ゴムキャブタイヤケーブル
ゴムキャブタイヤケーブル「2PNCT」「3PNCT」等
屋外での配線やクレーン・ホイスト等の産業機械の移動用配線として用いられるキャブタイヤケーブルで、絶縁体にエチレンプロピレンゴム(EPゴム)、シースにクロロプレンゴム(ネオプレンゴム:NRゴム)を使用しています。
一般的な移動用途で使用される2PNCTや3PNCTの他に、大型産業機械やクレーンなど過酷な使用環境で使用される特殊移動用のF-2PNCTやF-2PNCT補強形等、垂直トレイ試験(IEEE Std.383:1974)に合格する高難燃仕様のSFタイプ等、使用用途や環境に適したキャブタイヤケーブルをご提案します。
ゴムキャブタイヤケーブルの種類と構造
構造(補強度)による分類
| 型式 | 1種 | 2種 | 3種 |
|---|---|---|---|
| 構造・用途 |
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| 断面図 | ![]() |
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絶縁体・シース材料による分類
| 種類 | 天然ゴム絶縁 天然ゴム キャブタイヤケーブル |
天然ゴム絶縁 クロロプレン キャブタイヤケーブル |
EPゴム絶縁 クロロプレン キャブタイヤケーブル |
EPゴム絶縁 耐燃性エチレンゴム キャブタイヤケーブル |
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|---|---|---|---|---|---|
| 記号 | CT | RNCT | PNCT | PPCT | |
| 仕様 | JIS C 3327 | JIS C 3327 | JIS C 3327 | JCS 4511 | |
| 構成材料 | 絶縁体 | 天然ゴム | 天然ゴム | EPゴム | EPゴム |
| シース | 天然ゴム | クロロプレンゴム | クロロプレンゴム | 耐燃性エチレンゴム | |
| 特長 |
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特殊移動用キャブタイヤケーブル
大型の産業用機械(クレーンなど)で用いられる場合のように繰り返しの屈曲、捻回、張力又はしごきなどより厳しい条件で使用される場合は、特殊移動用キャブタイヤケーブルのご使用を推奨します。ケーブルは介在形であることが構造上の大きな特長で、介在(Filler)の頭文字の“F”をとり、“特殊移動用”の総称としてFタイプと呼んでいます。
特殊移動用キャブタイヤケーブルの種類と構造
構造による分類
| 品名 | F-2PNCT | F-2PNCT 補強形 | F-3PNCT |
|---|---|---|---|
| 構造・用途 |
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| 断面図 | ![]() |
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※屈曲、捻回、張力又はしごきなどの力を苛酷に受ける場合は、下記特別仕様の特殊移動用キャブタイヤケーブルが適しています。
用途による特別仕様
| 仕様 | 主な用途 | 特長 |
|---|---|---|
| 充実形 | 苛酷なしごきを受ける、垂直リール方式等 (苛酷なしごきを受ける場合、介在形ですと座屈が発生しやすくなります。) |
介在をゴム充実とし、苛酷なしごきに耐える |
| 鋼線入 | 19.6N/単位導体断面積以上の張力を受けるリール巻取方式等 (29.4N/単位導体断面積以上の張力を受ける場合はご相談下さい。) |
導体に鋼線を撚り込み、耐張力性に優れる |
| 耐屈曲 | 苛酷な屈曲を受ける、移動速度の速い(100m/分以上)カーテン方式等 (耐屈曲タイプは、捻回を受ける用途には使用しないで下さい。) |
線心の撚りピッチを細かくし、苛酷な屈曲に耐える |
| 耐捻回 | 苛酷な捻回を受ける、捻回量の大きい(45°/m以上)移動方式やバケット方式等 | 撚合せ上に綿糸編組を施し、苛酷な捻回に耐える |
ケーブル選定表
| 使用方式 | ケーブルが 受ける力 |
F-2PNCT | F-2PNCT 補強形 F-3PNCT |
充実形 F-2PNCT 補強形 |
鋼線入 F-2PNCT 補強形 |
鋼線入充実形 F-2PNCT 補強形 |
耐屈曲 F-2PNCT |
耐捻回 F-2PNCT |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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屈曲 | ◎ | ◎ | ◯ | ― | ― | ― | ◎※1 | ― |
| 捻回 | ― | ||||||||
| 張力 | ― | ||||||||
| しごき | ― | ||||||||
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屈曲 | ― | ◎ | ◯ | ― | ― | ― | ― | ― |
| 捻回 | ◯ | ||||||||
| 張力 | ― | ||||||||
| しごき | ― | ||||||||
![]() |
屈曲 | ◯ | ― | ◎ | ◯ | ◎※2 | ◯ | ― | ― |
| 捻回 | ◯ | ||||||||
| 張力 | ◎ | ||||||||
| しごき | ◯ | ||||||||
![]() |
屈曲 | ◯ | ― | ― | ◎ | ― | ◎※2 | ― | ― |
| 捻回 | ◯ | ||||||||
| 張力 | ◎ | ||||||||
| しごき | ◎ | ||||||||
![]() |
屈曲 | ◯ | ◎※3 | ◎ | ― | ― | ― | ― | ― |
| 捻回 | ◯ | ||||||||
| 張力 | ― | ||||||||
| しごき | ◯ | ||||||||
![]() |
屈曲 | ― | ◎ | ◯ | ― | ― | ― | ― | ◎※4 |
| 捻回 | ◎ | ||||||||
| 張力 | ― | ||||||||
| しごき | ― | ||||||||
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屈曲 | ◯ | ◎ | ― | ― | ― | ― | ― | ◎※5 |
| 捻回 | ◎ | ||||||||
| 張力 | ◯ | ||||||||
| しごき | ― | ||||||||
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屈曲 | ◯ | ◯ | ◎ | ― | ◎ | ― | ― | ― |
| 捻回 | ― | ||||||||
| 張力 | ◯ | ||||||||
| しごき | ◯ | ||||||||
◎:推奨 ○:可(要相談) ―:不適
※1:5.5mm2以下で、移動速度が100m/分以上の場合
※2:ケーブルに掛かる張力が、導体断面積×心数×19.6N/mm2以上の場合
※3:シースの摩耗が軽微な場合
※4:5.5mm2以下で、捻回量が±45°/m以上の場合
※5:5.5mm2以下で、特に捻回を過酷に受ける場合
特殊仕様ケーブル
| 仕様 | 品名(例) | 主な用途 | 特長 |
|---|---|---|---|
| 遮へい付 | 2PNCT-SB | ノイズ対策が必要な場合 | 撚合せ上又は絶縁体上に遮へい編組を施す |
| エコタイプ | EM-2PPCT | 官公庁向けなど、環境配慮型のケーブルが必要な場合 | ノンハロゲン、低発煙 傾斜燃焼試験(JIS C 3005)に合格する |
| 高難燃 | SF-2PNCT | 火力発電所、原子力発電所など、延焼防止措置が必要な場合 | 垂直トレイ燃焼試験(IEEE383-1974)に合格する |
※各種ケーブルは2種補強形、3種、Fタイプが可能ですのでご相談下さい。
高難燃キャブタイヤケーブル
高難燃キャブタイヤケーブルは、垂直トレイ燃焼試験(IEEE Std.383:1974)に合格する、難燃性に優れたクロロプレンキャブタイヤケーブルです。(標準品はJIS水平難燃合格レベル)延焼しにくいため、防災用のキャブタイヤケーブルとして最適です。
高難燃キャブタイヤケーブルの特長
高難燃キャブタイヤケーブルの構造上の特長
高難燃キャブタイヤケーブルは、シース材に特殊なクロロプレンゴムを使用しています。シース以外の導体構成、絶縁体等は標準品と同様としておりますので、構造寸法、許容電流値に変更はありません。
| 型番 | 2PNCT(標準仕様) | SF-2PNCT(高難燃仕様) | |
|---|---|---|---|
| 断面図 | ![]() |
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ケーブルの難燃性
| 燃焼試験 | 試料形態 | 適用規格 | 適用ケーブル(例) |
|---|---|---|---|
| 垂直トレイ燃焼試験 | 完成品・多条 | IEEE Std.383:1974 | SF-2PNCT、SF-3PNCT |
| 60°傾斜燃焼試験 | 完成品・1条 | JIS C 3005 | EM-2PPCT、VCT、KIP、EM-WCCT |
| 水平燃焼試験 | 完成品・1条 | JIS C 3005 | 2PNCT、3PNCT、WNCT |
| 鉄道車両用材料燃焼試験 | 材料単体 | 鉄道に関する技術上の基準を定める省令 | EM-LFC、スーパーフレックスケーブル |
高難燃キャブタイヤケーブルの種類
高難燃キャブタイヤケーブル(SF-)の種類には、高圧(3300V、6600V)および低圧の2種、3種、特殊移動用があります。(一部品種を除く)
垂直トレイ燃焼試験
| 準拠規格 | IEEE Std.383:1974 |
| 試験概要 | ケーブル外径の1/2の間隔で布設幅が150mm以上となるように、垂直に設置されたはしご状のトレイにケーブルを布設(2.4m×規定本数)し、トレイの下方600mmから規定のリボンバーナにより、ケーブルを20分間燃焼させる。 |
|---|---|
| 合格基準 | ケーブルの上端(燃焼距離1800mm)まで延焼しないこと |
燃焼試験状況
F-2PNCT 4×3.5mm2(外径14.8mm)ケーブル本数8本
高難燃キャブタイヤケーブルの適応例
•発電施設の仮設電源用
•炉周りや溶接機の周りなど、火の粉のかかる設備
•その他延焼防止措置が必要な配線
ゴムキャブタイヤケーブルの仕様詳細
標準仕様書
導入事例
株式会社鶴見製作所 様
当社のキャブタイヤケーブルは水中ポンプを駆動するモーターへの電力供給用として多数採用実績があります。水中ポンプにおいて求められる要素の一つが完璧な止水性であり、内部に水の流入を許さないパッキン加工に極めて重要なのがケーブルの外径精度。止水性実現のために、水中ポンプメーカー様のシビアな要求に応え、国内最大級口径のコラム式水中軸流ポンプにもご採用いただいております。
製品情報
住友電工のキャブタイヤケーブルに関する詳しい情報は次をご覧下さい。
エコキャブタイヤケーブル「EM-2PPCT」「EM-3PPCT」等
絶縁体およびシースに環境に優しいゴムを使用しています。一般のゴムキャブタイヤケーブルに比べ、燃焼しにくく(60℃傾斜試験合格)、火災・燃焼時に塩化水素ガスなどの有毒ガスが発生せず、煙の発生量が少ないという特長があります。
ビニルキャブタイヤコード・ケーブル「VCTF」「VCT」等
絶縁体およびシースにビニルを使用しています。ゴムキャブタイヤケーブルに比べ軽易な用途で使用されます。
高強度アルミ導体溶接用ケーブル「AL-EM-WCCT」
導体に高強度アルミをシースに環境配慮型の材料を使用した溶接用ケーブルです。従来の溶接用ケーブルに比べ50%以上の軽量化により、ケーブル作業の負担を軽減できます。












