23 August 2024

アイルランドー英国間 国際連系送電システム建設プロジェクト 高圧直流送電ケーブル敷設を完工

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 「当社」)は、グリーンリンク社(Greenlink Interconnector Limited)より受注し2022年7月に着工した本プロジェクトにおける±320kV直流送電(HVDC)ケーブル敷設を2024年8月に完工しました。

本プロジェクトは、アイルランド南東部のウェクスフォードと英国・ウェールズ南西部のペンブルックシャー間を結ぶ、ルート全長約190km(海底区間160km、アイルランド側陸上区間24km、英国側陸上区間6km)の国際連系送電システムの建設プロジェクトであり、この送電システムは両国間双方向で電力の融通を可能にし、両国間での効率的な再生可能エネルギーの利用促進と電力供給系統の安定化に寄与するものです。
当社は、ドイツのシーメンスエナジー社(Siemens Energy)とのコンソーシアムにて本プロジェクトを受注し、当社が±320kV直流XLPE(架橋ポリエチレン)絶縁ケーブルを含むケーブルシステムの設計、製造、敷設、保守メンテナンスを、シーメンスエナジー社が交直変換所の設計、製造、建設、保守メンテナンスをそれぞれ管轄しました。

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このたび、HVDCケーブル敷設後の試験を通過ししたため、今後シーメンスエナジー社管轄の交直変換所の建設完了と試運転を経て、グリーンリンク社へ引き渡しとなります。

海での布設

■グリーンリンク社CEO ジェームズ・オライリー氏 コメント
「我々は、住友電工が計画よりも早くHVDCケーブルの敷設作業を完了したことを非常に喜ばしく思います。また、本年の後半に予定されている交直変換所を含む送電システム全体の建設完了を心待ちにしています。グリーンリンク・プロジェクトにおける住友電工とその協力会社の優れたパフォーマンスについて心から感謝しています。」

送電を直流・高電圧で行う高圧直流送電は、送電ロスが少なく、長距離・大容量送電に適しているため、国家・地域間連系線や洋上風力発電所の建設が活発化している欧州を中心に需要が増加しています。

ケーブル

当社が独自開発した直流XLPE絶縁ケーブルは、常時導体許容温度が90℃と他社比で高く、極性反転*1が可能であるといった技術的優位性を持っています。実績として、2019年に英国・ベルギー間において、直流XLPE絶縁ケーブルでは世界最高電圧となる±400kV直流ケーブルシステムを完工、その後5年間にわたりシステム稼働率99.5%を維持しています。

今後も、これまで培ってきた電力ケーブルの高い品質と技術により、国内外の電力の安定供給と脱炭素化社会の実現に向けて取り組んでいきます。


*1 直流連系線の運用状況において、ケーブルに印加される電圧のプラスとマイナスの極性を入れ替える操作。一般的に、極性反転を行う際には、絶縁性能が低下する課題がありますが、当社が開発したXLPE絶縁ケーブルは、絶縁性能を維持したまま極性反転が可能です。


■ご参考
・当社プレスリリース
イギリスーアイルランド間 国際連系送電システム建設プロジェクト向けに高圧直流送電システムを受注  

プレスリリース

アイルランドー英国間 国際連系送電システム建設プロジェクト 高圧直流送電ケーブル敷設を完工

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