架空送電線監視システムとは

私たちの生活に欠かせない電気は、発電所で生成され、送電線を通じて私たちのもとに届けられています。送電線の中でも特に架空送電線は、自然環境の影響を受けやすく、雷撃や鳥獣の接触、飛来物などによる電気故障(停電)が発生する可能性があります。電力の安定供給を確保するためには、これらの電気故障による架空送電線の設備の損傷度合いを確認し、必要に応じて補修を行うことが不可欠です。当社の架空送電線監視システムは、広域にわたって張り巡らされた架空送電線の中で、故障箇所を早期に発見するために必要な情報の提供や、設備保守の効率化の一助となるシステムを提供します。

特長と強み

●送電線鉄塔に設置した装置からの情報は、事務所に設置された表示装置に集約され一元管理が可能。
●各装置は送電線路を停止することなく設置が可能(活線工事)。
●監視の対象や目的に応じてシステム構成を柔軟に変更できるため、特定のニーズに最適化したシステムを提供。
●情報の伝送手段には、OPGWを用いた光伝送と携帯電話網を用いたパケット伝送の二種類に対応。
●設計から施工、保守に至るまで、当社が総合的に実施可能な体制を整えており、お客さまに対して高品質のシステムを提供。

製品用途

●送電線電気故障個所の特定および設備巡視の一助
●カメラによる通常および災害時の設備や周辺状況の把握
●気象情報(風、気温、気圧、雨)の取得による悪天候時の状況把握、設備災害時の事後検証に活用

FL(センサ)

FL(Folt Location)

架空地線に設置した電流センサ(CT)と鉄塔下部に設置した伝送端末装置により電気故障時の電流変化を検出し、送電線路に複数設置した装置の電流、位相の分布により故障区間を標定します。

架地判別装置

架地判別装置

架空線と地中線の混在する送電線路において、地中線に地中線用電流センサを設置することで、故障個所が架空線か地中線かを判別します。FLとの組み合わせまたは単独でも使用可能です。

ITVカメラ

ITV(Industrial TeleVision)カメラ

カメラを送電線鉄塔や変電所等に設置し、当該設備やその設置個所付近の状況を遠隔地(事務所)にて確認することで、状況把握(出向の必要性の確認)、早期対応(対策方法の事前検討)を可能にします。

気象観測システム

気象観測システム

送電線鉄塔に風向風速計、雨量計、気圧計、気温計、雨量などの気象センサを設置し、当該設備個所の気象データをリアルタイムで取得し台風襲来時の警戒や送電設備の設計に活用します。

航空障害灯断芯検出システム

航空障害灯断芯検出システム

送電鉄塔に設置された航空障害灯の点灯、不点灯(断芯)を航空障害灯の光または、制御盤からの異常信号を取り込み監視します。灯器別に点灯、不点灯も判定可能です