製造業に変革をもたらしたレーザー ~レーザー加工技術を支え、その心臓部を担う「光学部品」~

製造業に変革をもたらしたレーザー ~レーザー加工技術を支え、その心臓部を担う「光学部品」~

レーザー(Laser)とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(放射の誘導放出による光増幅)のイニシャルを取ったもので、電気エネルギーを光エネルギーに変換し、それを増幅して得られる強力で人工的な光だ。自然界に存在する光の約100万倍のエネルギーを有する。1960年に米国で世界初のレーザー発振が実現。以来、その性能は飛躍的に向上し、さまざまなレーザー発振器と用途が開発されてきた。単色性、直進性や集光性、高エネルギー密度といった特徴を生かして、1980年代、材料加工分野にレーザーが導入され始めた。非接触でフレキシブルかつ高速な加工(切断・溶接・穴あけなど)が可能であり、まず、鉄鋼や自動車などの製造現場に普及。1990年代以降は、携帯電話やデジタル家電用電子部品、液晶や半導体、回路パターニングなどの微細加工、3Dプリンターなど部品製造にも不可欠な技術と認知され、実用化が進んだ。

レーザー加工機の潜在能力を最大限に引き出すキーコンポーネントとなるのが、レーザーを集光する「レンズ」や、反射する「ミラー」をはじめとする「光学部品」である。住友電工グループは、1985年にCO2レーザー加工用ZnSe(ジンクセレン)レンズを開発。以後、市場ニーズに対応して多彩な光学部品を提供してきた。20世紀最大の発明の一つであり、現代社会の隠れた主役といわれるレーザー。レーザー加工を支える、住友電工グループの光学部品開発の歴史と未来を探る。

レーザー加工機内における光学部品

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