31 January 2024

レドックスフロー電池 「新エネ大賞:新エネルギー財団会長賞」を受賞 ~風力発電導入拡大への貢献で北海道電力ネットワーク株式会社と共同受賞~

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)と北海道電力ネットワーク株式会社(本社:札幌市中央区、以下「北海道電力ネットワーク」)は、「令和5年度 新エネ大賞 新エネルギー財団会長賞」(一般財団法人 新エネルギー財団 主催、経済産業省 後援)を共同受賞しました。
従来、発電事業者が風力発電を設置する際には、発電事業者が電力系統安定化のために個別に蓄電池を併設することが必要とされていましたが、北海道電力ネットワークは、電力系統側に蓄電池を設置する新たなスキームを導入することとして、当社の5.1万kWhレドックスフロー電池(以下「RF電池」)を採用し、系統の安定化とともに、発電事業者の蓄電池設置の負担の軽減を図りました。
このような取組みによる風力発電の導入拡大への貢献が評価され、共同受賞したものです。
当社といたしましては、これからもRF電池を通じ、国内外の再生可能エネルギーの導入拡大に貢献してまいります。


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太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、気象条件によって出力が大きく変動するため、北海道電力ネットワークでは、出力変動が電気の品質に悪影響を及ぼすことがないよう、技術的な検証を進めながら、再生可能エネルギーの連系拡大に取り組まれています。
その取り組みの一環として、従来は風力発電を導入する際、電力系統安定化のため、事業者側で発電設備に蓄電池を併設する必要があったものを、電力系統側に大型の蓄電池を導入することで、事業者の負担を軽減し、再生可能エネルギーの導入拡大を図る目的で、当社のRF電池が採用されました。
2022年4月から北海道電力ネットワークにて運用が開始され、風力発電の系統接続に貢献しています。一般送配電事業者による系統側運用を目的としたRF電池の設置は国内初であり、設備容量5.1万kWh(1.7万kW×3時間)は、RF電池として世界最大級の規模となります。事業期間は設備導入から運用、保守、廃棄までの21年間です。

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■新エネ大賞 事務局による受賞のポイント
本事業は、風力発電の導入拡大を目的に、電力系統側に大型の蓄電池を設置したものである。
系統側に世界最大級のRF電池の導入し、発電事業者側の個別の蓄電池導入を不要とし、系統の安定化に貢献していることが評価された。
現在順調に稼働しており、海外を含めRF電池の展開も進んでいることから、日本独自の技術としてさらなる普及を期待する。

■新エネ大賞について 
新エネルギー等に係る機器の開発、設備等の導入、普及啓発、分散型エネルギーの活用及び地域に根ざした導入の取組みを広く公募し、厳正な審査の上、表彰することを通じて、新エネルギー等の導入の促進を図ることを目的として実施するものです。
https://www.nef.or.jp/award/

(ご参考)
■当社RF電池の特長
当社が納入するRF電池は、電解液中の金属イオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池で、長寿命と高い安全性をはじめとする次の特性を有しています。

(1)環境にやさしく長寿命
原理上、充放電サイクル数が劣化の要因にはならないため、20年以上のシステム耐久性(当社設計寿命)を有します。また、電解液は劣化しないため、半永久的に使用することができ、リユースが可能な環境にやさしい製品です。

(2)高い安全性
不燃・難燃材料で構成しているため火災の可能性が極めて低く安全です。また、充電状態を正確にモニタリングできるため、充放電パターンによらず長期間の安定した連続運転が可能です。

(3)柔軟な設計・運用が可能
セルスタックの台数で出力(MW)を、電解液の量で放電時間容量(MWh)を決めることができるため、出力と放電時間容量をそれぞれ独立させた柔軟な設計、運用が可能です。

■ RF電池
https://sumitomoelectric.com/jp/products/redox

■ 住友電工グループ 未来構築マガジン「id」Vol.19
再生可能エネルギーを支える「RF電池」が担う使命 
https://sumitomoelectric.com/jp/id/project/v19/01      

プレスリリース

レドックスフロー電池 「新エネ大賞:新エネルギー財団会長賞」を受賞

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