23 October 2023
ダイキン工業株式会社の家庭用空気清浄機向け アキシャルギャップモーター用圧粉磁心を受注
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)は、ダイキン工業株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長兼CEO:十河 政則、以下「ダイキン」)が2023年11月8日に発売する家庭用空気清浄機「加湿ストリーマ空気清浄機(MCK904A)」の業界初「フラットDCモーター」に当社アキシャルギャップモーター用圧粉磁心が搭載されることになりました。
ダイキンが独自開発した「フラットDCモーター」に、当社が特許を有する両端面にツバ形状を付与した圧粉磁心を使用することで、巻線スペースを確保しつつ固定子と回転子との対抗面積を増やすことができ、性能を維持したまま薄型化することができます。
■ご参考:ダイキンプレスリリース
家庭用空気清浄機「加湿ストリーマ空気清浄機(MCK904A)」新発売
(https://www.daikin.co.jp/press/2023/20230920_1)
■「アキシャルギャップモーター」の特長
近年では、モーターの軽薄化・高性能化への要望の高まりから、一般的なモーター(ラジアルギャップモーター)の基本構 造を革新的に変更して、軽薄化を実現しつつ、出力密度を高めたアキシャルギャップモーターに注目が集まっています。 アキシャルギャップモーターは、従来の一般的なラジアルギャップモーターと比較して、薄型領域で出力密度と効率に優れるモーターで、性能(トルク、最高効率)を維持したまま軽薄化を実現します。
■当社の「アキシャルギャップモーター用圧粉磁心」の特長
圧粉磁心(FMCMシリーズ)はナノオーダーの絶縁皮膜で覆われた鉄粉を成形・加熱処理した材料で、低周波から高周波数域で優れた軟磁気特性を示します。また、三次元形状自由度に優れ、アキシャルギャップモーターのステータコアに適しています。
■両ツバ付き圧粉磁心の特長
アキシャルギャップモーターを更に高性能化する手法として、巻線スペースを確保しつつ固定子と回転子との対抗面積を増やす設計を実現するべく、両端面にツバ形状を付与した圧粉磁心(両ツバ付き圧粉磁心)を一体形状でプレス造形する新たなプロセスを開発しました。
本プロセスによるメリットは主に以下の3点があります。
1.単一の金型だけで滑らかなツバ形状に造形可能であり、高い生産性を有する
※順送プレスの様に形状の異なる複数の金型を準備する必要はありません。
2.スロット間、内径側、外径側と全ての方向にツバを張り出す事ができ、
アキシャルギャップモーターの更なる高性能化が可能
3.巻線部に疑似アール形状を付与することが可能
この度、これらのメリットを有する「両ツバ付き圧粉磁心」として業界初の量産採用に至りました。
当社では長年の量産実績を基にした圧粉磁心の材料技術、プロセス技術を更に発展し続 けることで、アキシャルギャップモーターを始めとして、各種電動機器の要となる高性能な磁心部品を提供し、ユーザ製品の更なる付加価値向上へと貢献してまいります。
■登録商標について
・ストリーマは、ダイキン工業株式会社の登録商標です。
(ご参考)
■アキシャルギャップモーターの特長
https://sumitomoelectric.com/jp/products/powdermagneticcore/axialgapmotor
■従来のモーター構造を変えるアキシャルギャップモーター | 住友電工
https://www.youtube.com/watch?v=7zVszWzXhRw