26 December 2025
核融合実験炉ITER向けダイバータ内側垂直ターゲット用 タングステンモノブロック13基分納品完了
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)のグループ会社である株式会社アライドマテリアル(本社:東京都中央区、社長:山縣一夫、以下「アライドマテリアル」)は、RI Research Instruments GmbH(以下「RI社」)へ核融合実験炉ITER(以下「ITER」)で使用するタングステンモノブロック約32,000個(ダイバータ13基分)を2025年11月に完納しました。
核融合反応は1億度を超えるプラズマの中で起こり、このプラズマを維持するために不純物を排出・除去するダイバータの表面温度は、最高で2300度に達します。この過酷な環境に耐えるため、部材には極めて優れた特性が求められます。ITERのダイバータには、耐熱衝撃性に優れた「割れないタングステン」として、アライドマテリアルのタングステンモノブロックが採用されています*1。
欧州が調達を担当する「内側垂直ターゲット」に使用されるタングステンモノブロックについて、アライドマテリアルは、2023年に58基中13基分をRI社より受注し、このたび2025年11月に当該13基分を完納しました。
また、日本が調達を担当する「外側垂直ターゲット」に使用されるタングステンモノブロックについては、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)から58基全数を受注し、そのうち30基分を既に納入しています。残り28基分についても生産を進めており、引き続き全数完納へ向け注力してまいります。
アライドマテリアルは、垂直ターゲット用タングステンモノブロックの量産技術を活かし、ITER用第一壁や原型炉およびフュージョンエネルギー市場において、材料メーカーとしての強みを発揮して貢献してまいります。
*1 2021年7月20日発表 核融合実験炉イーター向け部品を受注
https://www.allied-material.co.jp/info/prs210721.html