11 November 2025
豪州石炭鉱山へのGX推進にレドックスフロー電池が貢献 ~太陽光発電設備と長時間容量蓄電池による豪州Boggabri鉱山GX~
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:酒井則明)の豪州子会社である出光オーストラリア(Idemitsu Australia Pty. Ltd.、本社:豪州クイーンズランド州、社長:久野村 務、以下「出光豪州」)とBoggabri(ボガブライ)石炭鉱山へのレドックスフロー電池(以下「RF電池*1」)を納入に合意しました。
本プロジェクトでは、出光豪州が太陽光発電設備を導入したBoggabri石炭鉱山でのさらなる再エネ電力比率の向上のため、2MW×6.3時間(12.6MWh)のRF電池が導入されます。日中に蓄えたグリッド電力および太陽光発電電力を夜間に活用することで、鉱山の電力供給の最適化と脱炭素化を加速します。
石炭鉱山のような可燃性資源を取り扱う環境では、高い安全性が求められます。RF電池は発火性の材料を含まず、熱暴走の懸念がないため、他の蓄電池と比べ圧倒的に高い安全性を有しています。この特徴が評価され、当社のRF電池が採用されました。
電池システムに使用される電解液は、バナジウム鉱山開発を推進し、バナジウム電解液製造を行っているVecco(ヴェッコ)Group Pty. Ltd.(出光豪州関係会社が株式の51%を保有、本社:クイーンズランド州)がクイーンズランド州タウンズビルで製造するものを使用いたします。
2050年にネットゼロ達成を目指す豪州にとって、基幹産業である鉱業における温室効果ガス排出量削減は喫緊の課題です。当社は、本プロジェクトを通じ「鉱山GX」に関する知見を他の鉱山に展開し、豪州でのサプライチェーン構築を引き続き推進してまいります。
■RF電池の特長
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高い安全性(極めて低い火災リスク) 電解液は不燃、部品は難燃性部材のため、消防法上の危険物に該当しません。 危険物設置許可や危険物取扱者の常駐は不要です。 |
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長寿命 充放電原理上、電解液・電極の劣化がなく、充放電サイクル数が劣化を促進しません。 運転方法によらず長期間運用可能です。 |
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エコフレンドリー 電解液はリユースが可能です(実績あり)。 機器材料も適切な分別により、リサイクルが99%可能です。 (経済産業省:GXリーグ参画、環境省:産業廃棄物の広域認定取得) |
