22 June 2023

豪州においてレドックスフロー電池を初受注

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治 以下「当社」)は、豪州において資源関連事業を営むVecco Group Pty Ltd.(以下、Vecco社)から、レドックスフロー電池(設備容量250kW×3時間)を受注しました。
豪州における当社のレドックスフロー電池の受注は、今回が初めてとなります。
当社のレドックスフロー電池は、Vecco社を通じ、豪州クイーンズランド州配電公社Energy Queensland(エナジー・クイーンズランド社、以下EQ社)に納められ、EQ社による配電系統の安定化の実証のために用いられる予定です。


豪州クイーンズランド州は、2035年までに再生可能エネルギー比率を現状の20%から80%まで向上させ、発電セクターの炭素排出量を2036年までに2005年比で90%削減することを目標に掲げています。
この実現に向け、EQ社は、配電網に太陽光発電設備の導入を進めている中、系統安定化が課題となっており、その調整力として、当社のレドックスフロー電池が活用されることとなりました。
すなわち、2023年12月から始まるEQ社による実運用可能性の実証のために当社のレドックスフロー電池が納められることとなり、この度、EQ社に納めるVecco社から当社が受注した次第です。

■ 実証概要

設置場所 クイーンズランド州ブリズベン市内
Energex社(EQ社子会社)敷地内
納入製品 レドックスフロー電池(250kW×3h)
設置工事開始 2023年12月
実証内容 太陽光発電出力の安定化、デマンドレスポンスなど

当社は、これまでの国内外で出力総計47MW、容量総計162MWhのレドックスフロー電池の導入実績があります。
これらの実績で培ってきた技術や経験を活かし、本案件においても、長寿命で安全性の高いレドックスフロー電池で系統安定化の実現に向けて取り組んでまいります。
また、本案件を通じ、豪州現地企業との協力体制を構築し、今後ますます再生可能エネルギーの導入が加速する豪州市場においても、レドックスフロー電池の展開に取り組んでまいります。


(ご参考)
■ 当社レドックスフロー電池の特長
当社が納入するレドックスフロー電池は、電解液中の金属イオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池で、長寿命と高い安全性をはじめとする次の特性を有しています。

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レドックスフロー電池

(1)長寿命
原理上、充放電サイクル数が劣化の要因にはならないため、20年以上のシステム耐久性(当社設計寿命)を有します。また、電解液自体は劣化しないため、半永久的に使用することができ、リユースが可能です。

(2)高い安全性
常温で運転可能であり、不燃・難燃材料で構成しているため火災の可能性が極めて低く安全です。また、充電状態を正確にモニタリングできるため、充放電パターンによらず長期間の安定した連続運転が可能です。

(3)柔軟な設計・運用が可能
セルスタックの台数で出力(kW)を、電解液の量で放電時間容量(kWh)を決めることができるため、出力と放電時間容量をそれぞれ独立させた柔軟な設計、運用が可能です。    

■ 住友電工グループ 未来構築マガジン「id」Vol.19
再生可能エネルギーを支える「レドックスフロー電池」が担う使命
https://sumitomoelectric.com/jp/id/project/v19/01  

プレスリリース

豪州においてレドックスフロー電池を初受注

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