21 May 2026
ドイツで約3600億円の直流XLPEケーブルプロジェクト受注~EPC新会社をドイツに設立、現地生産とEPC体制でエネルギー転換を加速~
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)の子会社であるSumitomo Electric Power Cable (Europe) GmbH(本社:デュッセルドルフ、社長:武藤 悟史、以下「SEP-E」)は、ドイツ送電事業者Amprion GmbH(アンプリオン、以下「Amprion社」)(本社:ドルトムント、CEO:クリストフ・ミュラー)より、525kV高圧直流(HVDC)XLPEケーブルの大型プロジェクト「DC35」を受注しました。契約金額は約20億ユーロ(約3,600億円)で、当社グループが受注する単一案件として過去最大となります。受注契約の調印式は5月20日にドルトムントで執り行い、完工は2032年を予定しています。
本プロジェクトは定格容量2GW、ルート長530kmの大型案件であり、「ライン・マイン・リンク」送電プロジェクトの一部を構成します。北海およびバルト海の洋上風力発電所、およびドイツ北部(ラシュテーデ)の陸上風力発電所から、ライン・マイン地域(マルクスヘイム)の需要地へ電力を供給します。
当社はAmprion社より、2020年に世界初の525kV HVDC XLPEケーブルプロジェクト「A-Nord*1」を、2024年に「Korridor B V49*2」を受注しており、独自に開発したXLPE絶縁技術*3や10年以上の安全運転実績などが高く評価され、今回の正式受注に至りました。本件を含む3件の受注総額は5,500億円以上となります。
本プロジェクトでは、当社として初めてSF₆ガスを使用しない直流XLPEケーブル用端末を採用し、EUの温室効果ガス排出量削減および2050年ネットゼロ目標の達成に貢献します。使用される電力ケーブル(直流2本、中性線1本の3本、総延長約1590km)は、当社の現地子会社Südkabel社マンハイム工場で全量を製造予定です。ドイツ国内での生産により輸送を効率化し、CO2排出量の抑制にも寄与します。
SEP‑Eは、欧州市場向け電力ケーブル案件の設計・調達・建設(EPC)および営業機能を強化するため、本年2月に新設しました。2024年に子会社化したSüdkabel社の製造能力と連携した現地一体の体制により、品質・納期・プロジェクトマネジメントの最適化を図り、ドイツをはじめ欧州大陸での事業拡大とともに地域経済・雇用にも貢献していきます。また、Südkabel社では約90百万ユーロの増産投資を進めています。データセンター建設・拡張や脱炭素化の進展により、電力ケーブル需要は今後も大幅な増加が見込まれます。当社は受注済みプロジェクトと併せて本件の履行を着実に進め、欧州全体の送電インフラ強化と脱炭素に貢献していきます。
■当社常務取締役 白山正樹 コメント
Amprion社からA-Nord、Korridor B V49各プロジェクトに続き三件目の正式受注に至り、大変光栄です。独Südkabel社にて全てのケーブルを製造する事に加え、現地にEPC拠点を設立する事によって、さらに地元に密着した長期的な対応ができるようになりました。今後さらにAmprion社とのパートナーシップを強化し、ドイツの送電網建設へ貢献するとともに、英国で建設中の海底電力ケーブル工場と併せて欧州での電力ケーブル事業拡大に取り組みます。また、これらの戦略的な事業投資を通じ、欧州のエネルギー安全保障、ネットゼロの早期達成並びに現地経済へ貢献して参ります
■Amprion社 CTO ヘンドリック・ノイマン氏 コメント
DC35を通じて、私たちはドイツのエネルギー転換に決定的な貢献を果たしています。ライン・マイン・リンクの中核をなすこのプロジェクトは、将来の送電網の基幹を強化するものです。住友電気工業は重要な技術パートナーとして、実績のある525kV直流XLPE技術、革新的なSF₆ガスフリーのケーブル端末、そしてドイツ国内での生産能力の拡大を提供しています。私たちは共に、強靭で将来を見据えた送電網を構築するとともに、イノベーション、気候保護、そしてドイツの産業拠点としての地位に対する明確なコミットメントを示しています。
■Amprion社概要
欧州を代表する送電系統運用事業者。北海からアルプス山脈に至る全長11,000キロメートルの超高圧送電網は、7つの連邦州にまたがり、2,900万人の人々に電力を供給するドイツ経済の基幹を成すものです。欧州の中心に位置する同送電網は、欧州の電力取引ハブとしての役割も果たしています。2025年12月31日現在、Amprion社の従業員数は3,400名、気候中立な未来に向けて送電網を整えること、そしてこの重要な時期にドイツおよび欧州の電力網の安定性を維持するという核心的な目標を支えています。
■SEP-E社概要
| 社名 | Sumitomo Electric Power Cable (Europe) GmbH |
|---|---|
| 本社所在地 | ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州 デュッセルドルフ市 |
| 設立 | 2026年2月 |
| 事業内容 | 超高圧ケーブルプロジェクトの設計・調達・履行(EPC)業務と、その営業活動 |
| 従業員数 | 約45名(26年9月時点見込) |
■Südkabel社概要
| 社名 | Südkabel GmbH |
|---|---|
| 本社所在地 | ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 マンハイム市 |
| 設立 | 1898年 |
| 事業内容 | 高圧電力ケーブル・機器製造・施工、及び販売 |
| 従業員数 | 約340名 |
*1 A-Nordプロジェクト
2020年に当社がAmprion社より受注した525kV HVDC XLPEケーブルプロジェクト
・参考:プレスリリース
欧州向け±525kV 高圧直流ケーブルシステムを受注
https://sumitomoelectric.com/jp/press/2020/05/prs043
*2 Korridor B V49プロジェクト
2024年に当社がAmprion社より受注した525kV HVDC XLPEケーブルプロジェクト
・参考:プレスリリース
ドイツ送電会社向け大型直流XLPEケーブルプロジェクト受注 陸上ケーブルメーカーSüdkabel社を買収
https://sumitomoelectric.com/jp/press/2024/06/prs063
*3 当社が独自に開発したXLPE絶縁技術
導体温度90℃までの商用運転、並びに極性反転が可能。