27 January 2025

SAR衛星を活用した車両検出手法を開発~地球観測衛星で捉える、未来の交通監視システム~

  • 一般財団法人リモート・センシング技術センター

  • 住友電気工業株式会社

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「住友電工」)と一般財団法人リモート・センシング技術センター(本社:東京都港区、理事長:池田 要、以下「RESTEC」)は、人工衛星画像の解析技術、および、その画像とデジタル地図を組み合わせる技術を用いて、交通監視システムなどに応用できる車両検出手法を共同開発しました。

近年の大規模な自然災害の増加や、自動運転社会に向けて技術開発が進む中、道路や駐車場などの状況を俯瞰的に把握できる技術への期待が高まっています。住友電工とRESTECが開発した本手法では、雲を透過し、天候に左右されないSAR(Synthetic Aperture Radar、合成開口レーダ)を搭載した人工衛星*1を活用することにより、地上にIoTセンサや電力・通信インフラがない環境でも、昼夜を問わず遠隔から道路や駐車場などの実態を把握することが可能です。

SARは自らマイクロ波を照射するセンサを使用するため、太陽光を必要とせず、夜間や雨天でも地上を観測できる一方、得られる画像は単色調で歪みやノイズが多く、フルカラーの光学衛星写真と比較すると、解析難易度が非常に高いという課題があります。

これに対して、道路や駐車場における車列の向きに着目し、物体検出アルゴリズムを各車列ごとに適用して解析することで、輝度ムラが生じやすく解析が難しいSAR画像から高精度な車両検出が可能となりました。また、住友電工のITS事業の強みをいかし、SAR衛星画像とデジタル地図を組み合わせ、交通監視システムなどに応用できる車両検出手法を開発しました。

 

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今後、小型SAR衛星による観測頻度がさらに向上する見込みであるため、こうした物体検出技術を基に準静的な交通情報の生成を実現し、車両の自動運転化をはじめ、ITS(Intelligent Transport Systems) *2の発展に貢献すべく、住友電工とRESTECは引き続き連携し、取り組んでいきます。

*1  人工衛星
今回は、Capella Space社のX-band SARを利用

*2  ITS
高度道路交通システムを指し、最先端の情報通信技術を活用して人と道路と車両を一体の システムとして構築。交通事故や渋滞などの道路交通問題の解決、環境保全、輸送効率の 向上、快適性の向上を目的とする。
 

プレスリリース

SAR衛星を活用した車両検出手法を開発~地球観測衛星で捉える、未来の交通監視システム~

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