07 July 2023

カリフォルニア州でのレドックスフロー電池実証事業の事後評価および フォローアップ事業(サンディエゴでの成果報告会)について

当社は、2015年に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)による「エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業/米国加州における蓄電池の送電・配電併用運転実証事業」の委託先として選定され、2015年度~2021年度の7年間にわたり、カリフォルニア州サンディエゴにて長寿命で大型化に適した定置用蓄電池「レドックスフロー電池」を活用した実証事業を行ってきました。

実証完了に伴い、2022年12月7日(水)に実証内容を評価する事後評価委員会が開催され、その評価結果がNEDOより発表されましたので、お知らせします。

評価委員会の皆様からは、多くの肯定的なご意見とともに、4つの評価項目において、高い評価をいただきました。

また、本実証事業のフォローアップ事業として、2月6日(月)にカリフォルニア州サンディエゴにて、“The Future of Long-Duration Energy Storage(長時間エネルギー貯蔵技術の未来)”をテーマに成果報告会が開催されました。本報告会は、NEDOおよびGO-Biz(Governor's Office of Business and Economic Development)が主催したもので、当社およびSDG&E(San Diego Gas & Electric)による実証内容や成果の発表、今後期待される長時間エネルギー貯蔵技術(LDES : Long Duration Energy Storage)に関するパネルディスカッション、SDG&E施設内に設置したレドックスフロー電池のサイト見学会などを行いました。北米を中心に世界各地の電力関係者の方にご出席いただき、活発な質疑応答が行われ、レドックスフロー電池に対する高い関心と期待が伺えました。 当社は、本実証事業で得た知見を活かし、また事後評価委員会で得られた今後に対する提言や改善点を見直しながら、北米市場を始めとする世界各国で今後ますますニーズが高まるレドックスフロー電池の需要に応え、事業拡大を図るとともに、脱炭素社会の実現に貢献すべく、取り組んでまいります。


【事後評価委員会からのコメント(一部抜粋)】
・ わが国で長年培ってきた蓄電池を適用した電力市場入札による事業性、ならびにマイクログリッドのコア供給設備としての基本的機能などを、総合的に実フィールドで実証し、大きな成果を上げたものと評価する。

・ 本事業において、世界的に最も注目される加州において、レドックスフロー電池の大規模実証を世界初の成果(ブラックスタート)も含めて示したことは、我が国技術の優位性を世界に向けて強くアピールしたものである。世界的に長時間電力貯蔵技術へのニーズが急激に高まっており、普及促進に向けて、本事業の波及効果は非常に大きいものである。

・ 得られた知見は、今後の日本国内における電力市場の形成と運用の制度構築を進める上で特に有益であり、我が国として脱炭素化を推進し、実現するための基盤となる。技術的には、蓄電池システムとして、実電力市場における高い稼働率(事業最終年度には 99%)と耐久性(20 年での容量保持率が 90%以上)を示した価値は極めて大きい。

【評点結果】

評価項目 平均値 素点(注)
1. 事業の位置付け・必要性 2.8 A A B A A
2. 事業マネジメント 3.0 A A A A A
3. 事業成果 2.6 B A A A B
4. 事業成果の普及可能性 3.0 A A A A A
(注)素点は各事後評価委員の評価。平均値は A=3、B=2、C=1、D=0 として数値に換算され算出されたものです。


■ ご参考
・「エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業/米国加州における蓄電池の送電・配電併用運転実証事業」個別テーマ/事後評価委員会
https://www.nedo.go.jp/content/100957267.pdf

・当社お知らせ記事(2023年2月13日)
米国でのレドックスフロー電池事業本格化について
https://sumitomoelectric.com/jp/press/2023/02/prs015

『長時間エネルギー貯蔵技術の未来』カリフォルニア州でのレドックスフロー電池実証事業(15分34秒)
RFBpr
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SDG&E施設内に設置したドックスフロー電池のサイト見学会

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カリフォルニア州でのレドックスフロー電池実証事業の事後評価およびフォローアップ事業(サンディエゴでの成果報告会)について

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