31 October 2024
チタン合金旋削用コーティング材種 「AC9115T/AC9125T」を開発、販売開始
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、チタン合金の旋削加工で長寿命を実現するコーティング新材種「AC9115T/AC9125T」を開発し、2025年1月より販売を開始します。
チタン合金は軽量かつ高強度であり、耐食性にも優れることから、航空機産業で多用されているほか、生体親和性も高いことから、医療産業向けの用途も拡大しています。近年、これらの産業は伸長が著しく、それに伴いチタン合金を加工する工具の需要は年々増加しています。
チタン合金は工具との化学反応による溶着や、熱伝導率の低さによる加工時の摩耗で、工具の寿命が短いことが課題でしたが、このたび当社は、優れた耐摩耗性を持ち、チタン合金の旋削加工に最適な新コーティング材種「AC9115T/AC9125T」を開発し、販売を開始します。
1.特徴
当社独自のPVD*コーティング技術「アブソテック®(Absotech®)」を「AC9115T/AC9125T」に適用し、業界初となるWC(タングステンカーバイド)系組成を採用することで、チタン合金との化学反応を抑制、耐摩耗性が大幅に向上しました。 これにより、チタン合金の旋削加工において長寿命を実現し、生産性向上や加工コスト低減に大きく貢献します。
2.ラインアップ
インサート計165型番
※AC9115T:92型番、AC9125T:73型番
3.販売計画
初年度0.4億円/年、3年後1.8億円/年
4.標準価格
1,240円~4,520円(税抜)/個
*PVD(Physical Vapor Deposition)
気相中において、対象とする物質の表面に物理的に薄膜を蒸着する成膜手法。