01 December 2022
1000V用PLCストリング監視装置 海外市場(ドイツ)に商業用途で初納入
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治 以下「当社」)は、ドイツの太陽光発電事業者兼保守管理会社*¹より、海外市場における商業用途として初めてPLC*²ストリング*³監視装置を受注しました。本案件は、既設太陽光発電所(運転開始後約12年経過、出力4.7MW)向けに設置されるもので、10月より運用を開始しています。
欧州では、太陽光発電設備で用いるストリング監視装置が日本国内よりも早く商用として普及し、導入率も高くなっています。そのため、太陽光発電所や監視装置は運転開始後10年以上経過したものも多く、故障や老朽化により運用に支障をきたす事例が増えており、監視装置更新ニーズが高まっています。当社は、既設発電所における監視装置更新のニーズに着目し、ドイツでPLCストリング監視装置の実証事業*⁴を行い、発電効率が大幅に改善できたことが評価され今回の受注に至りました。
脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの更なる普及と高効率な利用が期待される中、今後も太陽光発電所における監視装置の更新需要は高まっていくと考えられます。当社は、発電効率の向上に貢献できるよう、利便性の高いPLCストリング監視装置の開発および付帯サービスの提供に努め、「グリーンな地球と安心・快適な暮らし」の実現を目指してまいります。
【当社太陽光発電所用 PLCストリング監視装置の特長】
1.ストリングデータの伝送に、PLC(電力線通信)技術を採用
●通信線の敷設工事が不要のため、太陽光発電所の建設期間とコストを低減
●通信線が不要なので、雷害時に装置内で電位差が発生せず、RS485通信方式と比べて高い耐雷性を実現
●当社独自の耐ノイズ性能を持ち、他の通信方式(RS485、無線)と比べて安定したデータ通信を実現
2.後付け工事が容易な構造(電流センサを挟み込むクランプ方式)を採用
3.ストリング監視装置で取得したデータをクラウドでAI解析、異常時の日次メール配信や診断を提供 (オプション)
4.国内の太陽光発電所向けに1万台を超える出荷実績
*1 bes new energy GmbH
*2 PLC(電力線通信方式):電力線を通信回線として利用する技術。当社製品は直流電力線上にストリング電流測定データを重畳
*3 ストリング:直列に接続された太陽光発電パネル群の最小構成単位
*4 Fraunhofer-Institut für Solare Energiesysteme ISE
■ ご参考
・本製品について:
当社Webサイトメガソーラー用ストリング監視装置
・本製品の紹介動画