16 July 2025
525kV直流XLPEケーブルプロジェクト「Sea Link」の優先交渉を英国送電事業者から獲得
住友電気工業株式会社 (本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、英国送電事業者National Grid Electricity Transmission PLC (本社:ロンドン、President, UK Strategic Infrastructure:Carl Trowell、以下「NGET」)より、英国の南東部ケント州と東部サフォーク州を結ぶ138kmの525kV高圧直流(HVDC)XLPEケーブルプロジェクト「Sea Link」の優先交渉権を2025年6月に獲得いたしました。

本プロジェクトは、英国内の既存送電網の送電能力強化と再生可能エネルギーの効率的な供給を目的としたNGETの施策「The Great Grid Upgrade」の中核をなす重要なインフラプロジェクトの一つです。現在、この開発と並行し、英国の計画検査局(Planning Inspectorate)の審査も進んでいます。
当社は1970年代以降、HVDCケーブル業界の先駆者として、世界市場で数多くの高圧直流ケーブルプロジェクトの実績を重ねてきました。特に欧州においては、英国ーベルギー間の国際連系線「Nemo Link」は送電開始以来6年間無事故を継続、また英国ーアイルランド間の連系線プロジェクト「Greenlink」も予定期間内に完工するなど、各プロジェクトを通じ当社の品質や施工技術に対する信頼を築いてきました。
本プロジェクトで納入する高圧直流ケーブルは、当社がスコットランドのNigg港に建設中である最新鋭の海底ケーブル工場で製造します。これにより、再生可能エネルギーを英国本土や周辺地域へ供給するための重要な送電インフラとして貢献し、英国やスコットランドの「ネットゼロ目標」の達成に寄与します。また、本工場の設立により約150名の雇用創出が見込まれ、地元のサプライチェーンを活用することで、地域経済の活性化にも貢献します。
今後、当社はNGETとの正式契約に向けて、引き続き全力を尽くしてまいります。
■ 当社常務取締役 白山正樹 コメント
Sea Linkプロジェクトの優先交渉権獲得を大変嬉しく思います。当社の提案を評価し、優先交渉権獲得に向けてご支援いただいたNGETの皆様に感謝申し上げます。本プロジェクトのケーブルは当社の英国新工場にて製造する計画です。欧州市場における実績を活かし、最高の安全基準と品質をもって、納期内にプロジェクトを進めてまいります。
■ National Grid社 チーフエンジニア兼洋上戦略インフラ納入責任者 ザック・リチャードソン氏 コメント
住友電工をSea Linkプロジェクトの高圧直流ケーブルの優先交渉業者として迎えられることを喜ばしく思います。本プロジェクトは、英国のケント州とサフォーク州間の電力網を強化し、よりクリーンで手頃なエネルギーを供給するうえで重要な役割を担います。住友電工がスコットランドNigg港に新たに海底ケーブル工場を建設することにより、英国で約20年ぶりに送電ケーブルが製造されることになります。これは本プロジェクトのみならず、当社が掲げる「The Great Grid Upgrade」においても大きなマイルストーンであり、英国サプライチェーンの強化に寄与することを期待しています。