産業素材

CBN工具は、ダイヤモンドに次ぐ高硬度を有し、鉄との反応性が低い特長を生かして、従来研削加工が主流であった焼入鋼の切削化や、鋳鉄・焼結合金の高精度・高能率切削加工を実現します。近年の各種部品の高機能化に伴う難削化と高精度化に加え、低環境負荷のニーズに対応する革新的なCBN工具の開発を推進しています。

硬度と靭性に優れる超硬合金の表面に耐摩耗性に優れるⅢ～Ⅴ属、AlやSi元素の複合窒化物等の主層と高耐酸化性のアルミナ等の表面層を化学蒸着法(CVD)や物理蒸着法(PVD)により薄くコーティングした先進工具です。近年、コーティング技術の発展及び超硬母材の品質改良により高能率加工が進み、低環境負荷で低コストのモノづくりを支えています。

切削工具のホルダにセンサを搭載、加工中の切削力を測定、無線で機外に送信するセンシングツールを開発しています。生産ラインで簡単に切削力を見える化することで、加工改善や不良原因特定によるお客様のコストダウンに貢献しています。さらに、工具欠損などの加工中の異常を検知する技術の開発にも取り組んでいます。

独自の超高圧技術でダイヤモンドを合成し、新たな機能を持つダイヤ素材や合成プロセスの研究開発を行っています。従来の工具用、光学部品用途に加え、最近では極低損失半導体素材、幅広い測定領域を実現する磁気センサ用素材としても注目されています。

タングステンカーバイド(WC)を主成分とする超硬合金は、刃先交換式工具やドリル、エンドミルなどの切削工具材料に最も汎用的に使用され、自動車や高機能モバイル機器の製造など様々な産業で用いられます。最新の超微粒超硬合金は、原子レベルで微細組織を制御することにより、耐欠損性を極限まで高め、顧客ニーズである長寿命化と高能率化に貢献します。

ステンレス鋼の内部に無酸素銅を嵌合した複合線。銅の導電機能とステンレス鋼の高い強度、ばね性、耐腐食性を両立しています。当社独自の伸線技術により、最細φ３０μmの加工が可能です。導電性は銅の含有量を調整することにより、３０～６０％の範囲で製造が可能です。

フッ素樹脂からなる多孔性材料「ポアフロン®」を活用した水処理膜モジュールは耐薬品性、耐久性、透水性、耐熱性等に優れ、世界各国で使用されています。更なる高性能化、高付加価値化による環境負荷の低減を目指し、ナノ物質を除去する新たな膜技術および次世代分離膜モジュールの開発に取り組んでいます。