06 June 2024

ドイツ送電会社向け大型直流XLPEケーブルプロジェクト受注 陸上ケーブルメーカーSüdkabel社を買収

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 「当社」)は、ドイツ送電事業者Amprion社(アンプリオン)(本社:ドルトムント、CEO:ハンス・ユルゲン・ブリック)から、525kV高圧直流(HVDC)XLPEケーブルプロジェクト「Korridor B V49」を受注、また同社の連系線プロジェクト「Rhein Main Link(ライン マイン リンク)」の一部のケーブル供給について優先交渉契約を締結しました。
本契約に伴い、ドイツ国内に製造拠点を確保するため、陸上ケーブルメーカーSüdkabel社(ズートカーベル)(本社:マンハイム)の株式90%を取得し、本年10月1日(予定)に子会社とすることをお知らせします。


Korridor B V49とRhein Main Link(一部)の受注総額は30億ユーロ(約5,000億円)を超える大型プロジェクトであり、ともにケーブルはSüdkabel社の工場での製造を予定しています。今回、受注契約および株式取得の調印式を、6月5日にベルリンにて行いました。

調印式
調印式
調印式のようす

当社は2020年にAmprion社から独北部EmdenとOsterath (Dusseldorf西部)を結ぶ、世界初の525kV HVDC XLPEケーブルプロジェクト「A-Nord*1」を受注し、本プロジェクトの一部のケーブル製造をSüdkabel社に委託しています。

Korridor B V49はWilhelmshavenと Hammを結ぶルート長約300㎞、Rhein Main Linkはルート長約650㎞のプロジェクトとなる予定です。両案件ともに、北海の各種洋上風力電源から主需要地であるドイツ南部への送電を担い、完工時期は2033年予定です。

地図


本プロジェクトに使われる525kV高圧直流(HVDC) XLPEケーブルは、全量をSüdkabel社マンハイム工場で製造する予定です。

今回、上記案件の受注に伴い、約90百万ユーロ(約150億円)の増産投資を決定しました。今後、Südkabel社の株式を100%保有するWilms Groupから株式を90%取得し、Wilms Groupと出資比率に応じたSüdkabel社への増資引受(総額30百万ユーロ、約50億円)を行っていきます。なお、買収の手続完了は、関係当局の承認等を条件として、本年10月1日を予定しています。
ドイツのエネルギー転換に必要な高圧直流 XLPEケーブルを現地製造することで、地元経済および雇用にも貢献します。

■当社常務取締役 白山正樹 コメント
Amprion社からA-Nordプロジェクトに続き、大型案件2件のパートナーに選定いただたき、大変光栄です。今回、高圧ケーブルでの実績が豊富な独Südkabel社への出資により、さらに地元に密着した長期的な対応ができるようになりました。今後さらに同社とのパートナーシップを強化し、ドイツの送電網建設へ貢献するとともに、英国で建設中の海底電力ケーブル工場と併せて欧州での電力ケーブル事業拡大に取り組みます。

■Amprion社 CTO ヘンドリック・ノイマン氏 コメント
重要インフラであるKorridor B V49とRhein-Main-Linkの工期通りの建設、ならびにドイツの温暖化対策の実現に向けて、住友電工との2件の契約締結は重要な意味を持ちます。住友電工のドイツにおける大規模な製造能力増強を当社は歓迎します。この投資はドイツにとって大きな付加価値を持つだけでなく、現地製造による製品輸送の短縮化は温暖化防止に向けた重要なソリューションとなります。

■ドイツ連邦経済・気候保護省政務次官 ミヒャエル・ケルナー政務次官 コメント
送電線路は、エネルギー転換と我々の経済の変革を推進するための重要な要素です。住友電工の投資がドイツにおける高圧直流ケーブルの製造能力を強化することを大いに歓迎します。連邦政府による送電網強化という政策を踏まえ、今回の住友電工による決定がマンハイムにおける雇用、経済成長並びに専門技能の確保に繋がる長期的な投資となる事を期待しています。

■バーデン・ビュルテンベルク州メディアポリシー担当政務次官兼連邦政府への代表
 ルーディ・ホーフヴリート政務次官 コメント

エネルギーインフラの刷新・拡張は今後数年間で取り組むべき重要なタスクです。住友電工とAmprion社のパートナーシップは、国際的な取組みであるとともに、当州、さらに近隣地域において、エネルギー転換が新たなグリーン経済の成長のための鍵となります。


■Amprion社概要
ドイツ送電事業者4社の内の1社。北海からアルプスに至る域内で約11,000kmの超高圧送電網を保有。同域内での経済生産はドイツ全体の3分の1に相当し、ドルトムント他30以上の拠点にて約2,700人の従業員を雇用。

■Südkabel社概要

 社名  Südkabel GmbH
 本社所在地  ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 マンハイム市
 設立  1898年
 資本金  7百万ユーロ (約12億円)
 売上高  2023年実績:約140百万ユーロ (約235億円)
 事業内容  高圧電力ケーブル・機器製造・施工、及び販売
 従業員数  約260名

*1 A-Nordプロジェクト
2020年に当社がAmprion社より初受注した525kV HVDC XLPEケーブルプロジェクト
・参考:プレスリリース
 欧州向け±525kV 高圧直流ケーブルシステムを受注
 https://sei.co.jp/company/press/2020/05/prs043.html
 

プレスリリース

ドイツ送電会社向け大型直流XLPEケーブルプロジェクト受注 陸上ケーブルメーカーSüdkabel社を買収

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