水不足が進む“水の惑星”〜限られた水資源を守れ〜
宇宙から見える地球は、“水の惑星”と呼ばれる。しかし、地球上の水の多くは塩分を含む海水であり、その割合は約97%。残りの淡水も多くは氷雪、氷河の形態として存在し、また地下水の多くは地中深く浸透しており、人間が利用可能な淡水は、地球上の総水量のわずか0.01%にすぎない*。この貴重な水資源を守ることは、人類に課せられた大きなテーマだ。さらに世界的な人口増加、新興国の経済発展、気候変動等の要因により、世界で水不足は深刻化しつつある。こうした中で必要とされているのが、水資源の有効活用だ。具体的には、一度汚れた水を浄化して再利用する水処理技術の導入とその進化が求められている。住友電工グループは、世界的な水不足という社会課題への解決策として、2000年初頭、画期的な水処理膜モジュールの開発に成功、水処理分野への新規参入を果たした。以来、国内のみならず、東アジア、北米の水処理施設に導入され、高い評価を獲得してきた。
ここでは、水処理市場参入の重要なマイルストーンであり、起爆剤となった台湾・石油精製会社の水処理施設への導入プロジェクトとともに、住友電工グループの中国生産拠点の取り組みを紹介する。そこにある住友電工グループ社員の情熱と想いは、世界的な水不足問題の解決、そして“水の惑星”地球の環境保全へとつながっている。
* 出所:国土交通省「国際的な水資源問題への対応」