17 July 2025
次世代高速PONに対応する製品を2026年から順次販売開始
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、次世代高速PON(Passive Optical Network)製品の開発を強化します。25G PONに対応する製品を2026年より販売開始し、段階的かつ経済的に将来の50G PONへの移行を可能とする製品を2028年より順次提供予定です。
近年、動画配信やクラウドコンピューティング、IoT機器の急増に伴い、通信トラフィックは著しく増大し、通信ネットワークの重要性がますます高まっています。こうした状況下、PON技術は高速かつ経済的な大容量アクセス手段として、さらなる進化が期待されています。
現在、日本ではIEEE規格*1の1G/10G PONシステムが広く普及しています。当社は、既存のIEEE規格をサポートしながら、ITU-T規格*2のPONにも対応可能なOLT*3製品の開発を進めています。2028年より新OLT製品(IEEE規格の1G/10G対応)の提供を開始し、2030年に新OLT製品に搭載可能なITU-T規格の50G PON回線カード*4を提供する予定です。これにより、既存サービスを継続しながら段階的かつ経済的に50Gサービスへ移行することが可能となります。
また、直近の通信高速化ニーズに応えるため、2026年より当社がシステムインテグレーター*5として、Harmonic Inc.*6製の25GのPON製品を提供します。Harmonic Inc.は北米ブロードバンド市場で豊富な実績を持ち、当社は長年にわたり同社との協業関係を築いてきました。今月24日・25日に開催される、日本最大級のケーブルテレビ業界向け技術展示会「ケーブル技術ショー2025 技術展示会」において、25GのPON装置を参考出展いたします。
当社は、高速・大容量通信を実現する製品をタイムリーに市場に提供し、社会インフラの発展に貢献してまいります。
*1 IEEE規格
米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers)が策定する電気・電子・通信・コンピュータ等の分野における、製品やシステムの技術・品質に関する標準規格。EPON技術を含む。
*2 ITU-T規格
国際電気通信連合・電気通信標準化部門(International Telecommunication Union - Telecommunication Standardization Sector)が策定する通信網の技術・運用方法に関する標準規格。GPONやXGS-PON、50G-PONなどのPON技術を含む。
*3 OLT
Optical Line Terminalの略。事業者のセンター側に設置される装置。光ファイバを通じて複数の加入者側の端末と通信し、上位の通信ネットワークとの接続を確立する。インターネットや電話などのサービスを加入者に提供するための信号制御や通信管理を行う。
*4 回線カード
光ファイバを通じて複数の加入者側の機器と通信を行うための部品。OLTに装着して使用され、1枚のカードで多数の通信回線をまとめて管理可能。
*5 システムインテグレーター
複数の機器やソフトウェアを組み合わせて、利用目的に応じた最適なシステムを設計・構築・導入する事業者。
*6 Harmonic Inc.
Harmonic Inc.は、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く、仮想化ブロードバンドソリューションの世界的リーダーです。市場をリードするcOS™仮想化ブロードバンドプラットフォームとネットワークエッジデバイスのポートフォリオを通じて、次世代のマルチギガビット接続を実現しています。北米、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジアの主要通信事業者向けに、世界中で3,300万台以上のCPEデバイスを通じて、次世代ブロードバンドサービスを提供しています。
Harmonic Inc. 詳細
http://www.harmonicinc.com/broadband
・cOSは、Harmonic Inc.の商標又は登録商標です。
■ご参考
・2025年7月7日 当社プレスリリース
「ケーブル技術ショー2025」に通信・放送機器からAI活用サービス まで、地域課題に応えるトータルソリューションを出展」
https://sumitomoelectric.com/jp/press/2025/07/prs086