劣化診断について

架空送電線は、過酷な自然環境下で使用されるため、経年による劣化が生じます。その要因として、海塩等による腐食、風を受けることによる振動疲労、発熱(過電流など)による軟化などがあげられます。そのため、効率的な設備運営の観点から、現地より撤去した電線をご提供いただいて、当社で適切な調査・解析を行う劣化診断や、架線された電線へカメラ点検を行う劣化診断などを行っています。

適用範囲

●当社での電線調査:ご提供いただいた撤去電線
●現地での電線調査:地上からビデオ撮影できる径間の電線

劣化診断

撤去電線性能調査による劣化診断

劣化し撤去された電線の残存性能を調査するため、適切な試験を実施し解析します。その結果から、電線の余寿命などを推定し、適切な張替え時期を提案します。


電線カメラ点検による劣化診断

海塩起因の電線腐食が進展すると、架線された径間内の数か所に電線の膨らみがみられる場合があります。これは電線の内部で腐食(内部腐食)が生じ、腐食生成物が素線間の隙間に充満することで、外層素線が外に押し出されるからです。この現象の有無を確認するため、地上から架線された電線をカメラにより撮影します。線路停止は必要ありません。その画像から膨らみ(外径増)の程度や外観を診断し、張替え時期の緊急性を提案します。