24 October 2023
レドックスフロー電池の技術を水素キャリア製造用電気化学セルに活用
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 住友電工)は、当社の電気化学セル技術提供を通じて、ENEOS株式会社(本社東京都千代田区、代表取締役社長:齊藤 猛、以下 ENEOS)が進めている「直接MCH電解合成(Direct MCH®)技術開発」に協力します。
住友電工は世界最大級のレドックスフロー電池を製造しており、その心臓部である充放電部の大型セルスタックの技術は水素製造を含む多くの電気化学反応に適用可能です。この度、ENEOSが開発を進めている「直接MCH電解合成(Direct MCH®)技術」に、レドックスフロー電池のセルスタック技術を活用した当社開発中の電気化学セル技術を提供し、メガワット級の大型プラント実証試験に協力していくこととなりました。
Direct MCH®は、水とトルエンから、メチルシクロヘキサン(MCH)を直接合成する技術です。MCHは、化学反応で水素を取り出すことができ、常温では液体で石油と同様に取り扱えることから、水素を効率よく輸送・貯蔵できる「水素キャリア」の一つとして有望視されています。海外の豊富な再生可能エネルギーを使ってMCHを大量に製造すれば、タンカー等の既存の石油インフラを用いて、安価なグリーン水素を効率よく日本に運んでくることができます。
当社の電気化学セルは、密閉型構造の電気化学セルとしては実用化レベルで世界最大級の電極面積を有しており、構造上高電流を流すことが可能であることから、Direct MCH®による大量のMCH製造に適しています。この技術を活用して、当社は将来の水素社会に貢献していきます。
■ご参考
・ENEOS株式会社 水素キャリア製造技術(Direct MCH®)
https://www.eneos.co.jp/company/rd/intro/low_carbon/dmch.html
・住友電工Webサイト レドックスフロー電池について
https://sumitomoelectric.com/jp/products/redox