02 November 2026
Open APNを活用した遠隔メディア制作の共同実証がIOWN Global Forum™「2026 Implementation of the Year」を受賞
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、国際団体 IOWN Global Forum™*1(以下、「IOWN GF」)において、Open APN(オール光ネットワーク)*2を活用した放送事業者向け遠隔メディア制作の共同実証(以下、PoC)が高く評価され、最高賞にあたる「2026 Implementation of the Year」を受賞しました。
本表彰は、IOWN GF が過去1年間に「顕著な前進」と認定したPoCチームを対象に、IOWN*3構想の進展に最も貢献した1チームを、世界180社以上の会員企業の投票により選出するものです。当社は2年連続の受賞となりました。
当社はTBSグループ、NTTグループ、ソニーグループと共同で、2025年7月に新国立競技場・赤坂TBS放送センター・オペレーションビルを結び、「東京2025世界陸上」の放送編成機材を用いた遠隔メディア制作の実証試験を実施しました。
本実証では、Open APNを介して光パスを動的に切り替えることで、離れた制作拠点間を大容量・低遅延でオンデマンドに接続できることを実証しました。複数の非圧縮映像ストリームの伝送や、制作機器の遠隔制御に加え、ネットワークの信頼性や経済的妥当性についても検証しました。これらを通じて、Open APNの活用により放送業界の多様なニーズに応える、新たなメディア制作の実現可能性を実証しました。主な活用例は以下の通りです。
■遠隔拠点からの番組制作:
APN経由で系列キー局や外部の専門人材が地方局の番組制作を支援、人材不足や高齢化などの課題解決に貢献。
■光波長パス切替による経済的な光ネットワークの提供:
イベント会場と放送局などをAPNで接続し、専用衛星中継車や専用線に代わる大容量・低遅延・低消費電力のネットワークを必要に応じて利用できる環境を実現。
■メディア制作資源の集約・共有:
APN経由でメディア制作センターの設備を複数拠点から利用することで、制作設備や人材などのリソースを効率的に活用。
本実証において当社は、IOWN GF Open APN仕様に準拠した25Gbps遠隔波長可変プラガブルAPN光トランシーバ(APN-T)*4、波長に応じて光経路を切り替えるAPNスプリッタ装置(APN-S)*5、APNを集約し拠点内のネットワークに終端する光イーサネットワーク装置(FTU9100)などを提供しました。これらをNTTグループのAPN回線コントロール装置(APN-C)と連携することで、高速・低遅延・低消費電力のAPNを必要な拠点間にオンデマンドで提供するネットワーク構成を提案・実証し、信頼性・経済性の検証に貢献しました。
今後も当社は、本実証で得られた知見や関連技術を活用し、次世代の光通信サービスの実現に向けた製品開発と提案活動を推進してまいります。
*1「IOWN Global Forum™」
180 以上の組織・団体が参加し、次世代ネットワーク および情報処理基盤の実現を目指国際フォーラムです。(https://iowngf.org)
*2 APN/Open APN
APNは、従来、光と電気変換を必要としていたネットワーク装置やデバイスを、低消費電力で大容量・低遅延を実現できるフォトニクス(光)ベースへ転換する技術です。Open APNは、IOWN Global Forumが策定したマルチベンダーやオープンな仕様に基づき、APNを実現するための具体的な「標準アーキテクチャおよび仕様」を指します。
*3「IOWN®」は、NTT株式会社の商標または登録商標です 。
*4,5 APN-T/APN-S
APN-Tは遠隔で波長制御が可能な光トランシーバです。APN-Sと組み合わせることで、経路切替を可能にします。25G APN-T/APN-Sは国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)助成事業(No.JPJ012368G50201)により得られたものです。
*6 本 PoC の内容は IOWN Global Forum™の以下の公式サイトより確認いただけます。
(要旨)https://iowngf.org/remote-media-production-in-broadcasting-what-the-latest-iown-global-forum-poc-proved/
(詳細)https://iowngf.org/remote-media-production-in-broadcast-industry/