30 November 2023

鋳鉄旋削用コーティング材種「AC4125K」を開発、発売開始

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)は、鋳鉄旋削断続加工用の工具材種「AC4125K」を開発し、2023年12月28日より発売します。

鋳鉄は自動車産業を初めとする幅広い分野で用いられており、ねずみ鋳鉄*1は摺動性が必要なエンジンブロックやブレーキディスクなどの部品に、ダクタイル鋳鉄*2は強度が必要なデフケースやキャリアケースなどの部品に用いられています。

近年、地球環境への配慮から薄肉・軽量化を目的として、強度が高く被削性の悪い、FCD600以上の高強度ダクタイル鋳鉄の比率が高まってきています。また、部品加工の現場では、複雑形状における断続加工や、鋳肌をそのまま加工する粗取り加工など、過酷な切削環境が増えており、工具刃先のチッピングによる寿命バラツキが課題となっています。

こうした課題に対し、当社は鋳鉄旋削用コーティング材種「AC4125K」を開発しました。販売価格は当社従来品と同設定ですが、安定長寿命化による工具使用量と工具交換頻度の低減により加工コストの削減に貢献します。

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1.特長
鋳鉄断続加工の第一推奨材種です。当社独自CVD*3コーティング技術の「アブソテックⓇ(Absotech®)」の適用により最大限に圧縮応力を付与することで優れた耐チッピング性を発揮し、デフケースやキャリアケースといった部品の粗加工で安定長寿命化を実現します。また、使用済コーナー識別性に優れる金色外観色を採用し、工具管理の容易化に貢献します。

2.ラインアップ
インサート 計244型番
(2023年12月28日 128型番発売、2024年2月 116型番発売)

3.販売計画
初年度0.9億円、3年後3.4億円/年

4.価格
当社従来品と同設定
(標準品)  CNMG120408N-GZ  980円(税抜)

*1ねずみ鋳鉄:
鋳鉄は炭素(C)およびケイ素(Si)を主成分とした合金であり、Cの含有量が2.1%以上のもの。ねずみ鋳鉄は鋳鉄の一種で、炭素がセメンタイトの形よりも黒鉛の形で多く存在するため、破面がねずみ色をしている。

*2ダクタイル鋳鉄:
鋳鉄の一種で、ねずみ鋳鉄より炭素、ケイ素がやや多く、マグネシウムやセリウムを添加することにより黒鉛が球状化したもの。

*3CVD (Chemical Vapor Deposition):
ガス反応を利用して、物質の薄膜を形成する蒸着法のひとつで、反応容器で加熱した基板物質上に、目的とする薄膜の成分を含む原料ガスを供給し、気相または基板表面での化学反応により膜を形成させる方法。

プレスリリース

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