情報通信
光通信技術
極低損失石英コア光ファイバ
光ファイバ製造技術である気相軸付け法(VAD法)の開発を1970年代前半より進めており、量産技術として事業展開してきました。中でも、純石英コア光ファイバは、高速大容量デジタルコヒーレント通信システムに最適です。
2024年3月には、伝送損失0.1397dB/km(波長1566nm)を達成し、世界記録を更新しました。(当社ニュースリリース)
革新的なマルチコア光ファイバと接続技術
次世代の大容量光通信インフラとして、マルチコア光ファイバ(MCF)の開発を推進しています。当社が開発したMCFは伝送装置の消費電力を抑えつつ、通信容量を飛躍的に向上させるキーテクノロジーとして期待されています。環境負荷を抑制しつつ大容量光通信を実現することで、情報通信社会の発展に貢献します。
1)「長距離大容量伝送に適した結合型マルチコア光ファイバを開発」
2)「現在と同じ細さの光ファイバで世界最大の伝送容量を実現」(日本電信電話株式会社)
3)「現在と同じ細さの光ファイバで世界最大の伝送容量を実現」
4)「短距離光伝送に適した新型マルチコア光ファイバを開発」
5)「世界記録を大幅に更新!光ファイバー1芯で毎秒10ペタビットの伝送実験に成功」(株式会社KDDI総合研究所)
6)「世界記録を大幅に更新!光ファイバー1芯で毎秒10ペタビットの伝送実験に成功」
7)「世界初の標準外径19コア光ファイバを開発し、伝送容量の世界記録を更新」
8)標準クラッド径(125μm)光ファイバ条件下
住友電工テクニカルレビュー 「4コアマルチコアファイバ用バンドル型ファンイン・ファンアウトデバイス」
データセンタ向け大容量インターコネクション技術
人工知能・クラウドなどの進展に伴い、データセンタに係る配線には、更なる高速化, 低消費電力化が要求されており、光ファイバの配線への移行が進んでいます。
光通信で培った光ファイバ配線技術を応用し、従来の多心光コネクタより嵌合力が低く多心化が容易な新コネクタや極低損失な多心コネクタを開発しています。
オール光ネットワーク
データ通信は高速・大容量化が進行し、電力効率と通信遅延のニーズが増しています。オール光ネットワークは、従来、光と電気変換を必要としていたネットワーク装置やデバイスをフォトニクス(光)ベースへと転換する技術です。これにより、大容量、低消費電力、低遅延の通信を目指しています。当社は、このオール光ネットワークの基礎となる光トランシーバ(APN-T)とネットワーク装置(APN-S、APN-G)の研究開発を進めています。技術標準団体IOWN Global ForumTMでの提案を通じ、オール光ネットワーク技術の普及にも貢献していきます。
モバイルネットワークの基地局とアンテナ間のオール光ネットワーク化を目指し、長距離伝送、光波長可変、遠隔制御ができる光トランシーバ(APN-T)と波長多重スプリッタ(APN-S)の研究開発に取り組んでいます。任意のネットワーク装置をオール光ネットワーク網へ接続できる特長があります。
大容量(400Gbps級)ネットワークのオール光ネットワーク化に向け、1対多通信が可能な光コヒーレント通信技術を利用した通信装置の研究開発に注力しています。当社がFTTHサービス向けに製品化している10G-EPONシステムと同じ光ファイバに重畳できるため、法人拠点間のネットワークへの適用を推進しています。
光通信用デバイス
光通信システムの中で、電気信号⇔光信号の変換を行うデバイスの開発を行っています。支線系、データセンタ向けでは、変調器集積DFBレーザや高出力DFBレーザの開発、幹線系では、デジタルコヒーレント伝送技術の重要な構成要素を開発しています。光伝送容量の急速な拡大に対応すべく、小型低消費電力化や高速化に取り組んでいます。
無線通信技術
アナログRoFと分散アンテナシステム(DAS)
光電融合技術により5G無線信号を光伝送できる当社独自のアナログRoF(Radio over Fiber)技術を用いた5Gミリ波基地局アンテナの分散アンテナシステム(DAS)を開発しています。ミリ波基地局アンテナを小型化(従来比1/10)、低消費電力化(従来比1/2)することにより、5Gミリ波の普及に貢献します。
産業用5G端末
工場や交通インフラのデータを、5Gによる超高速、大容量伝送できる産業用5G端末を開発しています。端末内のエッジコンピューティング機能により工場IoTや交通DX化に貢献します。
無線通信用デバイス
窒化ガリウム(GaN)を用いたHEMTを開発し、携帯電話基地局の小型化、高効率化に大きく貢献しています。
また、次世代の無線通信に向けた高効率化と高周波化を目指しています。高周波・高出力特性を活かし、基地局間および衛星無線の通信大容量化や、様々なレーダの固体化にも展開しています。