月原 望01

大きな花を咲かせるために種を探し続ける

月原 望

アドバンストマテリアル研究所 硬質材料研究部

2006年入社/工学研究科修了

志望動機

モノづくりの川上に携わりたいと考えていました。関西が拠点の会社、コツコツと技術開発に取り組むことができる会社、女性が仕事を続けやすい会社を重点的に検討し、その中で住友電工が第一志望になりました。

月原 望02

強度を保つためのコーティング

大学は鋳造関連の研究室、大学院はセラミックス関連の研究室に在籍し、一貫して材料工学を学びました。当時の経験が今の仕事に活かされていると感じることは多いです。現在はアドバンストマテリアル研究所の硬質材料研究部超硬・薄膜研究グループにて、工業用工具のコーティング開発を担当。コーティングプロセスにおける新技術の開発・調査、また、新しいコーティングの材料設計のための実験や評価を行っています。金属などの硬いものを削ったり穴を開けたりする工業用工具は当然金属よりも硬くなければならず、超硬合金などの材質でつくられています。その硬度や強度の向上のために、数ミクロンの薄い膜でコーティングをします。お客様のニーズに応える新技術開発を実現し、いちはやく製品化につなげることがミッションとなります。

月原 望03

長期的視点に立った深い研究開発

事業部門がお客様のニーズに即座に対応するのに対し、私が所属する研究部門はもう少し長期的な視点に立ち、より深い研究開発を行っています。2年に一度開催されるモノづくりの展示会、「JIMUTOF(ジムトフ)=日本国際工作機械見本市」に出展するのがひとつの目標なのですが、製品に活用すべき新しい技術開発は2年では間に合わない場合があり、研究開発と製品化は長いスパンで考える必要があります。そのため、出産育児休暇や異動を挟み、別案件の用事でお客様のもとを訪れた際に「このコーティングいいですよね」といったお褒めの言葉をいただくなど、ずいぶん後になってから製品の評価を得ることも。先方は、私がその製品開発に携わっていたのを知っていたわけではありません。忖度なく、純粋に製品のよさを褒められたことが、なによりうれしかったです。

月原 望04

コーティングのことなら月原さんに

長年研究開発の仕事をしていますが、私は自分のことをアイデアマンだとは思っていません。やはり餅は餅屋なので、わからないことがあれば、詳しい人に聞けばいいのです。そういった人材が、住友電工にはたくさんいます。とはいえ、できれば私も餅屋になりたい。今の分野の専門性をさらに高め、「コーティングのことなら月原さんに聞けばわかる」と同僚から思われる開発者になりたいと思っています。また、スペシャリストとして力を発揮しつつ、後輩に対して自分の知識や技術を積極的に伝えるなど、組織力の強化にも注力していきます。当社では、研究部門で種を探し、事業部門でそれを育て開花させる、というサイクルをまわしています。私もそのサイクルの中で、関わる人との連携を通し、自分自身や関係者の成長を図っていこうと思います。