18 March 2025
インドネシア 下水処理場向けに過去最大規模の水処理膜モジュールを受注
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、ジャカルタ下水整備計画(第1工区)の下水処理場建設工事を請け負う共同事業体OWJJ*1より水処理用ろ過膜モジュールを受注しました。
今回の受注は、当社にとって水処理事業における過去最大規模*2の案件です。

下水処理場完成予想図 JFEエンジニアリング株式会社殿ご提供
インドネシア共和国は世界第4位の人口(約2.7億人)を抱え、経済成長が続く一方、人口1,000万人を超える首都ジャカルタ特別州では下水道の普及率が低いため、水質問題が深刻化しています。そのため、下水処理区を15区に分けて段階的に下水道整備を進める「ジャカルタ汚水管理マスタープラン」が策定されています。
特に人口密度が高く商業施設が多い第1工区においては、用地の制約が厳しい中、水量240,000㎥/日(計画人口:124万人)を処理する下水処理場*3が必要です。このため、省スペースかつ高い処理性能を実現する膜分離活性汚泥法(MBR)*4が下水処理プロセスとして選定されました。今回、当社はMBRに対応する設備として、PTFE製ポアフロン®中空糸膜モジュール*5を受注しました。
大型の下水処理場では、省スペース化と運転時のエネルギーコスト削減が求められています。こうしたニーズに応えるため、当社は2017年に高強度で柔軟性に優れたPTFE製ポアフロン®中空糸膜モジュール*5の製品長を1.5倍にした大型化製品を開発し、市場に投入しました。本製品は顧客から高い評価を受けており、今回の案件でもその特徴が評価され、受注にいたりました。
■受注した「PTFE製ポアフロン®中空糸膜モジュール」概要
納入先 | ジャカルタ下水整備計画(第1工区)下水処理場 |
---|---|
下水処理法 | 膜分離活性汚泥法(MBR) |
処理水量 | 240,000㎥/日 |
特徴 |
・大型施設向け ・膜モジュールの製品長を1.5倍にした大型化製品 ・通常製品に比べてスペース/電気代を約30%削減 |
当社はこれからも高品質な製品を提供し、世界各国の水処理問題の解決と地球環境の保全に貢献してまいります。
*1共同事業体OWJJ
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪 賢治)、JFEエンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区、社長:福田 一美)、PT. WIJAYA KARYA (Persero), Tbk,(本社:インドネシア共和国、社長:Agung Budi Waskito)および PT. JAYA KONSTRUKSI MANGGALA PRATAMA, Tbk,(本社:インドネシア共和国、社長:Umar Ganda)で組成された共同企業体
*2 従来の最大規模案件(処理水量:200,000㎥/日):
2020年12月15日 当社プレスリリース
https://sei.co.jp/company/press/2020/12/prs124.html
*3 第1工区工事の概要については共同事業体OWJJのプレスリリースをご覧ください。
https://www.jfe-eng.co.jp/news/2023/20230110.html
*4 膜分離活性汚泥法(MBR:Membrane Bio Reactor)
下水や工場排水の浄化に有効とされる「活性汚泥法」の一つで、微生物(活性汚泥)によって排水中に含まれる有機物を分解処理された水と、同じく排水中に含まれる微粒子および、微生物自体との分離を、ろ過膜を使って行う方法
*5 PTFE製ポアフロン®中空糸膜モジュール
PTFE(四弗化エチレン樹脂)を100%使った当社独自の多孔質材料「ポアフロン®」の優れた特徴を有する水処理膜。
■「ポアフロン®」の特徴
耐薬品性…高濃度アルカリをはじめ、pH0~14の薬品洗浄が可能です。
耐汚染性…優れた親水処理により、油分が膜表面に付着しづらく剥離しやすいため油分混じりの排水処理にも採用可能です。
耐久性 …切れにくく、揺れや曲げに強い素材で、長期間使用できます。
透水性 …高気孔率による高い透水性で、優れた水処理能力を実現します。
公式Webサイト:https://sei.co.jp/poreflon/