05 July 2023

陸上⽤低損失⼤⼝径ファイバケーブルの伝送損失を改善し、 広域データセンタ間伝送路へ納⼊完了

住友電気⼯業株式会社(本社︓⼤阪市中央区、社⻑︓井上 治、以下 当社)は、純⽯英コア低損失⼤⼝径ファイバ「PureAdvance®-110」を使⽤した陸上⽤光ファイバケーブルの伝送損失を改善、広域データセンタ間伝送路に採⽤され、納⼊を完了しました。

通信回線網やデータセンタ間を流れるデータ量の増⼤に対応するため、基幹光ネットワークの広帯域化が求められており、光ファイバケーブルには伝送損失の低減など性能改善が期待されています。

当社は、2017年より低損失⼤⼝径純シリカコアファイバPureAdvance®-110およびそれを⽤いた光ファイバケーブルを基幹伝送路向けに商⽤供給してまいりました*1。本ファイバケーブルは、ITU-T G.654.E 勧告*2に準拠するともに、その低損失・⼤⼝径の特⻑から、⻑距離・⼤容量の光信号伝送に適した光ファイバケーブルです。
このたび、従来より更なる光ファイバ低伝送損失を実現する超低損失純シリカコアファイバ技術*3 を適⽤し、PureAdvance®-110 を⽤いた陸上⽤光ファイバケーブルの伝送損失を0.17dB/kmから0.16dB/km以下(波⻑1550nmでの典型値)に改善、陸上⽤ケーブルとして世界で最も低い伝送損失*4を実現しました。

PureAdvance®-110 を⽤いた陸上⽤光ファイバケーブルは、東京・神奈川・千葉のデータセンタ集積地を結ぶ広域データセンタ間伝送路に採⽤され、納⼊を完了しました(図1)。本ケーブルの優れた低損失性により、敷設後の⻑さ157kmの区間での総損失が36dB(接続損失・コネクタ損失を含む)など、⾮常に低い損失の伝送路を実現しています。これによりデータセンタ間の⼤容量データ通信と中継器の台数削減が可能となり、システムコストを低く抑えた信頼性の⾼い伝送路の実現が期待されます。


今後も当社は、低損失光ファイバケーブルの開発・供給を⾏い、⾼品質な光通信ネットワークの実現に貢献してまいります。

prs077_図1
(図1) 光ケーブル敷設ルート概略図
prs077_図2
(図2) データセンタ間伝送路モデル図

*1 当社プレスリリース(2018年5⽉22⽇)
低損失⼤⼝径ファイバを使⽤した陸上⽤光ファイバケーブルを⼤⼿通信事業者の基幹伝送路に納⼊開始
https://sei.co.jp/company/press/2018/05/prs046.html

*2 ITU-T G.654.E 勧告
ITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部⾨)は、通信網の技術・運⽤⽅法に関する国際標準として勧告を作成する機関。G.654.Eは、100Gb/s以上の⾼ビットレートデジタルコヒーレント伝送システムをサポートするための陸上⽤カットオフシフト光ファイバケーブルについてのITU-T 勧告。

*3 当社プレスリリース(2017年3⽉22⽇)
光ファイバ伝送損失の世界記録を更新
https://sei.co.jp/company/press/2017/03/prs029.html

*4 当社調べ

プレスリリース

陸上用低損失大口径ファイバケーブルの伝送損失を改善し、 広域データセンタ間伝送路へ納入完了

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