適用アプリケーション
1. これまでに実用化されている用途
当社はこれまで磁気等方性と形状自由度に優れる高性能な圧粉磁心を開発し、ディーゼルエンジン用の燃料噴射弁や電動車両の昇圧用リアクトル、 ガソリンエンジン用の点火コイル向け等で量産してきた。これらの用途では、圧粉磁心が電磁鋼板に対して高周波特性に優れる点が評価され、動作 周波数で数kHz～20kHzの領域で使用されている。
2. 実用化された最新の用途
モータコア
これまでの用途で培った圧粉磁心の材料技術・造形技術を活かして、アキシャルギャップモータ（AGM）の鉄心へ適用致しました。モータのトルク向上に貢献する両ツバ付圧粉磁心の成形技術を確立したことで空気清浄機向けモータコアとして23年に量産を開始しました。更に、コイル占積率やコイル放熱性を向上しトルク向上に大きく貢献する極薄・高耐圧の絶縁塗装処理をした圧粉磁心を24年より量産を開始しました。当社は電動化が加速する社会への貢献を今後も進めて行きます。
オリジナル技術
差別化技術（両ツバコア、絶縁塗装）
一体ツバ付コア（特許技術）の造形技術により、コストや寸法精度に優れたコアの提案が可能です。
両ツバ付き形状の一発成形が可能であり、モーターの性能（トルク・効率）向上に貢献します。
評価結果 1
一体ツバ付きコアは、内外径に両側からツバが張り出しており、平均トルクが20％向上し、リプルが26％低減します。
評価結果 2
樹脂ボビンや絶縁紙（厚さ約300-800μm）の代わりに、薄く（厚さ約30-50μm）高耐圧な絶縁塗装を圧粉磁心に施すことで、銅コイルの直接巻線が可能となり、コイルの占積率を向上と、コイルの放熱性を改善します。
評価結果 3
薄く高耐圧な絶縁塗装により、コイルの熱をコアを通じて放熱できるため、定格出力が向上します
独自設計の圧粉磁心（金型成形品）の販売
当社が独自に設計したアキシャルモータ用の圧粉磁心の金型成形品です。量産品と同じプロセスで作製しております。気軽にアキシャルモータの試作・評価を頂くのにお役立ち致します。
※複数の企業様で実際に独自設計の圧粉磁心の金型成形品のモータ性能をご評価いただいています。
3．アキシャルモータへの挑戦
当社は圧粉磁心の供給に留まらず、顧客より受領したモータ仕様に基づくアキシャルモータ設計のエンジニアリング提案も実施しております。 更にはモータの試作・評価についても顧客と伴走することで、アキシャルモータの普及による顧客価値の創造に挑戦していきます。
