「地上に太陽を!」~安全で持続可能な夢のエネルギー、「 核融合」~
建造中の核融合実験炉ITER
©ITER Organization
人類が直面する喫緊の課題とされるのが、増大する人口や産業進展に伴う持続可能なエネルギーの確保といえる。産業革命以降の化石燃料の大量消費は、地球温暖化による気候変動の災禍をもたらしつつある。この解決策の一つとして注目されているのが、太陽の原理を活用した「核融合」技術である。これを地上で再現できれば、CO2を排出することなく、優れた環境特性、高い安全性、豊富な燃料資源の特徴を持つ理想的な発電が実現できる。この核融合エネルギーが利用可能であることを実証するため、世界7極、35ヵ国で進められている国際プロジェクトが、ITER( イーター、ラテン語で「道」)計画である。
日本は計画の中心的役割を担う国の一つであり、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(以下:QST)を中心に多くの企業が参加している。住友電工グループの株式会社アライドマテリアル(以下:アライドマテリアル)は、核融合炉を構成する重要部品である「ダイバータ」のタングステンモノブロックを供給。今回は、夢のエネルギーといわれる「核融合」実現に向けた取り組みを追った。