水資源管理
基本的な考え方・体制・目標は環境マネジメントをご参照ください。
環境指標の実績はCSRブック(ESGデータ)をご参照ください。
取組み・実績
近年、水資源の問題は操業に大きな影響を与えうるリスクの一つとして顕在化してきており、住友電工グループも投資家やお客様からその対応を求められています。水に関する課題には、供給量の不足だけでなく、水質の悪化、洪水被害、行政による規制強化、周辺地域社会との関係などがあります。
当社グループでは、これらの課題の把握と対策に取り組んでいます。2017年度に水リスク対策の活動指針を「当社グループ全体で組織化して、水リスクの有無を世界各地の製造拠点自身で現状把握し、課題を抽出して対策の取組み計画を立てること」と定めました。
2018年1月に各事業部や関係会社から委員を募って「水リスクワーキンググループ」を発足し、推進体制を整えました。水リスクワーキンググループは地球環境推進責任者会議に対する技術的支援活動を行う専門委員会の一つである省資源リサイクル分科会の下部組織として、年2回開催しています。2024年度の重点活動は2023年度と同様に、水リスクの高い拠点と対話し、水リスク要因の特定と対策を進めること及び水リスクに対する長期的なビジョンの検討です。
〈水使用量(取水量)の削減〉
水に関する課題の一つである供給量の不足に対応するため、当社グループでは、2008年度から水使用量削減目標として売上高原単位の年1%低減に取り組んでいます。削減活動を通して事業所内におけるわずかな漏水を早期に発見して対処することや、これまで放流していた排水の再利用を検討するなど、取水量の削減を進めています。
2024年度の水使用量(取水量)は基準年度とほぼ同等であったものの、売上高が増加した影響により売上高原単位低減率は14.8%となり、目標の2%を超過達成しました。
水源別の取水量では、市水から84%、地下水から16%となっています。また排水先別の排水量としては下水道72%、河川19%、海8%、その他1%となっています。右表の水源別取水量及び排水先別排水量の比率は2023年度とほとんど変化はありませんでした。
〈グローバルな水リスクの評価〉
当社グループでは、国内外の製造拠点について、水リスクの評価ツールであるAqueduct*を利用して、水量、水質、現地法令による規制、周辺社会との関連等の計13のリスク項目を5段階で評価してきました。
2024年度は2023年度と同様、洪水及び渇水にフォーカスし、リスク重要課題拠点を特定しました。その方法は、Aqueductの河川洪水、沿岸洪水、水枯渇、干ばつの4項目のリスク5段階評価を用いて、各拠点の洪水及び渇水のリスクポイントを算出した後、各拠点を「水リスク発生確率」(洪水・渇水リスクポイント)と「リスク発生時の影響の大きさ」(売上高あるいは水使用量)の両軸で評価し、マトリックスのレッドゾーンを重要課題拠点とするものです。
その結果、洪水重要課題拠点は5拠点で変わらず、水使用量削減の影響で渇水重要課題拠点は2拠点から1拠点に減少しました。なお、Aqueductが水ストレスのデータを2019年以来4年ぶりに更新したことに伴い、「Extremely High地域」の当社拠点数は2019年度の12拠点に対し、2024年度は34拠点に増加しており、その取水量は1,202千m3(全体取水量の8%)となっています。上記拠点の一部ではすでに節水や水のリサイクルを実施していますが、今後その取組みを加速していきます。
* Aqueduct:WRI(世界資源研究所)が開発した、世界各地域の水リスクを評価するためのツール。世界地図上に拠点の位置をプロットして、5段階に数値評価を知ることができる
〈水リスク対応の活動展開〉
国土交通省のデータベース「わがまちハザードマップ」とMS&ADインターリスク総研㈱が公開している「洪水リスクファインダー」のハザードマップを併用して、国内拠点の最大浸水深を調査しました。その結果、最大浸水深0.5m以上の国内洪水重要課題拠点数は15拠点から17拠点に増加しました。国内洪水重要課題拠点に対して、(1)ハザードマップの周知、(2)防災体制・浸水防止対策、(3)有害物質の流出防止対策、(4)事業継続計画(BCP)、(5)過去の被害状況などの詳細調査を実施し、緊急的な改善を要する事項がないことを確認しています。
また、「洪水リスクファインダー」のハザードマップを使用して海外拠点の最大浸水深を調査した結果、最大浸水深0.5m以上の海外洪水重要課題拠点数は25拠点となりました。海外洪水重要課題拠点に対しても、国内洪水重要課題拠点と同様上述の(1)~(5)を実施する予定です。