研究開発本部長メッセージ

研究開発本部長メッセージ

モノづくりまで視野に入れた研究開発で 顧客価値を創造

研究開発本部長 早味 宏

次世代の社会インフラを支える研究開発

住友電工グループの研究開発部門は、「住友電工グループ2030ビジョン」に掲げるエネルギー、情報通信、モビリティの3分野を中心に、社会課題の解決に資する革新的技術の創出に取り組んでいます。

エネルギー分野では、再生可能エネルギーの主力電源化を見据え、次世代の超高圧直流電力ケーブルシステムの開発を推進しています。高効率な長距離・大容量・低損失送電網を実現することで、脱炭素社会の基盤構築に貢献します。

情報通信分野では、データセンタ向け超多心光ファイバケーブルや化合物半導体デバイスの高性能化を進めています。さらに、当社グループ独自の光電融合技術(電子デバイスと光デバイスを高密度で一体化する技術)により、情報伝送の高速・低遅延・大容量化・省電力に貢献し、デジタル社会の進化を支えます。 

モビリティ分野では、クルマが電動化しエネルギーおよび情報通信の社会インフラへとつながる世界において、高速通信が可能な次世代ハーネスや、インフラ連携時に課題となるサイバーセキュリティやノイズ対策に向けた材料、デバイス、システム開発を通じて、安心、快適な社会の実現に寄与します。

さらに、私たちは2050年の社会像を見据え、「地球」「ヒト」「暮らし」をキーワードとした中長期の研究テーマを推進しています。その一つが水素社会の実現です。当社グループが培ってきたフロー型電池の材料・設計技術を活かし、高効率水素製造装置への応用を進めています。併せて、水素をつくるだけでなく、回収したCO₂と組み合わせて資源に変えるカーボンリサイクル技術の研究にも取り組んでいます。これらの技術を通じて、エネルギーの創出と材料循環の両面からサーキュラーエコノミーの実現を目指しています。

開発サイクルを加速する体制

研究開発は、事業と社会の発展に資するものでなければなりません。これは、「住友の事業は、住友自身を利すると共に、国家を利し、且つ社会を利する事業でなければならぬ」という住友事業精神に包含される考え方の実践そのものです。

社会変化が加速度的に進む現代において、研究開発のスピードと実装力が競争力を左右します。住友電工グループでは、AIやDXを活用した研究開発プロセスの高度化・効率化を推進しています。先端データ活用技術により、材料探索やシミュレーション、評価・検証の精度と速度を高め、開発サイクルの短縮と成功確率の向上を図っています。

研究開発の答えは「お客さまの声」に

AIやDXは強力な手段ですが、それ自体が目的ではありません。技術は製品として市場に出て、お客さまに価値を提供し、事業として成立してこそ意味を持ちます。住友電工グループの研究開発の本質は、お客さまを起点とした「モノづくりまでを視野に入れた技術開発」にあります。そのため研究者には、トップテクノロジーの追究に留まらず、どのような設備・プロセスで実現するかという製造技術の設計領域にまで踏み込んで探究してほしいと思っています。私自身、研究者時代に何度も壁にぶつかりましたが、そのたびに現場に戻り、お客さまとの対話から学び直してきました。技術は使われてこそ価値を持つという信念は、そうした経験から生まれたものです。

研究開発は常に順風満帆とは限りませんが、研究者には失敗を恐れず挑戦を続けてほしいと考えています。一方で、その挑戦を事業として結実させるために、マネジメント層は市場、競合技術、サプライチェーン全体を俯瞰し、総合的に研究開発の進め方を判断する責任があります。現場に根ざした挑戦と冷静な統制の両立こそが、持続的な成長を支える力になると考えています。

グローバルな体制で未来を切り拓く

研究開発は今や、国境を越えた連携と競争の中で進化する時代にあります。当社グループでは、海外研究機関への研究員派遣や、シリコンバレーおよびドイツに設置した研究マーケティング拠点の強化を通じて、グローバルな知見とネットワークを拡充しています。この拠点を足場に、他社に先駆けて新たな研究テーマに取り組める体制を整え、世界市場で通用する技術創出を目指しています。研究者には、国内外を問わず積極的に挑戦し、人とのつながりを広げ、自らの専門性を磨いてほしいと願っています。そして住友電工グループは、その挑戦を後押しできる組織であり続けたいと考えています。

住友電工グループはこれからも、「モノづくりまで視野に入れた研究開発による顧客価値の創造」を通じて、時代を一歩先へ進めてまいります。

研究開発本部長 早味 宏

研究パンフレット

各分野における開発体制や関連技術をご紹介しています。

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研究開発ビジョン

「エネルギー」「情報通信」「モビリティ」領域を伸長し、 新たに「地球」「ヒト」「暮らし」の3つの価値領域に挑戦します。

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『住友電工テクニカルレビュー』

『住友電工テクニカルレビュー』は、住友電工グループの技術内容を解説した技術論文集です。

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