01 April 2022
Seaway7社と洋上風力発電プロジェクトにおける協業に合意~ケーブル製造・調達・布設・試運転まで一貫したソリューション提供が可能に~
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下「当社」)は、Seaway7社(本社:ノルウェー、読み方:シーウェイ セブン)と、日本を始めアジア地域の洋上風力発電プロジェクトに関し、協業して取り組むこととして、基本合意書(MOU*¹)を締結しました。
脱炭素社会の実現に向けて世界的に様々な取り組みが進められ、日本を始めアジア諸国においても、洋上風力発電の導入が推進されています。洋上風力発電設備には欠かせない電力用海底ケーブルの布設工事には、信頼性と施工品質を担保するため、海底ケーブルの特性や設計と紐付いた布設工事設計、および高度な布設技術が求められます。また、拡大する需要に対応するため、洋上風力では、効率的に多数のケーブルを短期間で布設できるよう、固有の機材・工法・監理方法が必要とされます。
このような背景の中、短納期かつ高品質なソリューションを提供すべく、当社とSeaway7社はそれぞれの強みを活かして協業することとしました。
当社は、効率的に長距離送電ができる超高圧直流ケーブルや、潮流や浮体挙動に伴う曲げに対して耐久性のあるダイナミックケーブルなど、洋上風力発電の普及拡大に不可欠なケーブルの技術開発に取り組んできました。また、欧州での洋上風力プロジェクトや、国内での各種実証プロジェクト、さらには国内初の大型商用案件である秋田港・能代港の港湾沖洋上風力発電における海底ケーブルの納入および布設工事の経験を通じて、洋上風力発電の機材・工法・監理に関するノウハウを蓄積してきました。
Seaway7社は、複数のケーブル布設船をはじめ、先進の機材を保有・運用する欧州トップクラスの海洋工事会社です。欧州を中心に洋上風力発電設備建設プロジェクトにおいてケーブル布設など多数の工事実績があり、2017年に完工したドイツの洋上風力発電所建設プロジェクトや、現在工事中の台湾のプロジェクトでは、当社が製造した海底ケーブルを布設した実績があります。
当社はこれまでも布設工事も含めた形で海底ケーブルを提供してきましたが、Seaway7社との協業により、プロジェクト初期段階の技術支援から、洋上風力発電設備に必要な海底ケーブル資器材の調達、試運転、保守・運用までを一貫して対応するEPIC*²機能をより一層強化し、低コスト・短納期・高品質・リスク低減の、最適なソリューションの提供を実現します。
今後は両社で、国内およびアジア諸国における洋上風力発電設備の導入を下支えし、脱炭素社会の実現に向けて、貢献してまいります。
■ Seaway7社 CEO スチュアート・フィッツジェラルド氏コメント:
競争力、信頼性が強く求められる日本の洋上風力市場において、両社がこれまで築いてきた強力なパートナーシップを活かし、両社の専門性、能力を発揮することを目指します。
■ 当社 常務執行役員 柴田泰行コメント:
脱炭素社会の実現に向けて、Seaway7社と協業できることを喜ばしく思います。両社の強みを最大限に活かしながら、アジア地域で今後ますます活発化する洋上風力発電設備の導入プロジェクトに対し、より良いサービス・ソリューションの提案をしてまいります。
*¹ MOU:Memorandum of Understanding
*² EPIC:Engineering、Procurement、Installation & Commissioning