15 January 2025
隠岐諸島でレドックスフロー電池システム構築開始~離島のカーボンニュートラル・電力レジリエンス向上に貢献~
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、島根県隠岐郡海士町(あまちょう)(町長:大江 和彦、以下「海士町」)においてレドックスフロー電池(最終規模:出力4,000kW 容量12,500kWh)を活用した蓄電池システムの構築を開始しました。
この蓄電池システムは、中国電力ネットワーク株式会社(本社:広島市中区、社長:長谷川 宏之、以下「中国電力ネットワーク」)、海士町及び交交株式会社(代表取締役:浅井 峰光)の三者が「離島等における再エネ主力化に向けた設備導入等支援事業」(環境省の補助事業)として取り組んでいる事業であり、当社としては、長寿命・高い安全性・環境にやさしい等の特長をもつ当社のレドックスフロー電池ステムを通じ、隠岐諸島におけるカーボンニュートラルの推進や災害等におけるレジリエンス向上に貢献してまいります。
中国電力ネットワーク、海士町及び交交株式会社は、海士町において、三者官民連携体制による脱炭素社会実現に向けた取り組みを一層加速させることとしており、また、災害時には電力供給の独立運用(マイクログリッド)を行うなど、災害に対応できる次世代電力ネットワークを構築することとしています。
この取り組みは、海士町のみに留まらず、送電線、配電線で接続する隠岐諸島全域の再生可能エネルギー導入拡大と災害等におけるレジリエンス向上にも寄与するとされています。
当社のレドックスフロー電池は、長寿命、高い安全性、環境にやさしい等の特長を有しています。ほかの蓄電池システムと比べて、例えば、電解液は不燃性のため、万一の火災に対しても高い安全性を有しており、設置や運用における危険物取扱者の常駐は不要であることから、離島での導入にも適しています。また、長寿命で、20年の運用期間中の電解液等の交換は不要のため、保守費用を抑えることができます。そして、電解液は劣化しないため、運用期間の終了後、リユースやリサイクルが可能であり、廃棄費用も不要です。
これらの特長をご評価いただき、当社のレドックスフロー電池を採用いただいた次第です。
■当社のレドックスフロー電池の主な特長
長寿命・低劣化 | ・電極や電解液の劣化が少なく20年運用可能 ・充放電の繰り返しによる容量劣化は起こらない |
高い安全性 | ・消防法上の危険物に該当せず、行政の設置許可不要 |
環境にやさしい |
・電解液はリユース(再使用)が可能 ・電池構成部材の大部分がリユース・リサイクル可能で 撤去時に産業廃棄物がほとんど発生しない(1%未満) |
(ご参考)
■中国電力ネットワーク株式会社 プレスリリース(2024年09月06日)
海士町および交交株式会社との「カーボンニュートラルに関する連携協定書」締結について
https://www.energia.co.jp/nw/press/assets/press/2024/p20240906.pdf
■ RF電池 Webサイト
https://sumitomoelectric.com/jp/products/redox
■ 住友電工グループ 未来構築マガジン「id」Vol.19
再生可能エネルギーを支える「レドックスフロー電池」が担う使命
https://sumitomoelectric.com/jp/id/project/v19/01