14 February 2024
青森県「グリーンパワー深浦風力発電所」商業運転開始 ~グループでのトータルソリューションを提供~
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、大規模風力発電事業「グリーンパワー深浦風力発電所」向けに地中送電線の提供および変電機器を設計・製造しました。グリーンパワー深浦風力発電所は、2024年2月3日より商業運転を開始しています。
「グリーンパワー深浦風力発電所」は、株式会社グリーンパワーインベストメント(本社:東京都港区、代表取締役社長:坂木 満、以下「GPI」)のグループ会社である特別目的会社(SPC)合同会社グリーンパワー深浦が、青森県西津軽郡深浦町に風力発電機 19基を設置した陸上風力発電所(設備容量:79,800kW)です。
当社は、当社グループの日新電機株式会社(本社:京都市右京区、代表取締役社長:松下 芳弘、以下「日新電機」)とともに、合同会社グリーンパワー深浦とBOP契約(*1)したユアテック・関電工特定建設工事共同企業体(以下JV)より、地中送電線ケーブルの設計・製造および66kV変電機器の設計・製造・据付工事を請け負いました。
本プロジェクトでは、亘長45kmの長距離ケーブルを納入し、グリーンパワー深浦風力発電所と東北電力ネットワークの変電所を連系しました。電力系統に長距離ケーブルを連系すると、高調波共振などの特異な課題が発生することがあります。高調波とは、商用周波数(50Hz・60Hz)の5倍・7倍の周波数が正常な電気の波形を歪ませるもので、長距離ケーブルの静電容量と電力系統(インダクタンス)のバランスが崩れ共振現象が発生すると、電力系統に内在していた高調波電流が拡大し、機器等の過熱を発生させる恐れがあります。そこで高調波共振によって拡大する高調波電流を抑制するために「ウィンドファームつがる」で培った技術知見を活かし、高調波フィルタを設置しました。
グリーンパワー深浦風力発電所の電力供給量は一般家庭の約52,000世帯相当分(参考:深浦町の総世帯数は約3,000世帯)にあたり、年間約91,000トンの二酸化炭素削減効果が見込まれます。
当社グループは、送配電や受変電、蓄電などの電力設備におけるトータルソリューションの提案力により、再生可能エネルギーの導入やスマートエネルギー社会の実現に貢献します。
「グリーンパワー深浦風力発電所」風力発電所概要
所在地 | 青森県西津軽郡深浦町 |
商業運転開始日 | 2024年2月3日 |
設備容量 | 発電容量:4,200kW × 19基 約79,800kW |
当社グループ担当 | (住友電工) 66kV送電線の設計、製造 (日新電機) 66kV変電機器の設計、製造、据付工事 |
ケーブル納入長 | 合計約141km(亘長45km) |
■ ご参考
・住友電工グループ広報誌「id」Vol.14
再生可能エネルギー普及への挑戦~国内最大の風力発電を根底で支える~
https://sumitomoelectric.com/jp/id/project/v14/01
*1 風車以外の発電設備調達・建設工事請負契約 (Balance of Plant)