09 August 2022
太陽光発電所向け1000V用PLCストリング監視装置 更新用途で初採用
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治)(以下「当社」)が開発・販売を進めるPLCストリング*¹監視装置が、他社製監視装置の更新に伴い初めて採用されました。
再生可能エネルギーの固定価格買取(FIT)制度*²の開始直後に運転開始された太陽光発電所は、既に10年程度経過し、大規模な補修を実施するケースが増えてきています。併せて、発電状況を把握できるストリング監視装置も故障や老朽化が生じ、装置更新のニーズが高まってきています。しかし、導入済みの監視装置は、単体では更新できないものや、同一メーカーの後継機器が存在しないものなどがあり、太陽光発電所の安定稼働に支障をきたしかねない事例も発生しています。
当社の1000V用PLCストリング監視装置は、これまで新設及びストリング監視装置未導入の太陽光発電所への後付け設置で導入されてきましたが、下記の理由で更新の際に導入できることから、このたび他社製監視装置更新時に初めて採用されました。
① 後付け工事が容易な構造(電流センサを挟み込むクランプ方式)を採用
② 小型省スペース(既設の接続箱に設置可能)
③ 通信回線に電力線を利用するPLC(Power Line Communication)技術を採用
既設の電力線でも導入可能なため、通信線敷設工事が不要で低コスト(他方式対比7割安、当社試算)での導入が可能。有線回線のためデータ伝送も非常に安定。
また、装置内で電位差が発生しないため、雷害による戻入がゼロ。
今後、PLCストリング監視装置の需要はますます増えていくと見込まれます。カーボンニュートラルの実現に向けて脚光を浴びる太陽光発電所の安定稼働に貢献するため、今後も当社は、利便性の高いPLCストリング監視装置、および付帯サービスを提供してまいります。
■ ご参考
【当社太陽光発電所用 PLCストリング監視装置の特長】1.ストリングごとの常時監視が可能、早めの異常の察知、対策が可能
パワーコンディショナー単位の太陽光発電所監視では、異常が一定程度に波及するまで検知ができませんが、当社システムは、ストリングごとに監視し、パワーコンディショナー監視で顕在化する前の異常を検知することができます。早めの異常察知により、早期に対策が可能です。
2.監視データをAIで分析・故障内容を自動で判別
2019年11月より、PLCストリング監視装置にて収集したデータをAIで分析し、日次・月次・年次でレポートを提供するサービスを開始しています。AIにて故障内容を自動で判別、故障個所と共にお知らせするため、正確で効率的な運用管理と保守点検をサポートするものです。本サービス導入により、定期点検の工数削減も可能です。
【本製品について】
・当社Webサイトメガソーラー用ストリング監視装置
・本製品の紹介動画
・プレスリリース(2020年10月26日):
太陽光発電所用 PLCストリング監視装置導入実績10,000台突破
*1 PLC(電力線通信)ストリング:電力線を通信回線として利用する技術を、直列に接続された太陽光発電パネル群に適用したもの。当社製品は450kHz以下の周波数を用いる低周波PLCの技術を採用しており、DC線上にストリング電流測定データを重畳している
*2 太陽光などの再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を、国が定める価格で一定期間電気事業者が買い取ることを義務付ける制度。