品質・顧客満足度向上
基本的な考え方
住友電工グループは、「顧客重視」「品質重視」の考え方のもと、安全・安心で高品質な製品を安定して提供することを基本的理念としています。これを実現し続けるため、基盤となるモノづくり力を強化するとともに、日々の品質業務を仕組みとして体系化して着実に実践し、さらに仕組みを改善する取組みを続けています。
体制
品質管理体制
当社グループの品質に関する事項は、「全社品質管理委員会(経営会議)」で審議・意思決定し、決議事項は品質管理部が運営する「品質保証統括責任者(CQO*)会議」や全社品質活動「QR‐1運動」を推進する「QR-1推進会議」で議論の上、CQOを通じて事業部と国内外関係会社へ展開しています。各事業部のCQOと品質管理部が連携を取り、当社グループの品質に関するガバナンス強化・品質保証体制の整備・品質保証機能の強化を推進しています。
*CQO:品質保証統括責任者、Chief Quality Officerの略。品質保証統括責任者は各事業部門を代表する品質保証責任者(品質管理部兼務者)であり、原則、事業部センター部門の品質保証部長が担う
品質マネジメントシステム
品質業務の仕組みの体系化では、当社グループの全部門が守るべき品質に関する基本ルール「住友電工グループ品質管理基準」を定め、各部門は、このルールに沿って、品質保証体制の整備と品質保証機能の強化に継続的に取り組んでいます。
また、お取引先に求めるべき品質管理要求事項を網羅的に整理した「購入・外注先品質管理ガイドライン」を制定し、購入品・外注品の品質向上にも取り組んでいます。
なお、品質マネジメントシステムの国際基準であるISO9001は、お客様からの要求事項を勘案しつつ、必要に応じて、事業所単位で認証を取得しています。
目標
「中期経営計画2025」達成に向けた目標
当社グループの「中期経営計画2025」では「高品質で安全な製品の提供」と「ニーズをとらえた製品の提供」を目標に掲げています。
取組み・実績
社長自らが半期に一度、全ての従業員及び派遣社員等に向けて、品質についての明確な方針を示す「社長メッセージ」を社内放送・グループ報等を用いて発信しています。また、全社品質大会(年2回)を開催し、品質意識の向上と方針の浸透を図るとともに、各事業部門の品質コミットメントと品質活動について、情報共有しています。2024年度は保証度向上や失敗損低減の良好事例を共有しました。
「高品質で安全な製品の提供」
~全社品質活動「QR‐1運動」の展開~
品質に対するお客様の要求がますます厳しくなっていく中、当社グループでは「お客様の立場で業務全般を見直し、Q(品質)R(信頼性)体質を改善して、お客様にとってナンバーワン企業を目指そう」をスローガンに、「QR-1運動」を展開しています。この運動では、その時々の状況に対応した当社グループの重点課題を「QR-1推進会議」の中で議論、設定し、活動に取り組んでいます。この運動では、その時々の状況に対応した当社グループの重点課題を「QR-1推進会議」の中で議論、設定し、活動に取り組んでいます。
「QR-1運動」を支える3つの活動
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自工程保証活動
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品質管理教育
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グローバル品質監査
1.クレームゼロを目指す自工程保証活動
当社グループの各部門は、それぞれの製品の自工程保証に取り組んでいます。「自工程保証活動」は各工程で不良を作らない(発生防止)と後工程に流さない(流出防止)を総合的に進める取組みです。設計段階では不良を作らず後工程に流さないための良品条件(良い製品を作るための必要条件)を設定し、量産段階では良品条件を維持する工程管理を行います。それでも発生する不良・不具合に対しては、品質不具合の真因分析を行い、原因を解明して良品条件を追究します。
また、工程内不良ゼロへ向けた活動として、品質リスクを見える化する「保証度」の活用を進めています。「保証度」は、不良の種類ごとに発生防止と流出防止の確からしさを、それぞれ1級(十分に防止できている状態)から4級(防止できていない状態)で評価し、その組合せを右の表に示す6段階(S~E)で表した指標です。発生が心配される不良については、「保証度」がB以上になるよう、良品条件を追究することで、お客様への不良の流出を未然に防ぐとともに、クレームの再発防止を目指します。「保証度」を用いることで、品質リスクを客観的に評価できるようになり、リスクを低減する活動を効果的に進めることができるようになります。
2.「品質管理教育」の強化
当社グループでは、製品・サービスの品質をより高いレベルに向上・安定させることを目指し、SEIユニバーシティによる社員の品質管理教育を実施しています。全員対象の階層別研修、専門的業務や特命事項に応じた指名型研修、知識習得のための選択型研修、さらに実践型教育であるQR-J*やMKP*、GKP*等の国内教育の充実を図るとともに、海外では、エリア別モノづくりコミッティ活動(米州、欧州・アフリカ、東南アジア・豪州(APAC)、中華圏の4地域)やアジア地区での自工程保証活動教育および交流会を実施しています。なお、お取引先の教育は事業部門ごとに実施しています。
* QR-J:各部門の自工程保証活動の中核者を養成する「QR-J:自工程保証実践者養成コース」の略称
* MKP:将来の工場長候補やモノづくり基幹人材の育成を目指す実践型研修「モノづくり革新プロ・実践道場」の略称
* GKP:工場の管理監督や改善推進のキーパーソン育成を目指す実践型研修「現場改善プロ・実践道場」の略称
3.「グローバル品質監査」の実施
各部門の品質活動状況を「住友電工グループ品質管理基準」に照らし合わせ、お客様の視点で評価する「グローバル品質監査」を国内・海外で計画的に実施しています。「グローバル品質監査」では、「住友電工グループ品質管理基準」が定める13項目に沿って、マネジメント、設計、製造、センター機能の観点から監査し、組織の弱みを明確にして体質改善への取組みの契機にするとともに、各部門の体質強化活動の支援も行っています。2010年度に開始して以来、監査回数を重ねることで品質体質改善が進み、繰り返し監査を行うことで、継続的に体質改善を図っていきます。なお、お取引先については、事業部門ごとに監査、認定しています。
4.クレーム件数推移
2024年度のクレーム件数指数は、基準年(2022年度)対比で97.7でした。新規品の増加に伴うクレーム件数が増加したことで、2.3%の減少にとどまっています。2025年度は新規品の立上力強化に取り組むとともに、引き続き「自工程保証活動」、「品質管理教育」及び「グローバル品質監査」の3つの基軸活動により、クレーム撲滅への努力を愚直に継続していきます。
品質コンプライアンスの徹底
法令やルールを遵守し、お客様が求める品質を確実に満足する製品を提供していくことは、企業として持続的に発展していくための絶対的な基盤です。当社グループは、グローバルに活動しており、現地(各国)の法令を遵守します。また、品質コンプライアンスを徹底するために、以下の施策を進めています。
〈品質不正防止に関するルールの明確化〉
当社グループでは、品質データ不正や不適切検査などを未然防止するために守るべきルールを定め、「住友電工グループ品質管理基準」に盛り込んでいます。また、品質不正につながりうるルール不備への対策として、毎年実施する「主要業務の自己点検項目」にその対策を追加するとともに、品質不正防止教育に盛り込んで、周知徹底しています。2022年度には、これらの品質不正防止に関するルール、点検ポイント、仕組みの整備ポイントなどを整理、集約し、新たに「品質不正防止規定」を制定、施行しました。当社グループの全事業部門は、この規程に準じた仕組みを整備、運用しています。
〈品質不正防止に関する教育の拡充〉
当社グループでは、基幹職を対象としたコンプライアンス研修を実施しています。加えて、2023年度から、国内グループ会社の全社員を対象とした「品質不正防止研修」(e-ラーニング)を開講し、海外でも品質保証部門スタッフと検査従事者を対象に「海外コンプライアンス研修(品質不正防止)」を現地開催しています。
〈品質不正チェック機能の強化〉
当社グループでは、品質管理部が各事業部門に対して実施する「グローバル品質監査」の中で、品質不正の防止に関する点検を強化しています。また、当社グループには、全部門が「主要業務の自己点検」を毎年実施する仕組みがあり、自己点検の際に品質不正がないこと、及び各部門内の品質不正防止のルールが整備され、品質コンプライアンス教育が確実に受講されていることを毎年必ず確認しています。なお、2024年度の自己点検で見つかった品質管理の社内ルールの軽微な不備は100%是正を完了しています。
製品安全
当社グループでは「顧客の要望に応え、最も優れた製品・サービスを提供します」「社会的責任を自覚し、よりよい社会、環境づくりに貢献します」という経営理念のもと、製品の安全性を高める活動に取り組んでいます。市場に提供する製品は、特に開発・設計段階で安全性を徹底的に検討することを、製品安全確保の基本と考えています。
〈製品安全に関する研修〉
製品安全に関して、当社グループの全事業部門を対象に、製造物責任法(PL法)と改正消費生活用製品安全法(改正消安法)に関する専門研修を、年1回開催しています。研修では「企業が確保すべき安全基準は、予見可能な誤使用も想定しておくべき」という考え方を踏まえ、事例を交えて法規制の理解を深めるとともに、開発・設計段階における製品安全レビューの方法や警告表示のあり方、製品安全性の確保、製品安全情報の収集、事故発生時の対応等を含めた実践的な内容を取扱っています。また、各事業部門は、過去のトラブルとその対策などの情報をデータベース化して活用するとともに、部門内研修のなかで技術者の教育にも活用しています。
〈製品安全に関する自主点検〉
製品安全活動の一環として、各部門・各社で2年に1回、当社グループ統一のチェック項目に対する自主点検を行っています。点検に基づき、製品安全リスクを洗い出して、自主的に必要な対策を検討・実施することで、製品安全対策推進体制の向上に取り組んでいます。
製品含有化学物質管理
物流品質の向上に向けた取り組み
当社では輸送中の製品事故(荷物の破損や汚損等)を防ぎ、確実にお客様へ製品をお届けするために、輸送を委託している運送会社と一丸となって、物流品質の向上に努力しています。
特に製品事故を起こしやすいフォークリフト使用時の破損を減らすために、有資格者が不定期で現場作業を確認指導する「フォークリフト基本作業遵守活動」を継続して行っています。またフォークリフトに運転診断機能付きドライブレコーダーを設置することで、運転者視点での日常の評価もできるようになり、これらによって製品事故件数の低減に一定の成果が得られています。
「ニーズを捉えた製品の提供」
営業部門での顧客満足度向上に向けた取組み
当社グループの事業は、ほとんどが企業間取引であり、日常の営業活動においては営業担当者が代表窓口としてお客様(企業)からご意見やご要望をお伺いしています。お客様(企業)のご意見やご要望を的確に把握し、困りごとを解決することは、顧客満足度向上に直結し、ひいては企業としての存在価値の向上につながると考えています。
こうした活動を推進するためには、営業担当者のスキルアップが重要となります。そこで、営業本部内に教育担当を置き、営業に携わる社員のお客様の課題を把握する能力や、適切な解決策を提案する能力の強化に継続的に取り組むとともに、外部コンサルタントと協力し、営業担当者層には実践的な方法論の研修、管理者層には部下の管理・指導方法の研修を行っています。併せて管理者層には、組織の活性化に向けた行動指針を設定しており、「顧客満足度向上」を重要な項目として組み入れています。お客様に、真のビジネスパートナーとして認めていただけるよう、営業活動のレベルアップに継続的に努めていきます。