課題解決事例 02 安定と信頼の排水ポンプシステムの構築~「S-FREE®キャブタイヤケーブル」~

課題解決事例 02 安定と信頼の排水ポンプシステムの構築~「S-FREE®キャブタイヤケーブル」~

国内最大級口径のコラム式水中軸流ポンプにS-FREE®キャブタイヤケーブルが使用された(写真提供:鶴見製作所)
国内最大級口径のコラム式水中軸流ポンプにS-FREE®キャブタイヤケーブルが使用された(写真提供:鶴見製作所)
ポンプ内部のイメージ図。S-FREE®(黒いケーブル)の高い外径精度が止水性を実現している(図提供:鶴見製作所)
ポンプ内部のイメージ図。S-FREE®(黒いケーブル)の高い外径精度が止水性を実現している(図提供:鶴見製作所)

「コラム式水中軸流ポンプ」を駆動させる

ツルミポンプの名で知られる(株)鶴見製作所(以下、鶴見製作所)は、1924年創業の老舗のポンプメーカーだ。建設・土木、農業・灌漑、河川・治水、上・下水道、環境装置など、幅広い分野で使用される各種ポンプを開発製造している。特に水中ポンプにおいては、パイオニアとして国内トップクラスのシェアを誇る。国内では京都と米子、海外では中国本土、台湾、ベトナムなどに生産拠点を有し、中でも京都工場は、ポンプ業界で最高レベルの規模と設備を誇り、開発から生産までの一貫体制で、小型から大型、特殊ポンプまで多様なニーズに応えている。鶴見製作所と住友電工グループとは、住友電工産業電線(株)の前身である阪南電線(株)時代から40年近い取引があり、住友電工グループはこれまでもキャブタイヤケーブルを供給してきた。今回採用されたのは、水中ポンプを駆動するモーターに電力供給するケーブルだ。ポンプは円柱状の「コラム式水中軸流ポンプ」と呼ばれるもので、主に下水道の雨水・汚水排水用、農地の灌漑用、大水量の揚排水用などに使用される。25mプールの水をわずか2分で吐き出すパワーを有するコラム式の水中ポンプでは最大級の能力を誇る。

このポンプに住友電工グループのキャブタイヤケーブルを採用した背景について、京都工場 設計部の部門長・石田郁夫氏に聞いた。

「従来、住友電工グループのキャブタイヤケーブルへの信頼性は高いものがありました。今回の大きなテーマの一つとなったのが、発注先が指定してきた特殊仕様への対応です。ケーブルの径や長さの特殊仕様に対して、住友電工グループは的確に迅速に対応してくれました。それが採用に至った大きな理由の一つです。加えて、ケーブル自体の特性も高く評価しています。しなやかで曲げやすく、軽量で端末作業がしやすい。コンパクトな輸送が可能であることから、輸送コストの削減も実現しています」(石田氏)

(株)鶴見製作所 京都工場 設計部 部門長 石田 郁夫氏
(株)鶴見製作所 京都工場 設計部 部門長 石田 郁夫氏
(株)鶴見製作所
(株)鶴見製作所

ケーブルの高い外径精度が止水性を実現

(株)鶴見製作所 京都工場 購買部 資材課 副長 宮川 康司氏
(株)鶴見製作所 京都工場 購買部 資材課 副長 宮川 康司氏

鶴見製作所側の要望に対応した取り組みの一つに、ケーブル導入部のパッキン加工がある。水中ポンプにおいて求められる要素の一つが完璧な止水性であり、内部に水の流入を許さない加工がパッキン加工だ。京都工場 購買部 資材課 副長・宮川康司氏は、住友電工グループの対応力の高さを評価する。

「パッキン加工の際、極めて重要なのがケーブルの外径精度です。止水性実現のために、我々はシビアな要求をしましたが、住友電工グループはそれに応えてくれました。また素材を工夫しケーブル素材の圧力によって外径を安定させる技術を提案してくれました。優れた技術革新だったと思います」(宮川氏)

(株)鶴見製作所 京都工場 品質保証部 課長 相亰 秀幸氏
(株)鶴見製作所 京都工場 品質保証部 課長 相亰 秀幸氏

京都工場 品質保証部 課長・相亰秀幸氏は、住友電工グループのキャブタイヤケーブルを「印象が薄い」というユニークな言葉で表現した。

「例えば社内の品質保証に関する会議で、住友電工グループが話題に出ることはあまりありません。なぜ話題に出ないかといえば、品質が極めて安定しているからです。信頼性が高い証だと思います。また、かつて端末配線の現場で、作業員が無理な力をかけたことでケーブルが裂けてしまったことがあります。住友電工グループは、製品規格に満足するだけでなく、作業性を考え、万が一負荷がかかっても問題ないよう被覆であるゴムの特性を調整し、裂けないものを納入してくれました。こうした対応にも、住友電工グループらしさを感じますね」(相亰氏)

前出の石田氏に、住友電工グループへの今後の要望を語ってもらった。

「水中ポンプは、S-FREE®が持つしなやかさや曲げやすさ、堅牢性、端末作業のしやすさといった特徴を最大限活かせるポンプであり、我々が目指すポンプ開発を力強くサポートしてもらったと感じています。今後もS-FREE®の持つ特性をさらに進化させ、一層の軽量化やコストダウンなど、新たなキャブタイヤケーブル開発に期待しています」(石田氏)

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