陽光、風力をはじめとする再生可能エネルギーの有効活用のために大容量蓄電池が重要な役割を果たすことが期待されている。その中でも実システムで実績があるバナジウム系レドックスフロー電池は、応答速度の速さ、容量と出力の設計自由度、安全性の点から注目を集めているが、再生可能エネルギー発電コストの低価格化が進む中で蓄電池コストの低減が最大の課題である。そのため、安価な電解液を用いたレドックスフロー電池の開発が世界中で行われており、当社においても、安価なマンガン材料に着目し、チタン-マンガン系レドックスフロー電池の開発を行っている。本稿では、電解液の開発動向とチタン-マンガン系電解液の電池性能について報告する。

チタン-マンガン系電解液を用いたレドックスフロー電池
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2.7 MB

メガソーラー用ストリング監視装置

出力1MW以上のメガソーラー発電所の建設が急速に進んでいるが、大量に導入される太陽光パネルの初期設置不良、長期性能劣化、および外的要因による故障などにより発電量が低下し、売電量の低下を引き起こしている。数千枚~数十万枚で構成される太陽光パネルの故障を検知するため、既に敷設されている電力線を利用しPLC(Power Line Communication)方式を使って、ストリング毎の発電量をリアルタイムに監視するメガソーラー用ストリング監視装置(SSMAP)を開発した。また、ストリング監視装置を導入したメガソーラー発電所において測定した発電量データの解析を行い、発電量の低下を検出した例を紹介する。

メガソーラー用ストリング監視装置
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耐海塩腐食性に優れた合金型架空送電線

日本国内の架空送電線では高経年化が進んでおり、近年、腐食に起因した障害事例が年々増加している。送電線の信頼性確保、延命化などの観点から、耐海塩腐食性に優れた合金型架空送電線を関西電力㈱と共同で開発した。本開発電線はテンションメンバに耐食アルミ合金覆鋼線(Al-Mn合金覆鋼線)を採用したものであり、標準電線(ACSR/AC)に対して1.6~2倍程度の耐食性能を有している。アルミ導体線は従来どおりであることから、コスト増はわずかで経済性も良好であり、2012年以降、国内実線路への適用が広まっている。

耐海塩腐食性に優れた合金型架空送電線
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2.5 MB

浮体式洋上風力発電用ダイナミックケーブル

沿岸海域の水深が深い日本において、浮体式洋上風力発電への関心が高まっている。当該発電方式において、安定した送電を実現する、ダイナミックケーブルシステムを開発し、環境省による浮体式洋上風力発電実証事業へ適用した結果、当社のケーブルは試験期間中問題なく運用された。ケーブルの撤去後の解体調査でも、各部位に顕著な劣化は見られず、当社のダイナミックケーブルシステムが、ハイブリッドスパー型浮体式洋上風力発電においてケーブルに加わる機械的応力に、十分耐え得る性能を有することを確認した。また、ダイナミックケーブルの長期信頼性を担保する為に、海中におけるケーブルの挙動に特化した解析技術の開発に取り組み、所定の海象条件下でケーブルの線形変動を把握可能な解析技術を確立し、浮体式洋上風力発電におけるケーブル布設形態の最適化を可能とした。

浮体式洋上風力発電用ダイナミックケーブル
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直流連系線用XLPEケーブル

近年、直流送電線へのXLPEケーブル適用事例が増えている。当社では、長年に亘って直流用XLPEケーブルの開発を行い、これまでの研究開発の過程でその優れた特性が検証されている。2012年には電源開発㈱に納入した直流250kV XLPEケーブルが運転を開始、直流XLPEケーブル線路としては世界最高電圧(当時)であり、かつ極性反転を行う線路への納入は世界初であった。その後、400kV用の評価試験を経て、北海道電力㈱の直流250kV連系線、NEMO Link Limited社の直流400kV連系線を受注、現在は納入に向けた製造等の準備を進めている。当社の直流用XLPEケーブルは、常時導体許容温度が交流用と同じ90℃で、かつ極性反転運用が可能といった特長を有しており、今後ますます増えていくであろう直流送電線のさまざまなニーズに応えることができるものと考える。

直流連系線用XLPEケーブル
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1.8 MB

ENERGYMATE-Factoryによる分散型電源の最適運用制御

日本の電力エネルギーを取り巻く環境が大きく変化する中で、日新電機㈱では多様な分散型電源を組み合わせて省エネと電力の安定供給を同時に実現するソリューションを「SPSS(Smart Power Supply Systems:スマート電力供給システム)」として推進している。本稿で紹介するエネルギー管理システム「ENERGYMATE-Factory」はSPSSのコア機能を担い、当社の中核製品である受変電設備に太陽光発電システム、コージェネレーションシステム、蓄電池などの多様な分散型電源を組み合わせて最適に制御することで、エネルギーコスト削減に貢献するソリューションを実現するものである。本稿では「ENERGYMATE-Factory」の概要や特長、および日新電機㈱前橋製作所における実規模検証などについて紹介する。

ENERGYMATE-Factoryによる分散型電源の最適運用制御
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2.9 MB

太陽光発電用高機能・高効率パワーコンディショナ

国内における再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)も導入から3年以上経ち、特に高価であった太陽光発電の調達価格は一段落しつつある。しかしながら、依然世界各地では様々な太陽光発電システムが導入されており、さらなる高機能化、コストダウンが要求されている。当社は国内向けに100~660kW単機容量をSOLARPACKシリーズとしてラインナップし、大規模太陽光システム(メガソーラー)の導入に貢献してきた。今後の顧客ニーズを満たすため、さらなる高効率化、機能改善、保守性の向上をめざしSOLARPACKシリーズの新型機種であるスマートパワコンの開発を行った。

太陽光発電用高機能・高効率パワーコンディショナ
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次数間高調波注入方式による単独運転検出の製品改良とその適用状況

再生可能エネルギーによる分散型電源を電力系統に連系する場合、単独運転を防止するための保護装置が必要である。2001年に当社は、次数間高調波注入方式を用いた新しい単独運転検出装置を開発し、広く適用されている。本稿では、検出原理とFRT要件への対応状況、および適用状況を紹介する。

次数間高調波注入方式による単独運転検出の製品改良とその適用状況
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再生可能エネルギー導入拡大に対応した系統解析技術

東日本大震災およびその後の電力需給の逼迫経験、固定価格買取制度(FIT)導入、電力システム改革により、日本の電力系統は、①太陽光発電などの再エネ導入加速、②地域間連系の増強、③電力の小売り完全自由化にともなう新電力の増加、など大きな変化の時代を迎えている。本稿では、再エネ導入拡大により懸念される電力品質上の課題への日新電機㈱の取り組みを、系統解析技術の観点で紹介する。

再生可能エネルギー導入拡大に対応した系統解析技術
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三次元連続気孔を有するアルミ金属多孔体(アルミセルメット)

富山住友電工㈱で量産しているセルメットは、三次元網目状の構造、最大98%まで可能な高い気孔率、高い比表面積といった特徴を有する材料である。これまで、ニッケル、及びニッケルークロム合金のセルメットを製造、販売してきたが、アルミニウムのセルメットが製造できればアルミニウムの特徴である軽量性や高熱伝導性、耐電圧性を活かし、種々の用途への適用が期待される。そこで従来困難とされてきたアルミニウムのめっき技術を開発し、さらに熱処理条件を最適化することでアルミセルメットの開発に成功した。開発したアルミセルメットの諸物性(形状、機械特性、電気特性など)、及びリチウムイオン電池の集電体に適用した際の効果について報告する。

三次元連続気孔を有するアルミ金属多孔体(アルミセルメット)
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2.3 MB

湿式電解を用いた銅のリサイクル技術

近年、環境意識の高まり、資源ナショナリズムの高揚などにより、金属リサイクルの重要性はますます高まっている。当社は電線メーカーとして銅を大量に取り扱っておりそのリサイクルも積極的に推進している。さらに銅リサイクルの適用範囲を広げるべく、廃電線から回収しきれていない銅廃材をモデルケースとして、小規模分散型に適した湿式電解を用いた銅のリサイクル技術開発に取り組んだ。可能な限り環境に優しいプロセスを検討し、廃材から純度の高い銅回収が継続的に可能であることを実証した。

湿式電解を用いた銅のリサイクル技術
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高周波交流電圧に対する耐電圧寿命に優れる巻線

近年、モータのインバータ駆動に伴う過電圧により発生する部分放電が巻線の絶縁劣化を引き起こし、モータの耐電圧寿命が低下することが問題となっている。寿命を向上させるためには、部分放電の発生を抑制することが必要であり、絶縁被膜に低誘電率材料を適用し、高い部分放電開始電圧(PDIV)を有する巻線の開発が求められている。当社は、絶縁材料内部に微小な気泡を形成する手法を巻線の薄い絶縁皮膜に適用することで、画期的な低誘電率巻線の開発に成功した。また気泡を導入した開発巻線は、従来の巻線より優れた耐電圧寿命を示した。

高周波交流電圧に対する耐電圧寿命に優れる巻線
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HEV/EV用高圧ケーブルの柔軟化

HEVやEVの高性能化に伴い、パワーケーブルとして用いられる高圧ケーブルの太径化が進み、取り回しの観点からケーブルの柔軟化が強く求められている。ケーブルを構成する導体と絶縁体のそれぞれの柔軟化の方法と柔軟性への寄与度を見積もった。その結果、導体は素線の細径化、絶縁体は低弾性率化が柔軟化に効果的で、特に後者の寄与度が大きいことを明らかにし、低弾性率絶縁材の開発を進めた。ベースポリマーを詳細に検討し、ポリオレフィン系材料を選定した。ポリオレフィンの柔軟性は、結晶領域と非結晶領域の比率で決まるため、この比率をコモノマー比率でコントロールし、高耐熱化・高難燃化の配合処方と架橋を行ってポリマー特性の向上を図り、柔軟性とJASO/ISO規格値を達成する新規の絶縁材を開発した。今後はさらに自動車用の柔軟性ケーブルの拡充を進める。

HEV/EV用高圧ケーブルの柔軟化
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巻線開発の歴史と今後の展望

住友電工でエナメル線の製造が始まってから2016年で100年になった。導体に絶縁皮膜を被覆した巻線は電装品や家電、電力用機器、等の様々な用途で利用され産業基盤を支える製品となっている。本報では巻線開発・製品化の流れを概説し、これまでに製品化した主な巻線を紹介する。さらに、今後の巻線開発の方向性について述べる。

巻線開発の歴史と今後の展望
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1.2 MB

新幹線用空気ばねの開発の歴史

空気ばねは、空気の圧縮性や流動抵抗を応用した柔らかく、減衰性能を有するサスペンションである。空気ばねが鉄道用に採用され60年程経過するが、この技術が現在のように発展を続けてきたのは、新幹線車両に採用され、その高速化に伴う様々な技術課題に適応すべく研究開発が進められてきたことによると言える。高速化に伴う環境影響軽減のため、車両が大幅に軽量化され、台車においてもボルスタが廃止された軽量ボルスタレス台車が採用された。これに伴い、空気ばねの機能も大きく変更になった。また曲線通過速度向上のために、水平方向の非線形特性機構の開発や空気ばねを利用した車体傾斜システムへの適用等、航空機への対抗のために速度向上や乗り心地改善の面で空気ばねが大きく貢献してきた。一部の路線では更なる高速化の検討も進められており、320km/hを超える速度でも安全・快適に走行出来るよう、今後も技術開発が進められる。

新幹線用空気ばねの開発の歴史
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機械系と電源系を連携した車両電源シミュレーション技術

2020年以降に向けて48V電源システムや自動運転等の新しいシステム・機能が提案されており、これらのシステムは車両の電源系と強く関わっているため、その搭載によって車両の電源アーキテクチャが変化することが予測される。変化する電源アーキテクチャの中で電源関連部品に求められる機能を見極めるべく、車両性能と部品性能の関係を明らかにし、車両目線で評価するシミュレーション技術の開発に取り組んでいる。本稿では、機械系と電源系を連携させたシミュレーションによって電源関連部品が燃費に与える影響を解析する技術について紹介する。

機械系と電源系を連携した車両電源シミュレーション技術
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エンジンの振動屈曲に耐える高強度アルミワイヤーハーネス

自動車排出ガスによる環境への影響の懸念から、燃費向上のために自動車の軽量化が図られている。ワイヤーハーネスも軽量化のため、電線の導体を銅からアルミへの変更が進められている。しかし、従来のアルミ電線では導体強度が不足し、0.35mm2や0.5mm2といった細径サイズやエンジン領域での適用ができず、制約が出ている。そこで、我々は、銅と同等以上の強度を有する高強度アルミ合金電線の開発に、業界で初めて成功し、エンジンワイヤーハーネス用0.35mm2電線を皮切りに2015年4月より生産を開始した。開発した電線用の高強度アルミ合金は、目標特性とした引張強さ220MPa、導電率50%IACSを見込んで6000系の時効析出型アルミ合金をベースに、添加成分量を整え、また合金中のMg2Si化合物の析出状態を詳細に調査して、時効条件を選定し、目標を上回る引張強さ250MPaと導電率52%IACSを実現した。

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低挿入力を実現した多極コネクタ用端子めっき

近年、自動車の電子制御化による性能向上は著しく、電子制御ユニットの数および回路数は増加し、コネクタの増加や極数の増加(多極化)が進行している。コネクタが多極化すると嵌合力が大きくなり、組み立て作業性を悪くするため、嵌合力を低く抑えることができる摩擦係数の小さい、端子用低挿入力めっきの開発要求が高まってきている。そこで、端子用に広く用いられているスズ(Sn)めっきの摩擦係数を低減させることを目的に、Sn合金めっきを開発し、端子挿入時の凝着摩耗を抑制することで低挿入力化に成功した。

低挿入力を実現した多極コネクタ用端子めっき
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伝送距離60kmを実現した10G-EPON用波長多重中継装置

通信インフラの高速化に対応するためのブロードバンドアクセス技術として、当社はPON (Passive Optical Network)方式を採用した光アクセス機器を開発してきた。本稿では10Gbit/sの伝送容量を持つ10G-EPONシステム用に開発した中継装置について報告する。中継装置は局側装置(OLT)と宅側装置(ONU)の間に設置し、伝送距離を従来の20kmから60kmに長延できる。8チャネルの中継に対応し、波長多重技術を適用することで局側装置と1本のファイバで接続できる。キー技術である上りバースト信号の中継方式と中継特性についても報告する。

伝送距離60kmを実現した10G-EPON用波長多重中継装置
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E帯無線通信用1Wクラス増幅器MMIC

近年、E帯無線通信システムは、3G/4G, LTE等モバイルバックホールで急速に増大するデータ伝送や、光通信データを無線で補間するファイバーエクステンションで使用されることが期待されている。E帯通信システムの帯域は71-76GHz, 81-86GHzの各5GHz幅が割り当てられており、10Gbit/s以上の高い伝送レートを可能にしている。このシステムは、高変調方式や遠距離の通信を行うために、0.5W(27dBm)以上の高出力電力が要求されている。ここでは、GaAs PHEMTテクノロジを適用し、安定化設計を組み込んだE帯1W(30dBm)クラス増幅器MMICについて紹介する。

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S帯600W, X帯200Wを実現したレーダー送信機用GaN HEMT

GaN HEMTを用いたS帯 600 W、X帯 200 Wの高出力・高効率・内部整合型増幅器の製品化について報告する。レーダー用送信機の固体素子化に向けて、GaNデバイスのさらなる高出力化が期待されている。S帯においては主に航空管制レーダー向けに2.7 – 2.9 GHzの帯域で出力600 W以上、パワーゲイン12.8 dB以上、ドレイン電力付加効率59 %を有する完全50Ω整合型のGaN HEMT、およびX帯においては 主に船舶レーダー、気象レーダー向けに8.5 – 9.8 GHzの帯域で出力200 W以上、パワーゲイン9 dB以上、電力付加効率38 %を有する完全50Ω整合型のGaN HEMTをそれぞれ製品化した。これらは、製品化された内部整合型GaN HEMTにおいて世界最高水準の出力電力であり、レーダー送信機の小型化、軽量化、低消費電力化に大きく貢献している。

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ナノ構造熱電材料開発 -多重薄膜によるナノ構造制御の検討-

熱電材料を用いた発電技術は、排熱から直接電力に変換することが可能であり、持続可能なエネルギー源となり得るため、低炭素社会に向けたエネルギー材料技術として期待されている。しかし、熱電変換効率に直結する熱電性能指数ZTの目標値が自動車廃熱発電で4以上であるのに対し、実際の材料では50年近く約2以下しか得られておらず、目標の実現は非常に困難であると見られている。この大きなギャップを、材料の電子構造の変調、すなわちナノ構造の精密制御により打破すべく、研究開発を行っている。本研究では、高い性能指数を実現するため、必要条件と考えているナノ粒子の粒径および粒間隔の制御を行なうべく、分子線エピタキシー装置による薄膜積層技術により、ナノ構造を制御する観点から研究した結果を報告する。

ナノ構造熱電材料開発 -多重薄膜によるナノ構造制御の検討-
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ベリリウム銅合金に代わる高強度高導電性材料

自動車や電子部品等の様々な分野において銅合金は幅広く適用されている。中でもベリリウム銅合金は、その人体や環境への影響が懸念されており、材料の置換えが要求されている。しかし、ベリリウム銅合金は優れた特性を有しており、代替材による置換えは一部に留まっている。そこで、住友電工スチールワイヤー㈱は鋼芯の表面に銅を厚く被覆した厚銅覆鋼線を開発した。厚銅覆鋼線は鋼線の強度・耐へたり性と銅の導電性を両立させた材料であり、鋼芯の強度調整と銅の被覆率を変更することで容易に特性をデザインすることが可能である。実際に機械特性評価を実施したところ、ベリリウム銅合金と同等以上の特性を発現可能であることが確認された。本報では、厚銅覆鋼線の各機械特性評価結果について述べる。

ベリリウム銅合金に代わる高強度高導電性材料
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1.6 MB

精密加工用旋削PVDコーテッド新材質AC1030U

近年、自動車部品加工市場においては省エネ・低燃費化の推進により部品の小型・軽量化が進んでいることから、これらに用いられる材料も強度の向上や多品種化が進んでいる。当社はこれらの自動車用部品に代表される小型部品の精密加工における様々な課題を解決するため、新PVDコーティング技術「Absotech Bronze」を適用した「AC1030U」と微小切削用ブレーカ「FYS型」を開発した。「AC1030U」は高い刃先品位と優れた耐摩耗性を併せ持つ精密加工用材種であり、「FYS型」ブレーカは微小切削領域において優れた切りくず処理性と耐摩耗性を持つ。新材質、新ブレーカにより鋼・ステンレス鋼・耐熱鋼・純鉄といった様々な材料の精密加工に対応し、加工コストの削減を可能とした。

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3.4 MB

根圏制御型砂栽培装置サンドポニックスを用いた農業生産支援システムの開発

ニューサンドポニックス(NSP)は、従来の砂栽培装置サンドポニックスに底面給水を組み合わせた新しい栽培装置である。従来の砂栽培は、砂が再利用可能である反面、装置が重くなるという難点があった。NSPは、従来のサンドポニックスの10%以下の砂培地量にすること、また、給液方法を改良することによりメンテナンスの軽減を達成した。現在は排水が無く成長状態に応じた液肥給水による野菜品質の制御を実現しつつある。本稿では、その特長である培地中の根への酸素供給性能をさらに改善することで、トマト収穫の増量に成功したNSP栽培の例を示すとともに、当社が目指す農業のIoT化に向けた、サンドポニックスを用いた農業生産の支援システムの構築の試みについて紹介する。

根圏制御型砂栽培装置サンドポニックスを用いた農業生産支援システムの開発
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2.5 MB

救急講習で使用する “胸骨圧迫訓練評価システム 『しんのすけくん』”

住友理工㈱では、これまで培ってきた高分子の配合技術を活かし、柔軟な静電容量型の圧力センサである『スマートラバー(SR)センサ』を開発してきた。このSRセンサの技術を応用し、心臓マッサージ(胸骨圧迫)の訓練評価システム『しんのすけくん』を開発した。『しんのすけくん』は、胸骨圧迫の訓練時の、圧迫深さ、テンポ(リズム)、リコイルに加えて圧迫位置も評価できることが特長のリアルタイムオートフィードバック機器である。さらに、SRセンサを用いていることにより、マットレスの上など柔らかい下地でも圧迫深さを評価できることも特長である。『しんのすけくん』が普及することにより、心肺蘇生を行える人材の裾野の拡大に貢献し、救命率の向上につながることを期待している。

救急講習で使用する “胸骨圧迫訓練評価システム 『しんのすけくん』
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1.1 MB

作業性を向上させるハイブリッド自動車用 ダイレクトコネクタ

近年のCO2排出量増加による地球温暖化の問題に対応するため、自動車業界ではハイブリッド自動車などの電動車両の開発が活発になっている。ハイブリッド自動車は内燃機関に加え、主にバッテリ、インバータ、モータからなる電気駆動系を備え、その時々の走行状態に適した駆動系を選択して、燃費を大きく向上させている。ダイレクトコネクタは、インバータのモータ直上搭載に適した、機器一体型コネクタで、インバータと駆動用、発電用の2基のモータとをケーブルレスでの接続が可能です。当社グループの住友電装(株)は、新たに柔軟導体を採用することで、インバータとモータの接続をコネクタ嵌合とし、自動車製造ラインでの組み付け作業性を向上させた、ダイレクトコネクタを開発した。本製品は16年2月に発売された本田技研工業(株)のオデッセイ ハイブリッドに採用された。

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0.7 MB

信号情報活用運転支援システムに向けた車載用高度化 光ビーコン

1990年代初頭から整備されてきた光ビーコンシステムにおいて、通信量の拡大と、信号情報活用運転支援システムが可能な高度化光ビーコンへの移行が徐々に進んでいる。この背景には、近年自動車の低燃費化や安全性向上に関する技術開発の活発化が後押ししている。このシステムは、赤外線通信経由での路線信号情報を入手することで、ドライバへの安全走行とエコを促すサービスを提供する。当社グループの住友電装(株)、住友電工システムソリューション(株)、(株)オートネットワーク技術研究所の3社は、上記システムに搭載される車載用高度化光ビーコンを開発した。本製品は本田技研工業(株)のアコードに採用された。

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0.6 MB

住友電工のコンピュータ通信への取り組み

半導体技術の進歩によってマイクロプロセッサは1971年の登場以来、40年で100万倍の高度化を遂げ、コンピュータのダウンサイジングと普及とともにネットワーク化が進んだ。パーソナルコンピュータの普及期には、光通信技術を利用した高速大規模LANと多様な方式に対応したLAN間中継装置によって、導入期から大規模化に向かう企業のコンピュータ通信の発展を支えた。2000年代には、ディジタル伝送技術とパケット通信技術を組み合わせたADSLとPON製品によって公衆アクセス網の改革を支え、我が国のインターネット普及に貢献した。コンピュータ通信が今後ますますグローバルに、生活や企業活動の隅々に浸透していく中、新たな役割を担っていく。

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1.2 MB

超硬合金スクラップからのタングステンリサイクル事業化

タングステンは超硬工具の主成分として用いられている。鉱山は中国に偏在しており、その供給が不安定であるため、安定的に超硬ビジネスを行うためには中国依存度を下げるのが望ましい。このような観点から、住友電工グループでは使用済みの超硬工具からのタングステン回収に注力しており、効率的・低環境負荷なリサイクル技術を産学共同研究により開発・実用化した。実用化にあたり様々な問題に直面したが、これを克服し事業として成立するプロセスを確立することができた。本稿では、主に環境対策と不純物の混入抑止について述べる。これまでは高品位の原料を扱ってきたが、今後はこれまで廃棄されてきた低品位原料も活用するための技術開発に注力し、レアメタルのリサイクル率向上に貢献していく。

超硬合金スクラップからのタングステンリサイクル事業化
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車載・小型軽量・多チャンネル セントラルゲートウェイユニット

自動車の電子制御化が進むにつれ車載制御ユニット(ECU:Electric Control Unit)が増加し、複数のネットワークを接続して車載LAN(Local Area Network)を構成することが必要となっている。これまでは2系統のネットワークを接続する2チャンネルゲートウェイECUを使って多段のネットワークを形成してきたため、車両の通信設計が複雑になっていた。今回、車載LANプロトコルの一つであるCAN(Controller Area Network)通信のインタフェースを6チャンネル持ち、各チャンネル間の通信データを中継できるセントラルゲートウェイECUを開発した。これにより、車載LANをシステム別に分けシステム間の独立性を高めることができるため、多くのECUを接続する場合も通信設計をシンプルにできる。セントラルゲートウェイECUは車載LANの核となるECUであるため、住友電気工業㈱がワイヤハーネス、J/B(Junction Box)と合わせて車載インフラ全体のシステム提案を行っていくうえで重要な製品となる。

車載・小型軽量・多チャンネル セントラルゲートウェイユニット
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間欠接着型テープを用いた超多心、高密度スロット型光ケーブル

本稿では、間欠接着型12心光ファイバテープ(以下、間欠12心テープ)を実装した超多心、高密度スロット型光ケーブルについて報告する。今回開発した間欠12心テープは柔軟性と一括融着接続性を両立すべく、ファイバ2心毎に長手方向間欠的にスリットが入った構造を採用しており、接着部と非接着部の比率およびピッチを最適化することにより、両特性を満たす12心テープを開発した。さらに今回は曲げ方向性がなく、布設作業性に優れるスロット型構造を採用し、間欠テープ技術とスロット型構造を組み合わせることで、従来ケーブルと比較して、同一外径で2倍の心数を詰め込むことに成功した。今回は間欠テープの設計、一括融着特性、1728心光ケーブルおよび商用レベルで世界最高心数となる3456心光ケーブル設計および特徴についても報告する。

間欠接着型テープを用いた超多心、高密度スロット型光ケーブル
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シリカベース高非線形光ファイバとその応用技術

光ファイバ内で発生する非線形現象は、広帯域光発生、ファイバレーザ、光増幅、光信号処理、センサ、計測、分光など非常に多くの分野での応用が検討されており、シリカベース高非線形光ファイバ(HNLF)は、標準的なシングルモードファイバ(SMF)に比べて非線形性が10倍以上大きいことに加え、伝送損失やSMFとの接続損失が低いこと、高次分散を含めた波長分散特性の高精度制御が可能という利点を有しており、これらの用途に適した有望な媒体として期待されている。本稿では、各用途に合わせて当社が開発した各種シリカベースHNLFを紹介する。特に、HNLFの重要な特性である波長分散特性に関して、ゼロ分散波長がファイバ長さ方向に極めて安定なHNLF、4次分散を制御したHNLFについて述べる。また、波長分散の高精度測定技術についても述べる。加えて、HNLFを用いた最新の応用技術として、光周波数コムへの適用例を紹介する。

シリカベース高非線形光ファイバとその応用技術
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短距離光インターコネクトに適した125μmクラッド8コアファイバ

スーパーコンピューターの計算並列化やデータセンターの処理データ量の増大に伴う短距離インターコネクトでの通信データ量増大に対応するため、大容量のデータを高密度に伝送する光インターコネクト技術の研究開発が盛んに行われている。今回当社は、光インターコネクトに適したマルチコア光ファイバ(MCF)を開発した。本MCFは、標準的な外径125µmのガラスクラッドの中に、1310nm付近の波長帯において汎用シングルモードファイバと同等の光学特性を有するコアを8つ内蔵し、同時にコア間クロストークの抑圧を実現している。標準的なクラッド径の採用により、汎用光ファイバと同等の機械的信頼性を実現可能であり、また、汎用光ファイバ向けのケーブル化技術などの様々な関連技術を活用可能である。本MCFを用いて試作した高密度MCFケーブルは実使用模擬環境下においても良好な光学特性を実現した。

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各種光接続インターフェイスとの互換性を有する防水光コネクタ

移動体通信網の発達やM2M、IoTの普及に伴い光通信機器の設置環境は多様化してきており、屋外においても装置との接続は様々な光接続インターフェースが用いられるようになった。今回、屋外環境下に適し且つ様々な光接続インターフェースと互換性を有する防水光コネクタを開発した。本コネクタは、光コネクタで代表的なSCコネクタ、LCコネクタ、及びMPOコネクタや、光デバイスであるSFPトランシーバーと容易に接続を行うことができる。また、コネクタの保護等級(防塵・防水等級)はIP68を実現している。

各種光接続インターフェイスとの互換性を有する防水光コネクタ
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コヒーレント光通信用+18dBm高出力波長可変レーザモジュール

情報通信量の急速な増大に伴い、長距離の幹線系ネットワークを中心に大容量伝送に有利なデジタルコヒーレント光通信技術が普及している。今後のメトロネットワークやデータセンター相互接続への展開に向けて、通信機器に高密度実装可能な小型で高出力の光源が要求されている。当社では独自のTDA-CSG-DRレーザを用いて業界標準仕様の小型波長可変レーザモジュールであるMicro-ITLAを開発し、業界トップの+18dBm光出力を達成した。

コヒーレント光通信用+18dBm高出力波長可変レーザモジュール
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高速大容量スイッチを備えた10G-EPONシステム

インターネットの高速化に対応するためのブロードバンドアクセス技術としてとして、当社は光ファイバを用いたPON(Passive Optical Network)方式を採用した光アクセス機器の開発を行ってきた。本報告では、さらなるネットワークサービスの高度化と多様化に対応するため、新たなコンセプトで開発を行った10G-EPONシステムFSU7100について報告する。FSU7100は、従来の1GEPONの10倍の速度に対応できる10G-EPONに対応し、高速化されたPON回線に相応する高速大容量スイッチを備えた光アクセスプラットフォームである。共通フレームワークsOFIA(Sumitomo Electric optical fiber access system integration architecture)、回線カード、集線カードのそれぞれの特長について報告すると共に、ソフトウエア機能として、CATV事業者が既存の装置からPON方式に移行する際のコストを低減するDPoE(DOCSIS Provisioning of EPON)についても述べる。

高速大容量スイッチを備えた10G-EPONシステム
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低消費電力量子カスケードレーザによる高感度ガスセンシング

量子カスケードレーザ(QCL)を光源としたガスセンシングは、従来困難であった、高感度、リアルタイムな計測が可能で、かつポータブル性を兼ね備えた手法として期待されている。ポータブルなセンシング装置実現のために、当社はこれまでに波長7 µm帯の QCLの低消費電力化に関する研究を行ってきた。この低消費電力な分布帰還構造(Distributed Feedback、以下DFBと略す) QCLのセンシング性能の評価のために、これを光源として中赤外領域でのガスの吸収スペクトルを測定し、ガスセンシングを行った。測定には多重反射型ガスセルを用い、DFB-QCLの印加電流を掃引することで波長掃引を行った。初めに大気をサンプルとした測定では、大気中の水とメタンの吸収を観測でき、シミュレーションともよく一致した。次に既知の濃度のメタンをサンプルとし、装置の感度を評価した結果、DFB-QCLの消費電力は3 W以下の低消費電力でありながらメタンに対して17 ppbの高感度なセンシングを達成した。

低消費電力量子カスケードレーザによる高感度ガスセンシング
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原子拡散接合を用いて高放熱のSiC基板上に作製したInP-DHBT

データトラフィックの爆発的な増大に対応するために、400 Gbit/sを超える超高速光通信システムの開発が進められている。光通信においてレーザや光変調器を駆動するドライバICには高速、かつ高耐圧特性を有するInP-DHBTが適している。一般的に、高速化に対応するためにはInP-DHBTには大電流密度での動作が要求される。しかしながら、そのような過酷な動作条件はInP-DHBTの自己発熱による特性劣化を早め、寿命が短くなるという問題がある。そこで今回、放熱性の高いSiC基板上にInP-DHBTを作製することでデバイス温度の上昇を抑制する試みを行った。SiC基板上へのInP-DHBT作製には常温かつ低加圧で金属接合が可能な原子拡散接合を用いた。試作したデバイスにおいて、SiC基板の高放熱性により40%以上の大幅な熱抵抗低減効果を確認した。

原子拡散接合を用いて高放熱のSiC基板上に作製したInP-DHBT
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ナノサイズの微小孔を有する次世代フッ素樹脂多孔質膜

当社はフッ素樹脂の中で最も耐薬品性に優れるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の延伸加工による多孔質化技術を世界に先駆けて開発し、ポアフロンの商品名でフィルター製品をはじめとする多くのPTFE多孔質膜製品を供給している。それらの中で、耐薬品性が必要とされる、酸やアルカリなどの化学薬品のろ過にはPTFE多孔質膜フィルターが必要不可欠である。特に半導体や液晶パネルなどの電子部品の製造工程で用いられる化学薬品には、電子部品の加工プロセスの微細化に伴って、より高い清浄度が求められるようになってきており、従来よりも微小孔を有するPTFE多孔質膜の要求が高まっている。当社では、従来の延伸加工に代わる新規のPTFE多孔質化技術によりナノサイズの微小孔を有するPTFE多孔質膜を開発したので報告する。

ナノサイズの微小孔を有する次世代フッ素樹脂多孔質膜
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新等価回路を用いた3,300V フルSiCパワーモジュールの動特性解析

ワイドギャップ半導体であるシリコンカーバイド(SiC)はシリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界、電子飽和速度、熱伝導率が大きい、という優れた特性を持つことから、次世代のパワーデバイス材料として期待されている。従来のSiを材料とした場合、スイッチング損失の小さい金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)では、鉄道車両や電力設備などのインフラ用途で需要の高い3,300 V耐圧を実現するのが困難なため、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)やPN接合型ダイオード(PND)が広く用いられている。我々は、SiCを用いた3,300 V耐圧のMOSFET、ショットキーバリアダイオード(SBD)及びこれらを搭載したモジュールを作製した。 SiCパワーモジュールでは、高速スイッチングのため、モジュール内部インダクタンスで発生する過大電圧が懸念される。内部インダクタンスを等価回路で表すことはその解析に有効である。筆者らはモジュール全体を表現する新たな等価回路を開発したのでここに報告する。

新等価回路を用いた3,300V フルSiCパワーモジュールの動特性解析
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ニッケル多孔体(セルメット)の固体酸化物形燃料電池用集電体への展開

固体酸化物燃料電池(SOFC)の集電体には高い耐酸化性とガスの拡散性が求められている。我々が開発しているニッケル-スズ(Ni-Sn)セルメットは耐酸化性に優れ、かつガス拡散性が良好な3次元構造を有している。そこで今回NiやNi-SnセルメットのSOFC用集電体への適用可能性を検討するため、長時間の耐酸化性、高温での電気抵抗率、集電体へ適用し試作したSOFCの発電特性、を評価した。その結果、空気極集電体については、今後ニーズが増すと推測される600℃以下の中温域で動作するSOFCへの適用が可能と考えられた。中でもSnを10wt%含有したNi-Snセルメットは600℃、3000時間後の酸化重量増加量は0.14 mg/cm2、電気抵抗率は0.017 Ωcm2と良好な特性を有し、試作したSOFCでも比較品のPtメッシュと同等な出力を確認できた。また燃料極集電体への応用は、圧縮挙動、試作SOFCでの評価により、特に800℃の高温域でNiセルメット、Ni-Snセルメットは好適であると思われる。

ニッケル多孔体(セルメット)の固体酸化物形燃料電池用集電体への展開
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樹脂レスで複雑形状を実現した高耐熱Nd-Fe-B磁石

近年、自動車の安全安心制御や家電の省エネ化などのニーズの高まりに対して、モータの高効率化や磁気センサの高感度化といった要求が強くなっている。モータやセンサの性能を大きく左右する永久磁石材料は、磁石性能そのものの改良に加えて、部品点数の削減や磁気回路設計の自由度向上などに寄与する部品の複雑形状化、エンジン周りへの対応や長寿命化に寄与する耐熱・耐環境性の改善による改良が重要視されている。既に、形状の複雑化に有効な磁石として、磁石粉末(Nd(ネオジム)-Fe-B)を樹脂で固化し、複雑形状をネットシェイプ成形できる希土類ボンド磁石があるが、樹脂の耐熱・耐環境性に課題があり必ずしも要求に対し十分ではない。当社では、磁石粉末自身に塑性変形性を付与することによって、樹脂を用いず、且つ、複雑形状のネットシェイプ成形が可能な新たな磁石製造工法を確立し、優れた耐熱性を示すバルクNd-Fe-B磁石を開発した。

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高感度中赤外センサを実現する多周期エピウエハ

波長3-5 µmの中赤外帯では、有害ガス検出や地球観測衛星向けとして高感度で応答速度の速いセンサが期待されており、近年そのセンサ材料として理論的に優れた性能を有するInAs/GaSb超格子が注目されている。InAs/GaSb超格子は分子線エピタキシー法(MBE)による開発例はあるが、生産性に優れる有機金属気相成長法(OMVPE法)による報告は少ない。今回我々は、OMVPE法による高品質な100周期InAs/GaSb超格子の成長に成功した。これを用いたセンサを作製したところ、整流特性が得られるとともに暗電流密度として印加電圧-50 mV、素子温度77 Kにおいて2×10-4 A/cm2を得た。また、波長3~5 µmにて感度が得られ、波長3.5 µmにおいて量子効率15%, 20 Kを観測した。これらの結果より、今回我々が成長したInAs/GaSb超格子は高性能な中赤外帯検出器の実現につながるものと期待できる。

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ナノスケール組成分布分析のための試料薄片化技術

半導体エレクトロニクス、情報通信技術など多岐に亘る工業分野において、デバイスや材料の構造微細化が急激に進展している。これに伴い、特性制御のための添加元素に着目した、ナノスケールの二次元分布の可視化技術開発が強く求められている。我々は、電子線マイクロアナリシス(EPMA)において、分析試料を薄片化すると試料内の電子線拡散が抑制でき、分析時の空間分解能が向上することを明らかにしてきた。例えばインジウムガリウムリン(InGaP)の分析では、約100 nmまでの薄片化により分解能を180 nmから40 nmまで向上できる。しかし、試料を薄片化すると分析体積が減少するため、検出感度の低下が避けられない。今回、試料の薄片化に加え厚さを制御することによって、必要な感度を確保した上で十分な分解能を有する分析手法を確立した。

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ハイブリッド自動車用パワーケーブル

近年のCO2排出量増加による地球温暖化の問題に対応するため、自動車業界ではハイブリッド自動車などの電動車両の開発が活発になっている。ハイブリッド自動車は内燃機関に加え、主にバッテリ、インバータ、モータからなる電気駆動系を備え、その時々の走行状態に適した駆動系を選択して、燃費を大きく向上させている。パワーケーブルは、インバータと駆動用、発電用の2基の3相交流モータとを接続するケーブルである。モータを駆動する大電流に対応した断面積の大きい太物電線を、それぞれのモータに3本、合わせて6本用いており、両端にインバータ、モータに接続するコネクタを有している。車両の軽量化やシステムの小型化のため、常に小型、軽量化が求められてい る。当社グループの住友電装(株)、(株)オートネットワーク技術研究所は、新たに6相一括モールド技術、銅布シールドを採用したパワーケーブルを開発した。本製品は、15年12月に発売されたトヨタ自動車(株)のプリウスに採用された。

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ハイブリッド自動車用床下パイプハーネス

近年のCO2排出量増加による地球温暖化の問題に対応するため、自動車業界ではハイブリッド自動車などの電動車両の開発が活発になっている。ハイブリッド自動車は内燃機関に加え、主にバッテリ、インバータ、モータからなる電気駆動系を備え、その時々の走行状態に適した駆動系を選択して、燃費を大きく向上させている。床下パイプハーネスは、バッテリとインバータの間で大電流をやりとりするケーブルであり、飛び石などからの保護機能、電磁ノイズを遮断するシールド機能を備えたアルミパイプに電線を通し、端末にはインバータに接続するコネクタを有している。当社グループの住友電装(株)、(株)オートネットワーク技術研究所は、新たにPNコネクタ*1、アルミ電線を用いた床下パイプハーネスを開発した。本製品は、15年12月に発売されたトヨタ自動車(株)のプリウスに採用された。

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とう道用LED照明灯

省エネ法の下、エネルギー使用の合理化等の促進のため、蛍光灯に代わりLED照明灯の普及が進んでいる。今回、LEDの特徴である長寿命、低消費電力を最大限に活かし、過酷な環境下で耐久性を求められる、とう道(通信ケーブル布設用トンネル)用に最適なLED照明灯の販売を本格的に開始した。

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鋼旋削加工用新CVDコーティング材種「AC8025P」

近年、機械加工現場においては、一層の納期短縮、加工コストの低減、更には省人化(自動化、無人化)が求められるようになっている。それに伴い、切削工具に対しては高能率化や長寿命化に加えて、切削加工時に突発的なトラブルを起こさない工具寿命の安定化に対する要望が従来にも増して強くなっている。そこで当社ではこのような要望に対し、寿命の安定性、信頼性を著しく向上させた新CVDコーティング技術「Absotech Platinum」を適用した「AC8025P」を開発し、販売を開始した。

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巻頭言:住友電工の粉末冶金事業の淵源、超硬材料の進化と未来~鉄からマルチマテリアルへの変遷に対応した素材開発~

1920年代、当社大阪製作所の電線工場では、高速な伸線設備導入により、生産性の大幅な向上が期待されていた。しかし、伸線工程に於ける銅の加工点であるダイス※1の材料は鋼であった。このため耐摩耗性が低く、設備の高速化に対応できず、急速な摩耗によってダイスが短寿命化するという新たな問題に直面した。頻繁に設備を止めてダイスを交換しなければならず、折角高速化した設備の稼働率を狙い通りに向上させることができなかったのである。一方、電球メーカーであるドイツのオスラム社にて、タングステンカーバイト(WC)を硬質相とし、コバルト(Co)をバインダーとした複合材料である超硬合金が1923年に発明された。WC粉末にCo粉末を一定割合で混ぜてプレス成形し、高温で焼結する粉末冶金製品の誕生である。1927年には同じくドイツの鉄鋼メーカーであるクルップ社が、WIDIAのブランドで超硬合金を発売し、粉末冶金製品が上市されることとなった。

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磁気特性に優れる圧粉磁心の開発経緯と実用化事例及び今後の展開

近年、世界的な環境意識の高まりから、自動車分野ではハイブリッド車に代表されるように省燃費車が広く普及し始め、エネルギ分野では、太陽光や風力等を活用した発電機の普及が推し進められている。これらの機器には、電動機構や電源装置が必須であり、それらに用いられる中核部品のひとつに、鉄心と銅巻線からなる電磁変換コイルがある。その磁心材料として、一般的には電磁鋼板やフェライト等が知られているが、各種機器の小型化や高効率化、高出力化を実現するために、当社では交流磁気特性と形状自由度に優れた圧粉磁心を開発し、ハイブリッド車のリアクトル用途等で実用化してきた。圧粉磁心は、絶縁被覆された磁性粒子をプレス成形して作製する材料であり、優れた磁気特性を得る観点から、磁性粉末の組成制御や高純度化、絶縁膜材料とその被覆方法、ならびに潤滑剤やバインダ等の添加剤を、用途に応じて開発することが重要な要素である。これらの技術を活用して当社が開発した純鉄系および合金系(Fe-Si-Al)磁心は、優れた磁気特性を示し、モータやチョークコイル用途に適している。

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工具用超硬材料の進化の歴史 ~超硬合金とサーメット~

1928年に当社ではじめて線引きダイス用として製品化された超硬合金はその後、切削工具用材質として大きく進化を遂げてきた。鋼切削に適合するようにチタン炭化物を添加する技術に始まり、コーティング母材として高靱性を発揮させるためのエース層超硬母材技術、ユーザーニーズである高能率加工に応えるZr添加超硬母材技術へと進化している。またジェットエンジン材料の開発から生まれたチタン系硬質相を主成分とするサーメット工具は被削材である鋼との反応性が低く、美しい仕上げ面が得られることから、切削工具の材質の 1つとして独自の進化をしてきた。そもそも靱性に課題のあったサーメットは、窒素添加技術により合金強度を飛躍的に向上させ、またその後開発された表面硬化技術により耐摩耗性と靱性の両立を図ることで切削性能の向上を果たしてきた。本報ではイゲタロイ®における超硬合金、サーメットの進化の歴史について述べる。