09 October 2025
高精度・高効率加工を実現 小型・自動旋盤用コーテッド超硬材種「AC1135U」を開発、販売開始
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、小物部品加工において優れた加工安定性と高品位な加工面を実現するコーテッド新材種「AC1135U」を開発し、2025年11月より販売します。
近年、自動車や半導体製造装置などの分野において構成部品の高精度化が進展しており、精密部品を加工するための小型・自動旋盤用工具のニーズは年々増加しています。特に、耐久性や耐熱性に優れるステンレス鋼部品の採用が増加する一方、耐食性が高いSUS316Lなどの加工では工具は短寿命となりやすく、工具のコストや交換頻度の増加が課題となっています。
これらの課題を解決するため、当社はステンレス鋼の加工安定性と長寿命化、さらに加工面の品位向上に最適な新材種「AC1135U」を開発しました。「AC1135U」は独自コーティング技術により、小型旋盤での加工において優れた耐溶着性と耐摩耗性を発揮し、工具交換頻度の低減と加工コストの低減に大きく貢献します。
当社はこれからも技術革新を追求し、より高精度化・効率化ニーズに応える加工ソリューションを提供してまいります。

1. 特長
(1)当社独自のPVD*コーティング技術を適用
「AC1135U」には当社独自のPVDコーティング技術「アブソテック®(Absotech®)」を適用。アブソテック®により高強度かつ高硬度、さらに耐溶着性を兼ね備え、高い加工安定性と長寿命化を実現。
(2)特殊表面処理
今回初めて導入した特殊表面処理により、ステンレス鋼の加工で発生しやすい刃先への溶着を抑制することで、従来比で格段に高い加工面品位を実現。
2. ラインアップ
インサート計155型番
* PVD (Physical Vapor Deposition):物質の表面に薄膜を形成する蒸着法のひとつで、気相中で物質の表面に物理的手法により目的とする物質の薄膜を堆積する方法。