自動車を「社会のサポーター」へ変える、エネルギーの循環〜日新電機との融合が拓く、モビリティとインフラの「新機軸」~

自動車を「社会のサポーター」へ変える、エネルギーの循環〜日新電機との融合が拓く、モビリティとインフラの「新機軸」~

エネルギーとモビリティをつなぐ、3つの重点テーマ

(株)オートネットワーク技術研究所 インフラ連携開発推進室 主幹 佐野 隆章
(株)オートネットワーク技術研究所 インフラ連携開発推進室 主幹 佐野 隆章

脱炭素社会の実現に向け、モビリティは社会のエネルギーインフラを支える重要なピースへと変貌しつつある。オーネット研でエネルギー連携を担当するのが、インフラ連携開発推進室の佐野隆章だ。佐野は3つのテーマから次世代の電力基盤へアプローチしている。

「再生可能エネルギーの最大活用やコスト削減を目指し、EVなどの活用を推進する『エネルギーマネジメントシステム(sEMSA®)』、電力インフラとモビリティをつなぎコントロールする充放電器の開発を展開する『V2X(Vehicle to Everything)』、そして役割を終えた車載電池を蓄電池として再利用する『電池のリユース』。私のミッションは、これらを統合し、モビリティに付加価値を与えつつ、電力を『健やかに』巡らせる仕組みを構築することです」(佐野)

日新電機との融合で電池を「群」で制御する

使用済み車載電池を集めた蓄電池システム(イメージ)
使用済み車載電池を集めた蓄電池システム(イメージ)

なかでも鍵を握るのが「電池のリユース」だ。この巨大な循環システムを支えるのが、日新電機との強固なシナジーである。

「廃車から回収した電池は社会全体から見れば小さなものですが、それを集めることで変電所や発電所などで電力バランスを調整する大型蓄電池を実現できます。これは、車載電池を『群』で制御する住友電工の技術と日新電機の系統接続に必要な受変電設備やパワーエレクトロニクス技術を掛け合わせたトータルエネルギーソリューションへの昇華です。住友電工グループの強みは、お客様の要望に応じて、『トータルコーディネート』からエネルギーマネジメントなどの『必要な機能のみの提供』まで、提案できるという柔軟性です」(佐野)

住友電工が持つモビリティの知見と、エネルギーインフラを熟知する日新電機。両者の強みを融合させるため「日新住電エネルギーシステム開発センター」も立ち上げた。オーネット研が要となり、自動車とエネルギーという異なる業界の文化をつなぐ。数年後にはカーメーカーと共に構築した車載電池の再利用による蓄電システムを稼働させる意気込みだ。

エネルギー連携全体イメージ
エネルギー連携全体イメージ
エネルギー連携全体イメージ

10年先の未来を変える「逆提案」

統合BMU(Battery Management Unit)モニタ表示車載電池を「群」として再利用した蓄電システムを監視・管理する
統合BMU(Battery Management Unit)モニタ表示、車載電池を「群」として再利用した蓄電システムを監視・管理する

電池を使い切る仕組みを作る上で、最大の壁は現在の車載電池が「再利用」を前提とした設計になっていないことだ。佐野は実証データから得た知見を武器にカーメーカーへ直接「逆提案」を行っている。

「提案した設計の車載電池が市場から戻ってくるのは10年以上先。しかし、今ループを回し始めなければ将来の持続可能な資源循環は成立しません。10年後の『当たり前』を創るために、今、設計の常識を変える必要があるのです」(佐野)

オーネット研が牽引する住友電工グループの役割は、モビリティを再生可能エネルギーとして『社会のサポーター』へと変えること。佐野たちは、持続可能な未来を見据え、エネルギー連携の必要性と価値を地道に証明していく。

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