14 May 2024

スコットランドの海底ケーブル工場 起工式を開催 英国における洋上風力発電プロジェクトの送電網の受注内定

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 「当社」)は、2024年5月14日にスコットランド・ハイランドでの海底電力ケーブル工場の建設工事を開始するにあたり起工式を執り行いました。

併せてSSEN Transmission(本社:スコットランド パース、取締役社長:ロブ・マクドナルド、以下「SSEN」)から、SSENが計画している英国の本土と最北端のシェットランド諸島間の約330kmを連系する525kV高圧直流(HVDC)XLPEケーブルプロジェクト「Shetland2」の受注が内定いたしましたことをお知らせします。
 

起工式のようす

当社は、昨年4月に英国のクリーンエネルギーのサプライチェーン構築を後押しする一環として、スコットランド・ハイランド ニッグ港において最先端の海底電力ケーブル工場の設立を発表しており、このたび、その建設工事を開始しました。本工場は、英国の電力送電網の強化と、洋上風力発電を英国本土の送電網への接続のためのケーブルの製造・供給の役割を果たします。
本工場の建設開始にあたり、5月14日現地時間9時30分(日本時間17時30分)から建設現地において起工式を開催し、スコットランド政府 エネルギー担当のマイリ・マッカラン大臣、SSENのロブ・マクドナルド取締役社長をはじめとする現地の政府、顧客、パートナーの主要な関係者のご出席をいただきました。

併せて、英国の主要送電システム運営者であるSSENから、当社のコンソーシアムパートナーであるVan Oordと共に、シェットランド諸島で発電した再生可能エネルギーを英国本土に送電するための「Shetland 2」プロジェクトの525kV高圧直流(HVDC)XLPEケーブルを受注することが内定しました。

「Shetland2」は、英国最北端のシェットランド島と英国本土間の330kmを結び、2GWの再生可能エネルギーを英国の系統電力に連系する「広域戦略的送電網計画 "Beyond 2030 "」に位置づけられているプロジェクトの一つです。この計画において、SSENは「Shetland2」を含むスコットランド北部の送電システムに総額50億ポンド(約1兆円)規模の投資を行う予定であり、本工場の更なる活用が期待されています。

本工場の設立は、総額規模3億5千万ポンド(約700億円)のプロジェクトであり、再生可能エネルギーを英国本土や周辺地域へ供給するための重要な送電インフラとして貢献し、英国の「ネットゼロ目標」の実現に寄与します。さらに、150名の高度なスキルを持った人材の雇用を生み出すとともに、ケーブルの生産や送電システムの建設における現地のサプライチェーンの活用を最大化してまいります。

■当社社長 井上治コメント
この革新的なケーブル工場の建設開始を発表でき、嬉しく思います。また、SSENが当社をShetland 2プロジェクトのパートナーとして選定頂いたことに心から感謝しています。送電ケーブルは、再生可能エネルギーへのエネルギー転換を実現するための重要なインフラであり、本工場が地元経済の発展、および英国及びスコットランド政府のネット・ゼロ・イニシアチブの実現に貢献すると信じています。

■SSEN Transmission 取締役社長 ロブ・マクドナルド氏コメント
住友電工とその海底ケーブル敷設工事のパートナー、Van Oord Offshore Wind UKが共にShetland 2 HVDC海底リンクの製造と敷設工事の受注社に内定したことを非常に嬉しく思います。住友電工がニッグ港に新たなケーブル製造拠点を設立することで、英国のエネルギー安全保障とネット・ゼロ・インフラを構築するための国産サプライチェーンが形成されることになります。これは、スコットランド・ハイランド地方に何百もの技能者の雇用を生み出し、クリーンエネルギー転換による経済的な可能性を引き出す素晴らしいニュースです。

■Van Oord Offshore Wind 取締役社長 アーノウド・クイス氏コメント
住友電工のコンソーシアムパートナーとして、Van Oord Offshore Wind UKは、SSENからShetland 2プロジェクトの受注社に内定したことを大変嬉しく思います。住友電工とVan Oordのパートナーシップはエネルギーインフラの構築において、持続可能性、信頼性、優位性を発揮し、両社の専門性がシナジーを生み出すことを示すものです。我々は、SSENとの協力関係を成功させ、Shetland 2プロジェクトを成功させることを大いに期待しています。

■英国エネルギー安全保障・ネットゼロ担当 ジャスティン・トムリンソン大臣コメント
シェットランド諸島とスコットランド本土を結ぶ第二の海底ケーブルによって、クリーンな風力発電による2GWの電力が英国の電力網に追加されます。スコットランドはグリーン エネルギー大国であり、住友電工がハイランド地方にケーブル工場を建設することは、数百もの雇用を生み出し、この地域のサプライチェーンを構築する素晴らしいことです。2010年以来、我々は再生可能エネルギーの発電量を5倍に増やし、ヨーロッパで2番目に多い量を供給しています。さらなる再生可能エネルギーの拡大は、英国国民により安価なクリーンエネルギーの供給をもたらします。

■スコットランド ネットゼロ・エネルギー担当 マイリ・マッカラン大臣 コメント
スコットランドは、急速に再生可能エネルギー大国になりつつあります。本日の式典は、このことを強調するものであり、経済成長と環境保護というスコットランド政府の重要な目標に向けて、官民が協力している素晴らしい取り組みです。この工場は、住友電工にとって欧州初のケーブル工場であり、また英国初の高圧直流ケーブル工場となり、数百人の雇用を創出します。急成長する洋上風力産業は、スコットランド国内の投資を呼び込み、より幅広い経済的な利益を引き出す大きな機会となります。そのため、私たちは最大で5億ポンド(約1,000億円)の援助を行い、スコットランドにおける洋上風力サプライチェーンを確立し、洋上再生可能エネルギーの改革が人や企業、地域社会すべてに利益をもたらすよう取り組んでいきます。


当社は、これまで培ってきた電力ケーブルの高い品質と技術により、これからも脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいきます。



■ご参考
・当社プレスリリース
 2023年4月27日:英国、スコットランドに電力ケーブル工場を設立
 https://sumitomoelectric.com/jp/press/2023/04/prs050

プレスリリース

スコットランドの海底ケーブル工場 起工式を開催 英国における洋上風力発電プロジェクトの送電網の受注内定

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