15 December 2021
アライドマテリアル ITER用タングステンモノブロック新量産ライン披露式典
12月3日に、山形県にありますアライドマテリアル酒田製作所で開催されたITER用タングステンモノブロック新量産ライン披露式典に参加しました。アライドマテリアルは、産業素材部門に属する当社の100%子会社で、タングステン粉末やタングステン・モリブデン製品、半導体放熱基板製品、加工用ダイヤモンド工具製品を製造・販売しております。
同社は、核融合実験炉ITERで使用される重要構成部品 「タングステンモノブロック」を国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(QST)から大量受注しております。この受注対応として第4工場内に、今回、新量産ラインを新設しました。最新鋭の自動化・IoT技術の採用等により、従来比8倍以上の生産能力増強を実現しております。
核融合実験炉ITERは、「地上の太陽」と呼ばれる水素融合(核融合)エネルギーによる発電が、科学技術的に成立することを実証するための装置です。日本を含む世界7極の国際協力によって実証が進められております。
日本や欧州が担当するダイバータは、水素融合(核融合)で発生するプラズマ内の不純物を排気する重要機器です。タングステンモノブロックはダイバータの構成部品で、表面温度が2300℃にも達する一方、内部を高速の冷却水で冷やすため、極めて高い耐熱衝撃性が求められます。アライドマテリアルは、当該部品の製造元としてITERから認定を受けた世界で2社のうちの1社で、認定仕様を満たす製品を開発して採用され、世界最高品質との評価を受けております。仕様の環境を遥かに超える条件でも熱衝撃に耐える"割れないタングステン"は、原材料であるタングステン粉末の開発・製造から製品加工まで一貫して行う強みを活かして開発されたものです。
ちなみに、製品加工において用いられる超硬工具は、アライドマテリアル製のタングステンが原材料の住友電工ハードメタル製品です。また、研磨用のダイヤモンド砥石もアライドマテリアル製です。まさに、グループの力を結集して製造しております。
式典には、来賓として、文部科学省、QST、酒田市の皆さまにご来場いただき、ITER機構からは、フランスからビデオレター、オンラインによりご出席をいただきました。水素融合(核融合)エネルギーは、膨大なエネルギーの創出が期待でき、安全でCO2を排出しないこと、燃料源が海洋水で、枯渇の心配がないことなどから、脱炭素化社会実現とエネルギー問題解決の切り札と期待されております。来賓の皆様からご祝辞を頂戴しましたが、非常に熱の入ったお言葉の数々に、アライドマテリアルと当社グループに対する期待の大きさを感じ、改めて身が引き締まる思いでした。
私も、主催者挨拶において、アライドマテリアルのものづくり力で、皆様の期待にお応えして行く決意をお伝えしました。
ITER計画においては、欧州が担当するダイバータの内側部分の入札が、近くに見込まれております。また、今後は、世界各国が独自の実験炉、原型炉を建設して取り組んで行くことも見込まれております。アライドマテリアルは、世界最高品質のタングステンモノブロックの提供により、核融合炉の実用化に貢献できるよう、受注活動を進めてまいります。
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