01 April 2022

北海道電力ネットワーク(株)向けレドックスフロー電池設備が竣工


 住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治 以下「当社」)は、北海道電力ネットワーク株式会社(本社:札幌市中央区、藪下 裕己 取締役社長、以下「北海道電力ネットワーク」)が「系統側蓄電池による風力発電募集プロセス(Ⅰ期)」において設置するための系統側蓄電池の調達について、2020年7月に着工しておりましたところ、この度、レドックスフロー電池設備(設備容量5.1万kWh:1.7万kW×3時間)として2022年3月31日に竣工し、北海道電力ネットワークに引き渡しました。
 なお、この系統側蓄電池は、北海道電力ネットワークにおいて4月1日から運転を開始しております。

 
 北海道電力ネットワークは、系統側蓄電池を設置し、設置した系統側蓄電池に係る費用を共同負担することを前提とした風力発電の募集を「系統側蓄電池による風力発電募集プロセス(Ⅰ期)」として実施しています。この募集による優先系統連系事業者15件16.2万kWが決定しており、これらの連系のために必要となる系統側蓄電池として、当社のレドックスフロー電池設備が採用されました。

 一般送配電事業者の系統側運用を目的としてのレドックスフロー電池の設置は国内初の案件であり、設備容量はレドックスフロー電池として世界最大級の規模です。

 当社が納入するレドックスフロー電池は、電解液中の金属イオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池で、長寿命と高い安全性をはじめとする次の特性を有しています。

 

(1)長寿命

 原理上、充放電サイクル数が劣化の要因にはならないため、20年以上のシステム耐久性(当社設計寿命)を有します。また、電解液自体は劣化しないため、半永久的に使用することができ、リユースが可能です。
 

(2)高い安全性

 常温で運転可能であり、不燃・難燃材料で構成しているため火災の可能性が極めて低く安全です。また、充電状態を正確にモニタリングできるため、充放電パターンによらず長期間の安定した連続運転が可能です。


(3)柔軟な設計・運用が可能

セルスタックッドックスフロー蓄の台数で出力(kW)を、電解液の量で放電時間容量(kWh)を決めることができるため、出力と放電時間容量をそれぞれ独立させた柔軟な設計、運用が可能です。

 当社は、2015年より北海道電力と共同で、南早来変電所においてレドックスフロー電池(定格出力1.5万kW、設備容量6万kWh)の大規模実証試験を行い、系統安定化目的の運用において安定・安全に運転を実現しております。


 長寿命で安全性の高いレドックスフロー電池は、「再生可能なクリーンエネルギーのさらなる普及」という観点にも資するものであり、当社は引き続き、能力向上やコスト低減などに取り組み、国内外における普及に注力し、再生可能エネルギー導入拡大と温室効果ガス排出削減による脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

概要
設置場所 北海道電力ネットワーク 南早来変電所(安平町)
竣工日 2022年3月31日
納入製品 レドックスフロー電池


  完成したレドックスフロー蓄電池設備
 完成したレドックスフロー蓄電池設備
 

■ ご参考


・ 北海道電力ネットワークお知らせ(2022年4月1日)
「系統側蓄電池による風力発電募集プロセス(Ⅰ期)」における系統側蓄電池の運転開始について

・当社 プレスリリース(2020年7月14日):
 北海道電力ネットワーク(株)からレドックスフロー電池設備を受注

北海道電力ネットワーク(株)向けレドックスフロー電池設備が竣工

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