人材育成

基本的な考え方

求める人材像

住友電工が求める人材像は「住友事業精神を堅持し、会社の経営方針を理解し、基本に忠実で高度な技術・知識を有し、グローバルに通用する人材」と定義しています。これを目指し、「一人ひとりの自己啓発」と「職場上司の指導と対話」を基本に各種研修で支援します。

人材育成の基本的な考え方

当社グループの人材育成の基本的な考え方は、「一人ひとりの自己啓発への強い意欲」と「職場上司の指導と対話」にあります。「目標管理・キャリア対話」、「業務遂行(OJT)」、「人事評価・ローテーション」のサイクルを、「研修・教育(SEIユニバーシティ)」が支援し、会社目標の達成を通じて個々人の人材価値の向上を図っていきます。
研修・教育においては、「部門内研修」とコーポレートスタッフ部門が提供する「全社研修」が両輪となり、「自己啓発」と「上司の指導・対話」を強力に支えるとともに企業理念・経営戦略に沿った人材育成の実現を目指します。

人材育成-1
人材育成

人材育成の体制・制度

SEIユニバーシティ


「SEIユニバーシティ」は当社グループの研修体系の総称です。
会社の目標の達成、Glorious Excellent Companyの実現に向けて幅広い領域にわたってさまざまな研修を実施しています。

SEIユニバーシティ基本理念

■住友電工グループとしての企業理念浸透の場
■住友電工グループとしての経営戦略・ビジョン共有の場
■グローバルに通用するために必須の能力・技能・知識向上の場

Ikoma Seminar House
生駒セミナーハウス

主な研修制度

SEIユニバーシティでは、「ヒューマンスキル」「課題解決力」「テクニカルスキル」の3つの分野で、経営幹部から新入社員までの全グループ社員に対して階層別に受講を必修とするものを含めて300を超える研修プログラム(共通研修)を提供しています。また、各社・各部門では、テクニカルスキルのうち自社・自部門で特に必要とされる固有の知識・スキルの習得のために「各社固有研修(専門知識)」を実施しています。
また、全社員必須の教育として、次の項目を基礎5科目とし、各研修に織り込んで実施しています。

(1)事業精神・経営理念・CSR
(2)経営方針・ビジョン
(3)コンプライアンス
(4)SEQCDD*
(5)ダイバーシティ

なかでも住友事業精神については社員が業務を遂行するにあたっての根幹を成すものと位置づけています。当社では新入社員研修や各種階層別研修において学ぶ機会を設けているほか、コンプライアンスや人権に関する研修においても常に事業精神との関係を伝えています。
また、社長自ら、半期に一度、メッセージ動画を通じて、住友事業精神に則って職務を遂行するよう全ての社員に要望していますが、その動画を多言語に翻訳し国内外グループ会社にも配信しています。
さらに、海外赴任前には、現地において自分の言葉で事業精神を伝えることができるよう研修を実施すると同時に、国内外グループ会社においても、定期的に事業精神を学ぶことができるよう社内講師の育成などを進めています。

*SEQCDD:住友電工グループ事業活動の基本要素で、S:安全、E:環境、Q:品質、C:コスト、D:物流、納期、D:研究開発を意味する。

研修風景
研修風景
研修風景

グローバル共通ナレッジ&スキル(GCK)プロジェクト


変化の激しい経営環境において社員の能力開発の重要性が一層高まっていると同時に、企業のガバナンス強化のため社員に徹底すべき事項も多岐にわたっています。その状況を踏まえ、グローバルに徹底すべき内容を明確化するとともに、国内外グループ会社が、それぞれの課題に対応して、導入すべき研修を従来以上に理解し、優先順位づけするための指標として、SEIユニバーシティ設立当初から培ってきた研修コンテンツやノウハウを整理・統合し、「グローバ ル共通ナレッジ&スキル(Global Common Knowledge and skills: GCK)」として体系的に示しています。今後も、GCKに基づき、場所を選ばず学習可能なオンライン教材を中心に当社グループのグローバル共通コンテンツを開発・提供するとともに、外部の優良教材も活用しながら人材育成に取り組んでいきます。新型コロナウイルス感染症の拡大により、従来のような集合研修の開催は困難になりましたが、GCKの取り組みを通じe-ラーニングコンテンツの充実やリモート形式による研修開催を急速に推進・展開し、特に当社グループ会社における教育時間は、コロナ禍以前と比較して増加傾向にあります。

GCK体系図
GCK体系図

キャリア対話の推進


社員一人ひとりの成長のためには、自身の価値観・やり甲斐といった内的キャリアをベースに社員それぞれがキャリアビジョンを描き、その実現に取り組むことが必要です。自己啓発に積極的に取り組むとともに、OJTで培った能力を活かして、より困難な仕事にチャレンジすることで、能力向上につなげることができます。住友電工では、一人ひとりが仕事を通じて必要な能力を高めることが、当社の成長・発展にもつながる、Win-Winの関係になることを目指しており、そのための支援を行っています。以前から年間の業務目標立案時に、上長と部下との間でキャリア対話を行う制度を運用していますが、対話の大切さと具体的な対話の進め方を理解するために、上長向けに「キャリア対話の進め方研修」を実施しています。
また、マネジャー層への昇進者、45歳、55歳など節目を迎えた社員に対して、それぞれの立場・年齢に応じたキャリア研修も実施しており、希望者には研修後に社内キャリアコンサルタントによるキャリア相談の場も提供しています。  

グローバル展開


当社グループ全体の人材育成を推進するため、国内グループ会社社員の住友電工主催研修への参加機会を設けています。新入社員研修、昇進者向け研修、階層別研修、キャリア入社者研修などへの国内グループ会社社員の参加者は年々増加しています。
また、各グループ会社における研修運営が難しいケースなどは、住友電工本体から社内講師を派遣して、必要な研修を各社で実施しています。
一方、海外グループ会社に対しては、現地ニーズに応じた人材育成推進のため、国ごとの人事マネジャー会議にて、定期的に各種研修(一般層向け中心)の企画・運営を議論しているほか、国内外の人事・人材開発に関わるメンバーと当社グループにおける人材育成の課題やグローバル共通研修について議論しています。また国内外共通で各マネジャー層を対象に次のような研修プログラムを運営しています。  

グループグローバル展開
グループグローバル展開

世界共通研修プログラム概要

経営幹部研修
経営幹部研修

経営幹部研修
対象:Executive
実際の経営課題にチームで取り組む実践型のプログラム

アクションラーニングに加え、住友事業精神の深い理解、経営的知識の習得などを通じて、経営幹部を育成します。2010年度からは、Global Leadership Development Program(GLP)の卒業生を中心に海外からも参加しています。アクションラーニングで出された有益な提案は、実際の経営に活かされ、実現されていきます。

Global Leadership Development Program (GLP)
Global Leadership Development Program (GLP)

Global Leadership Development Program (GLP)
対象:General Manager
グローバル・リーダーシップ開発プログラム

国内外の住友電工グループ各社の幹部社員を日本に招聘し、経営幹部講話や、リーダーシップ・ワークショップ、住友事業精神の理解などを踏まえ、グローバルなリーダーシップを発揮できる人材を育てています。

SEG Management Program based on the Sumitomo Spirit (MPSS)
SEG Management Program based on the Sumitomo Spirit (MPSS)

SEG Management Program based on the Sumitomo Spirit (MPSS)
対象:マネジャー
住友事業精神に基づくマネジメントプログラム

海外関係会社各社の中核となるマネジャー層に対し、住友事業精神の共有・浸透と、部下に対するマネジメントスキルの向上を目的とした研修です。毎年、欧州、北米、中国(華東地区、華南地区)、東南アジア、メキシコの6地域で開催しています。

人材育成

研修実績

人材育成

モノづくり人材育成

テクニカルトレーニングセンター
テクニカルトレーニングセンター

モノづくり人材育成の基本的な考え方

住友電工グループの「モノづくり」人材育成をめざした研修は、テクニカルトレーニングセンター(2008年10月、伊丹製作所内に設立)を核として行っています。「モノづくりは人づくり」との基本的な考え方に立脚し、「強い工場」を支えるモノづくり人材育成を目指して ①モノづくり基礎教育 ②実践教育 ③技術研修生教育の3本柱で推進しています。

モノづくり基礎教育

実機・現物に触れながら体得することを基本に、“SEQCDD"のモノづくり基礎から当社グループの固有技術・技能、設備・保全技術などの最新技術に対応した各種カリキュラムを揃えて実施しており、受講者も年々増加しています。さらに、海外でも基本的な知識や設備保全に関する研修を中国・東南アジアで定期的に開催しています。
また、モノづくりの中核を担う「強い工場長」(製造課長相当)の育成を狙った工場長育成プログラムを実施しています。工場長補佐に対し6日間の研修で工場長に必要な考え方や知識を先行習得させたうえで、実務を通じて理解を深化させる機会を提供します。その後、工場長に就任した際は工場長研修(2日間)を受講します。さらに定期的に工場長交流会に参加し「強い工場」の実現を目指します。毎年20~30人程度を育成予定で、将来の海外製造部門長の育成も担っています。

実践教育

モノづくり革新を担うキーパーソン育成と“SEQCDD"体質強化を目指したプログラムで、「モノづくり革新プロ(MKP)・実践道場」「現場改善プロ(GKP)・実践道場」の2研修を開催しています。各部門の重要課題をテーマとして、研修生がテーマ部門に赴いて課題・問題解決に向けた実践的な活動を行っています。

テクニカルアカデミー
テクニカルアカデミー

技術研修生教育

生産や開発の現場で業務に従事する技能系の新入社員である「技術研修生」に対して、社会人としての基礎的なマナーや心構えから、製造業で働く社員としての必須知識を習得させ、さらには先進的な技術内容に触れる機会も取り入れた教育を行っています。2022年春には伊丹製作所北側の研修建屋からテクニカルトレーニングセンターに隣接した新建屋(テクニカルアカデミー)に移転し、最新設備の活用など質の高い教育を行っています。