15 July 2025

高齢者の生活支援に向けた対話型AIロボット用アプリを開発 ~安心で快適な暮らしのパートナーに~

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、対話型コミュニケーションロボット(以下「対話ロボット」)に搭載する、高齢者の生活を対話で支援するアプリケーション(以下「対話型生活支援アプリ」)を開発しました。本年5月より実証試験を実施中であり、2026年下期からトライアル提供を開始、翌2027年度には商用サービスの本格展開を予定しています。
また、7月24日(木)~25日(金)に東京国際フォーラムで開催される「ケーブル技術ショー2025技術展示会」の当社ブースにてご紹介いたします。


高齢化社会の進展に伴い、独居高齢者の増加や認知症予備群の拡大、介護支援(ヘルパー)人材の不足などの課題が顕在化しています。特に、「孤独」は心理的影響のみならず、健康寿命や認知機能にも深刻な影響を及ぼすことが指摘されています。

当社は「”日常的な会話”を技術によって支える」ために、生成AIを活用した対話ロボットによる高齢者支援の可能性に着目し、介護支援事業者との連携の下、独自の対話型生活支援アプリを開発しました。本アプリは、単なる「話し相手」ではなく、日々の生活を支援する “パートナー”となるための機能を備えており、技術で高齢者と地域社会とをつなぐ新たな ソリューションを提供するものです。  

高齢者の生活支援に向けた対話型AIロボット用アプリを開発~安心で快適な暮らしのパートナーに~
利用イメージ

■対話型生活支援アプリ 主な機能

  1. やさしい自然対話AI

    高齢者の会話スピードや理解度に合わせた対話を実現。季節や地域の話題、テレビ番組など、日常的な雑談が可能。

  2. 介護補助的な支援機能

    服薬リマインダー、週間スケジュール管理、 簡易生活記録の入力など。

  3. 家族・介護者との連携強化

    通知機能や遠隔モニタリングにより、 安心感とサポート性を向上。

■現在の実証試験について
本アプリをNUWA社製「Kebbi Air*」に搭載し、2025年5月より、高齢者宅の実生活における効果などの実証実験を実施しています。利用者からは、会話のしやすさや心の支えとしての価値について好評を得ており、以下の観点から効果測定を進めています。
*:https://www.nuwarobotics.com/ja/

 ・会話頻度・継続時間・話題の多様性
 ・孤独感や安心感など心理的変化
 ・操作性・使いやすさに関するフィードバック
 ・家族・介護者による評価(安心感・見守り性)

■今後の展開
当社は、長年培ってきたセットトップボックスなどの通信機器の開発力と、全国のケーブルテレビ事業者への販売・運用支援で蓄積したネットワークを活かし、対話ロボットを「次世代の生活デバイス」としてテレビと融合させた新しい生活支援サービスや、ケーブルテレビ事業者などでの新規事業化を目指します。

<サービス例>
  (1)  災害時や緊急時の情報伝達を含むライフライン支援
  (2)  遠方の家族からの見守り、会話記録のデータ連携によるケアマネジャーとの連携の高度化
  (3)  テレビやスマートホーム機器との連携による居住空間の安全性向上
  (4)  ケーブルテレビ事業者や行政・自治体などでのサービス支援
      (AIを活用した一次問い合わせ対応など)

現在、高齢者との日常会話による課題の把握・評価を行っていますが、今後は自治体や介護支援事業者との協業による地域支援モデルやシステム連携の構築を視野に入れ、ハードウェアの選定や評価を並行して行いながら、2026年下期にトライアルサービスの提供を予定しています。

当社は今後も、高齢化社会を支える安全・安心なソリューションの提供に取り組んでまいります。

・Kebbi、Kebbi Airは、NUWAロボティクスJAPAN株式会社の商標または登録商標です。



■ご参考
・7月7日 当社プレスリリース
 「ケーブル技術ショー2025」に通信・放送機器からAI活用サービスまで、
    地域課題に応えるトータルソリューションを出展
    https://sumitomoelectric.com/jp/press/2025/07/prs086

プレスリリース

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