住友ゆかりの地~大阪②~
大阪府立中之島図書館
住友と大阪との関係は、江戸時代初期にまで遡ります。住友家二代友以(とももち)が銅精錬と銅細工を家業として、大阪に銅吹所(銅精錬所)を開設したのが、その端緒です。以来、大阪を中心に事業を展開してきました。
今回は住友のゆかりの地 中之島図書館(大阪市・北区) をご紹介します。
大阪府立中之島図書館は、1904年に建てられた、ギリシャ・ローマの神殿建築様式を忠実に踏襲した新古典主義の代表的建築として知られています。中之島図書館の施主は、住友家十五代住友吉左衞門友純(ともいと)で、図書館建設の資金を提供するのではなく、図書館そのものを建築して寄贈しています。また、友純は図書の購入基金として5万円を寄付したほか、輸入した百科事典類や、「住友文庫」として自然科学系の洋書など約2万冊を寄贈しています。大阪の人々に広く世界に目を開いてほしいと願っていたのではないでしょうか。
中央ホールに、銅板で掲げられた「建館寄付記」には、「我が大阪は関西の雄府にして、人口百万、財豊かに物殷さかんにして、諸学競い興る。而かるに図書館の設独り焉これを闕かく。是に於いて、府庁、建館の議有り。某、自から揣はからず、図書館一宇曁び図書財本若干資を献じ、もって微力を効さんことを請う」(大阪は人口も多く、色々な物が揃っていて学問も盛んだが、図書館だけが無い。建物と図書購入費用を寄付して微力をつくしたい)と友純の言葉が記されています。
この中之島図書館はその規模の割に長い3年を費やし、建築費も当初の予定を大きく超えて完成しました。その後、友純が願った通り、中之島図書館は戦災をも耐え抜き、竣工から100年を超えても威風堂々と立ち続けています。