多角的センサーと通信の融合が創る「安全の可視化」〜理工連携が切り拓く、データ活用プラットフォームの独創~
コネクティッドGW
「車載品質」を確保しつつ、ITとモビリティの橋渡し役に
次世代モビリティが「走るコンピューター」へと進化するSDV時代においては、車内の様々な機器とインターネット(クラウド)をつなぐことが重要となる。その「情報の出入り口」となる電子制御ユニットが、オーネット研の開発するコネクティッドGWだ。
コネクティッドGWの開発の障壁となったのは、IT・クラウド技術を「車載品質」に落とし込む際の設計基準だった。PCやスマホでは許容されるわずかな「通信遅延」も、命を預かる自動車では許されない。
クラウド連携を専門とするオーネット研 コネクティッドX事業推進部の滝本周平は、それを突破できたのは、情報通信事業を持つ住友電工ならではのグループ力から得た知見にあったと語る。
「遅延時間やデータ欠損に関する厳しい要求に対し、地道な検証を繰り返しました。インターネットやクラウドに関する情報通信技術と、高い信頼性が求められる車載品質を確保するためのECU(電子制御ユニット)設計技術の両方を熟知する住友電工グループだからこそ、ITとモビリティの高度な橋渡しが可能なデータ活用プラットフォームを実現できたと自負しています。」(滝本)
グループの知見を「一式」で届けるワンストップの強み
住友電工グループではコネクティッドGWを活用し、住友理工の生体情報センサーなどグループ独自の先端技術を連携させ、ドライバーの健康状態や路面状況をリアルタイムに可視化する運転支援システムの構築に挑んでいる。
このモノづくりの知能化、「理工連携」を主導しているのが、オーネット研インフラ連携開発推進室の谷口裕一だ。
「私たちの強みは、グループ各社のセンサーなどの先端機器を、オーネット研のコネクティッドGWで統合できる点にあります。さらにそれらを、住友電装の専用ハーネスと接続した『システム一式』としてワンストップで提供できる展開力は、他社の追随を許さない圧倒的な優位性です」(谷口)
物流の「2024年問題」から、社会のインフラへ
現在はコネクティッドGWの2027年の商用車採用を目指し、燃料電池トラックの運行管理や安全教育など物流現場での実証を進めている。
「かつては『お金にならない』と言われた安全技術が、今や不可欠な車両装備となりました。脱輪予兆やドライバーの体調変化といった『見えないリスク』を可視化し、安全への投資を社会のスタンダードにする。誰もがその恩恵を享受できるモビリティ社会を実現したいと考えています」(谷口)
これまでグループ各社で進めてきた独自の技術が、コネクティッドGWで繋がることで一つの大きな価値へとつながった。理工連携が描く「安全の可視化」は、次代の社会インフラに貢献すべく進化を遂げていく。