26 October 2022
微小切削用ポジティブG級チップブレーカ 「FF型ブレーカ」を開発、販売開始
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)は、微小切削用ポジティブG級チップブレーカ「FF型ブレーカ」を開発し、2022年 11月より順次発売します。
自動車、電子部品、医療をはじめとした産業で使用される小径精密部品の微小切削加工では、特に切りくず処理に関するトラブルが起きやすく、安定した加工を実現できる工具へのニーズが高まっています。
このたび当社はこうしたニーズにお応えし、旋削加工における微小切削領域の切りくず処理性能を大幅に高め、安定した切削加工を実現する微小切削用ポジティブG級チップブレーカ「FF型ブレーカ」を開発しました。
1.特長
(1)微小切削加工で優れた切りくず処理性
突起やポケット形状など微小切削領域に最適化したチップブレーカ*の形状設計により、特に切込み0.5mm以下の領域での切りくず処理性を大幅に向上させました。これにより切りくずが伸びやすい同領域の切削において、被削材や工具への切りくずの巻き付きなどのトラブルを防止し、安定加工を実現します。また合金鋼に加え、炭素鋼やステンレス鋼などの様々な被削材に適用可能です。
(2)切込み変動加工でも高い切りくず処理性を発揮
同チップブレーカ設計では、切削条件の変動に対しても切りくずを安定してカールさせることに配慮し、特に切りくず処理が不安定になりやすい切込み変動加工でも高い切りくず処理性を発揮します。また、自動旋盤での小径精密部品加工に多い倣い加工、テーパ加工での安定加工を実現します。
(3) 3種のインサート材種をラインアップし、幅広い被削材に対応
小径精密部品加工に最適な高品位な刃先を有し、鋼、ステンレス鋼など幅広い被削材で優れた加工面品位を実現するAC1030Uに加え、需要が増加している耐熱合金や高硬度材など難削材加工に最適なAC5015S/AC5025Sの3材種をラインアップ。高い切りくず処理性と長寿命を両立します。
2.ラインアップ
旋削用G級ポジティブタイプインサート 69型番
3.販売計画
初年度 0.9億円/年 2年後2.7億円/年
4.価格
当社従来品と同設定
(標準品)DCGT11T302MN-FF (AC1030U) 2,750円(税抜)
*チップブレーカ
切削加工で発生する切りくずを処理するために設けられた工具先端の溝や障壁。