労働基準・労働慣行
基本的な考え方
少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、育児や介護との両立など働く社員のニーズの多様化等、社会環境が大きく変化していく中で、住友電工では、多様な人材がやりがいを持って活躍し、持てる力を最大限発揮できるような組織づくりのため、メリハリのある働き方の実現を目指した全社運動を展開しています。当社は2008年より、部門単位での業務の見直し・効率化などに取り組んできました。現在は、働き方を見直すことで、年間総労働時間の削減や、有給休暇の取得促進、業務効率化による生産性向上を目指す取り組みを全社・各部門で行っています。労働時間の削減のみならず、働きがいの向上を通じ、社員のエンゲージメントを高めることにより、企業業績の維持拡大に寄与する「働きやすい職場づくり」に取り組んでいきます。
体制
多様な人材が活き活きと働ける環境づくりに向けて、労働組合と会社は各種専門委員会を設置し、関連諸制度の改善やモニタリングの強化に取り組んでいます。また、社員と経営幹部が直接対話できるタウンミーティングを定期的に開催し、その場で出た意見を組織運営や人事制度企画に活用しています。
労使による対話の重視
当社では、企業の発展は組合員の生活向上とともにあるという考え方を基本に、労使がお互いの立場を尊重しながら、徹底的に話し合うことで、さまざまな課題の解決に取り組んでいます。年4回開催する「中央経営協議会」は70年に及ぶ歴史を誇り、労使の代表者が事業環境や経営状況などについて意見を交換しています。また、「時間短縮専門委員会」「福利厚生専門委員会」などの各種専門委員会を設置し、働き方の多様化が進展する中で、全ての社員が活き活きと働ける環境づくりに向けて、各種制度の改善やモニタリング機能の強化を図っています。
社員の「生の声」を聴くしくみ
●社員の意識調査を実施
当社では2006年から「活き活き職場調査」という名称で、当社および国内グループ各社の社員を中心に、職場や社員の活き活き度に関する調査を実施し、社員の活き活き度や組織の活性化度合い、人事施策の効果等を定点観測することで各種施策立案に活用してきました。
2022年からは、海外グループ各社への展開、エンゲージメントの向上等を目的に調査内容や名称を見直し、「住友電工グループ・グローバルエンゲージメントサーベイ」として社員の意識調査を実施しております。調査結果については、引き続き各種取り組みの参考情報として活用していきます。
●タウンミーティングの実施
当社では、社長をはじめとする経営幹部と、「基幹職層」、「製造現場管理監督者層」、「若手総合職層」などが出席する「タウンミーティング」を階層別に実施しています。「基幹職層」や「製造現場管理監督者層」を対象とするタウンミーティングでは、上司の立場から部下や後輩の育成、職場運営方法など会社の目指すべき方向や課題について、また、「若手総合職」を対象とするタウンミーティングでは、働き方改革に関する各職場の現状や、評価制度、キャリア形成など、人事諸制度に関して生の声を聴き、施策の充実、若手社員の人事制度理解やモチベーションアップにつなげています。
取り組み
働き方の見直しに向けた全社活動
当社では、2008年よりメリハリのある働き方の実現を目指して、全社運動を推進し、年間総労働時間の削減や有給休暇の取得促進、業務効率化による生産性向上を目指す取り組みを全社・各部門で行っています。
現在は、特に組織風土や意識面への働きかけ、生産性向上の面ではインフラ・ITツールの活用、業務ルールやプロセスの見直しなど、さまざまな観点からの取り組みを行っています。
仕事と生活の両立支援
これまで、出産する女性社員の多くが育児休業を取得した後に職場復帰をはたすなど一定の成果をあげており、女性社員だけでなく男性社員も育児休業や配偶者出産休暇を取得することで育児に参加しやすいよう制度拡充を進めています。
また、ワーク&ライフに関する各種両立支援制度やその活用方法などについて紹介するガイドブックをイントラネットに掲載するなど、社員一人ひとりの理解を深める取り組みも実施し、仕事と生活を両立できる職場環境づくりに向けて、さまざまな取り組みを進めています。
さまざまな支援
社員一人ひとりの生活を、さまざまな面からサポートしています。
■ 男性の育児参画促進
男性の育児参画推進を目的とした施策として、「男性育児休業取得比率:100%」を新たに全社目標として掲げ、2022年10月から、子の出生後8週間以内に連続5日以上の出生時育児休業・育児休業取得を必須化しています。また、社員から配偶者の妊娠・出産の申し出があった場合に実施する「配偶者育児サポート面談」や、本人(男性社員)向け、上長向けの「育児応援ガイドブック」など、中長期的により長期の育休を取りやすい職場環境整備のためにさまざまな取り組みを実施しています。
■ ジョブリターン制度
2008年4月から、出産・育児・介護等を理由として、やむを得ず退職した社員が就業可能となった場合(退職後3年以内・海外転居の場合は5年以内)に、会社が本人と面談を行い、原則として退職前の職場で再雇用する「ジョブリターン制度」を導入しています。
■ 配偶者海外赴任等休職制度
2017年4月から、配偶者の海外赴任等を理由とした退職を防ぐことを目的に、社員が配偶者の海外赴任に同行する場合、最長5年間の休職を認める「配偶者海外赴任等休職制度」を導入しています。
■ 託児所
育児をしながら働き続ける社員をサポートするための環境整備の一つとして、2008年3月に横浜地区、同年4月に大阪地区、2009年3月には伊丹地区、2018年には東京本社近郊に託児所を開設し、社員の子どもを49人(2024年3月末時点)預かっています。
その他、当社の託児所を利用できない社員に対しては、会社から託児所利用の補助を行うなどのサポートを行っています。
■ ベビーシッター割引券
こども家庭庁の支援事業である「ベビーシッター割引券」を会社で購入し、ベビーシッターの利用を希望する社員へ無償で配布しています。
■ 保活コンシェルジュ
子どもを保育所に預けるための活動(以下、「保活」)には、 居住地の保育環境や子どもの生まれ月によって活動方法やスケジュールが異なり、さまざまなノウハウが必要です。本制度は、育児休業中の社員が希望する時期にスムーズに職場復帰できるよう支援することを目的に2014年11月に開始し、個々人の事情に応じた保活のノウハウや、保育所関連の情報提供を行っています。
■ 在宅勤務
育児・介護などにより、会社での就業に一定の制約を受ける社員が自宅等で就業できる仕組みとして、2016年度より在宅勤務制度を導入していましたが、柔軟で効率的な働き方の実現、働き方の見直しによる生産性向上等を目的に、2018年10月より対象者を自律性をもって業務を遂行でき、成果を創出できる等の要件を満たす社員に拡大しました。2020年以降、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止と事業継続の両立の観点から適用していた特別措置(時限的な要件緩和)は2023年3月末を以て撤廃し、本来の趣旨である生産性向上・成果創出を念頭においた運用へと切り替えました。具体的には月5回を利用目安としつつ、月間就労日の半数を超えない範囲であれば上長裁量、月間就労日の半数を超える場合でも部門長承認を以て実施可能としています。在宅勤務と出社のハイブリッドな活用により、一層、効果的かつ効率的な事業運営を推進していきます。
■ ボランティア休暇制度
会社が認めたボランティア活動を行う場合に、年間10日を限度に取得できます。地域の少年スポーツの指導や合宿・試合の引率など社会に貢献するさまざまな活動の際に活用されています。
■ 出産育児サポートプログラム
出産・育児期は、本人と上司の間できめ細やかな「対話」を行うことが特に重要になります。2015年度から、「妊娠がわかったとき」「産休1カ月前」「育休復帰前」「育休復帰2カ月後」の各タイミングで本人と上司が対話を行うことを制度化しており、2019年度にはキャリアを見据えた対話促進の観点から「育休復帰6カ月後」での対話を追加し、本人のスムーズな職場復帰や育休復帰後の活躍を支援しています。
■ 外国人社員サポートプロジェクト
外国人社員の働きやすい環境を整備するため、2017年以降、日本語、英語、中国語で対応可能なサポート窓口を設置するとともに、勤務管理や出張旅費などのシステムの日英2カ国語化、給与明細や社内規則の英語文書の発行、主要拠点での祈祷室設置など、さまざまな取り組みを実施しています。
実績
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社外からの評価
「プラチナくるみん」認定
「プラチナくるみん」とは、次代の社会を担う子どもたちの健全な育成を支援するため、社員の子育て支援に積極的に取り組む企業のなかでも、より高い水準の取組みを行っている企業を、厚生労働大臣が認定する制度です。当社は2019年6月に認定を受けました。