人材・組織基盤

「住友事業精神」の浸透とグローバル人材の育成

住友電工グループは、住友事業精神にある「人材の尊重」の考え方に立脚し、持続的成長を牽引するグローバル人材の育成に努めています。また、ダイバーシティ&インクルージョンの推進などを通じて、グローバル競争を勝ち抜くための基盤づくりに注力するとともに、「住友電工グループ人権方針」に基づき、人権尊重を前提とした事業運営に取り組んでいます。

人材基盤

グローバルな人材の育成

当社グループの求める人材像と「住友事業精神」の浸透

当社グループの求める人材像は「住友事業精神を堅持し、会社の経営方針を理解し、基本に忠実で高度な技術・知識を有し、グローバルに通用する人材」と定義しています。
これを目指し、「一人ひとりの自己啓発」と「職場上司の指導と対話」を基本に、「目標管理・キャリア対話」、「業務遂行(OJT)」、「人事評価・ローテーション」のサイクル を、「研修・教育(SEIユニバーシティ)」が支援することで、 会社目標の達成を通じて個々人の人材価値の向上を図っていきます。
特に、「住友事業精神」は社員が業務を遂行するにあたっての根幹をなすものと位置づけ、新入社員研修や各種階層別研修において学ぶ機会を設けているほか、コンプライアンスや人権に関する研修においても、常に「住友事業精神」との関係を伝えています。

また社長自ら、半期に一度、メッセージ動画を通じて住友事業精神に則って職務を遂行するよう全ての社員にメッセージを発信し、その動画を多言語に翻訳し国内外グループ会社にも配信しています。
さらに、海外赴任者には、現地において自分の言葉で事業精神を伝えることができるよう事前研修を実施しています。国内外グループ会社においても、定期的に「住友事業精神」を学ぶことができるよう社内講師の育成などに取り組んでいます。
 

SEIユニバーシティ基本理念

総合的な研修体系「SEIユニバーシティ」

SEIユニバーシティ」は当社グループの研修体系の総称です。会社の目標の達成、“Glorious Excellent Company”の実現に向けて幅広い領域にわたってさまざまな研修を実施しています。研修はOff-JTとして行われるものもあれば、実際の職場で実践型研修として行われるものもあります。

基礎5科目

「SEIユニバーシティ」では、全社員必須の教育として、次の項目を基礎5科目とし、各研修に織り込んで実施しています。
5科目を基礎として「ヒューマンスキル」、「課題解決力」、「テクニカルスキル」の3つの分野で、経営幹部から新入社員までの全グループ社員に対して階層別に受講を必修とするものを含めて、300を超える研修プログラム(共通研修)を提供しています。また、各社・各部門では、テクニカルスキルのうち自社・自部門で特に必要とされる固有の知識・スキルの習得のために「各社固有研修(専門知識)」を実施しています。

モノづくり力の強化と人材育成

SEIユニバーシティでは、「モノづくりは人づくり」との基本的な考え方に立脚し、モノづくり企業としての基本である「SEQCDD」の進化と深化のため、安全・環境・品質・生産技術の各分野での人材育成に取り組んでいます。モノづくり人材育成の詳細につきましては、当社Webサイトをご参照ください。

マネージャー層向け研修

グループグローバル展開

当社グループ全体の人材育成を推進するため、国内グループ会社社員には新入社員研修、昇進者研修などの住友電工主催研修への参加機会を設けており、参加者は年々増加しています。また、各グループ会社における研修運営が難しいケースなどは、住友電工本体から講師を派遣して、必要な研修を実施しています。
一方、海外グループ会社に対しては、現地ニーズに応じた人材育成推進のため、国ごとの人事マネジャー会議にて、定期的に各種研修(一般層向け中心)の企画・運営を議論しているほか、世界共通育成体系を議論するため、年に1度、日本に世界各社の人材育成責任者を招聘し「グローバル人材開発会議」を開催しています。
また、国内外共通で各マネジャー層を対象に次に掲げる研修プログラムを実施しています。
 

ダイバーシティ&インクルージョン

多様な人材の活躍を目指して

当社グループは、世界約40カ国で28万人以上の人材が活躍しています。特に昨今、事業を取り巻く環境が複雑さを増し、将来の予測が益々困難となる中で、当社グループが成長・発展を続けるためには、国籍や性別に関わらず、世界中から多様で優秀な人材を募り、育成し、個社を超えた配置・登用を促進するとともに、さまざまなキャリア機会を提供することが重要であると考えています。
当社グループは、人材に関する基本方針「Sumitomo Electric Group Global Human Resource Management Policy(グローバルHRMポリシー)」に基づき、グローバルな人材確保や登用を加速していくための、仕事を通じて成長を実感し自己実現できる環境づくり、人種・民族・国籍・宗教・年齢・性別・性自認・性的指向・障がいの有無などに関係のないキャリア機会の提供、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、グローバルリーダーの育成等に取り組んでおります。

グローバル人員内訳推移

グループグローバル人員内訳推移

ダイバーシティ・インクルージョン部
社長とダイバーシティ・インクルージョン部のメンバー (写真撮影のため、マスクを外しています)

ダイバーシティ・インクルージョン部の新設(2020年6月)

ダイバーシティ&インクル―ジョンの推進は当社グループ経営戦略上の重要課題の一つです。また、多様性を高めるだけでなく、社員の多様性を認めて活かしたうえで、一人ひとりがやりがいをもって、同じ目標に向かって総合力を発揮することがダイバーシティ&インクルージョンを目指すうえで重要です。当社グループでは「多様な視点」、「信頼関係」、「能力の発揮」を掛け合わせ、社員の総和以上の力を発揮することを「インクルージョン」と定義し、インクルージョンによって、より良い問題解決方法、より優れた創造性やアイディアの創出を目指しています。
日本国内ではこれまで、多様な人材の活躍推進と働きやすい組織づくりに向け、育児や介護等のライフイベントに対応しながら働き続けられる両立支援制度の整備、働き方の見直し、在宅勤務制度の導入と拡大、外国籍社員の活躍支援、障がい者雇用の拡大などさまざまな施策に取り組んできました。
ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを一層加速・深化させるため、2020年6月に人事部内の組織を独立させ、ダイバーシティ・インクルージョン部を社長直轄組織として設置しました。
ダイバーシティ・インクルージョン部では、多様な属性の社員が働きがいを感じながら、能力を最大限発揮できるような組織作りを推進するため、女性活躍推進をファーストステップとして、組織力強化や人材育成の風土醸成を含め、各種施策に取り組んでいきます。
 

グローバルグレード制度、グループグローバル幹部人材制度

グローバルHRMポリシーを実現する一つの施策として、能力と資質のある人材が国内外グループ会社の経営を担い、さらにはそれ以上の職責を担うべく、個社を越えて広くキャリアアップを目指すことが重要です。そのための人事制度として、「グローバルグレード制度」を導入しています。
上場会社の子会社を除く海外子会社役員もしくは同相当者を「GL」というグレードに位置づけ、このグレードに相当する幹部人材を「グループグローバル幹部人材」として認定しています。
現在、海外グループ会社の経営幹部を中心に42人が認定されており、さまざまなキャリア機会の提供により、グローバルリーダーとしてのさらなる活躍を支援しています。

女性比率等
※住友電工及び連結子会社

女性活躍推進

当社グループは、今後より一層多様な意見や価値観を経営に取り入れていくためには、女性などの多様な人材から役員や幹部人材を継続的に輩出していくことが重要課題であり、候補となる社員自身が、さまざまな業務を通じて、時には厳しい状況を乗り越えて成果を出す経験を積んでいくことが必要となります。
そのため、今後は、多様な人材の育成・登用の支援、ライフイベント等で制約がある社員も仕事を通じた成長機会を得て、さらに活躍できる仕組みの構築、これらを支えるさまざまなネットワークを用いた、社員一人ひとりの活躍をさらに推進・支援する体制の整備などの取り組みを強化していきます。
また、上場子会社も含め、当社グループの女性活躍をサポートするため、SWING(Sumitomo Electric Group Womens InnovativeNetworking Group) 2016年に発足しました。
当社グループの女性社員へ相互研鑽やネットワーキングの機会を提供することにより、女性社員の育成・能力開発を図ることを目的に活動しています。
これらの活動により、2020年度には2016年度、2018年度に続き、女性活躍推進に優れた上場企業が選定される「なでしこ銘柄」に選定されました。今後も多様な人材活用の一環として、女性活躍の推進に積極的に取り組んでいきます。

人権の尊重と活き活きとした職場づくり

人権尊重への取り組み

当社グループは、グループの基本精神である「住友事業精神」および「住友電工グループ経営理念」に基づく高い企業倫理のもと、公正な事業活動を行うことを不変の基本方針として、人権尊重への取り組みを推進してきました。また理念を具体化した「住友電工グループ企業行動憲章」および「住友電工グループCode of Conduct/行動規範」においても、人権の尊重、差別・ハラスメントの禁止を定めています。
2019年3月に制定した「住友電工グループ人権方針」(以下、本方針という)においては、さまざまなステークホルダーの皆さまのニーズに応え、国際基準に則った人権尊重の取り組みを推進していくことを明確に示しています。 本方針に則った施策を確実に推進していくため、今後、社員への啓発の取り組みや、国内外関係会社、ビジネスパートナーなどのステークホルダーに対して定期的な実態調査を実施していくとともに、必要に応じて具体的な運用ガイドラインなどを作成します。
当社グループが、今後もグローバル社会とともに発展していくにあたり、全ての事業活動が、人権尊重を前提に成り立っているものでなければならないと認識し、人権尊重の取り組みをグループ全体で推進、その責務を果たしてまいります。住友電工グループ人権方針の詳細は当社Webサイトをご参照ください。

プラチナくるみん
プラチナくるみん

多様な働き方の実現と仕事と生活の両立支援

当社グループは、社員の「仕事と生活の両立」を支援するため、メリハリのある働き方を推進するとともに、次世代育成支援対策推進法に基づき、仕事と育児の両立支援に取り組んでいる事業主として厚生労働省から認定を受けるなど、育児・介護関連制度の整備に積極的に取り組んでいます。
2018年度より、より柔軟な働き方ができるように、在宅勤務制度を育児・介護以外の事由でも利用できるよう、対象を拡大したほか、時間単位で取得できる有給休暇制度を導入しました。また、介護に関する研修や社内報を通じて情報提供の機会を設け、仕事との両立に向けた備えを促すことで、将来にわたる仕事と生活との両立支援を図っています。

住友電工グループ健康経営宣言

当社グループが、持続的な発展成長を実現するためには、社員一人ひとりの健康が不可欠であると考えています。2015年に「住友電工グループ健康経営宣言」を公表し、2017年からメタボリックシンドローム予防・改善、運動習慣づくり、メンタルヘルスケアに重点を置いた健康維持増進活動「健活!」を継続して行っています。

なでしこ銘柄
なでしこ銘柄
えるぼし
えるぼし
スポーツエールカンパニー
スポーツエールカンパニー2021

●2020年度「なでしこ銘柄」に選定
2021
年3月、経済産業省と、東京証券取引所と共同で実施する「なでしこ銘柄」に選定されました。
なでしこ銘柄は、女性活躍推進に優れた上場企業を「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じて、企業への投資を促進し、各社の取り組みを加速化していくことを狙いとするものです。今回当社グループは、2016年度、2018年度に続き、3度目の選定となりました。

●「えるぼし」認定
2016
年8月、女性活躍推進法に基づき、女性活躍推進に関する優れた取り組みを行う企業を厚生労働大臣が認定する制度である「えるぼし」認定において、最高位である3段階目の認定を取得しました。

●「スポーツエールカンパニー」認定
前回に引き続き2021年1月にスポーツ庁より「スポーツエールカンパニー」として認定されました。